LD「学習障害」とひきこもり
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LD「学習障害」とひきこもり

関東自立就労支援センターにはさまざまな相談が寄せられますが、LD「学習障害」に関する相談も少なくありません。

 

 

 

あるとき、27歳の息子が働き始めて3ヶ月になるという母親からの相談を受けました。仕事ぶりは芳しくないようですが、職場ではそれでよしと認められているようです。

 

 

 

 

週5日働いて月給は約13万円です。かなり安い給料ですが、本人も母親もそれでよいと考えています。

 

 

 

 

給料が低いのは、「うちの子はLDのようなところがあるので」と言っていました。月収約13万円で、東京近辺で生活をするのはけっして楽なことではありません。

 

 

 

 

母親が毎月数万円補充することにしています。この話を聞いて、27歳のひきこもりの経験者としては大きな前進だと思いました。

 

 

 

 

それと同時に、わたしはこのLDについてあらためて考えてみる気になりました。この母親からの「LDのようなところがある」ということばに、何かピンとくるものがあったからです。

 

 

 

 

わたしは何かで、LDが「中枢神経の機能障害」に基づく、非常に多様な症状を表す複雑な状態像」とされるのを読んだことがあります。

 

 

 

 

もしかしたらひきこもり状態が続くことで、その時期に人間関係を通して伸びていくはずのものが十分に伸びずに、LDと似た状態、あるいは同一の状態にいたった可能性があるのではないかと思ったからです。

 

 

 

 

まず「精神疾患の分類と診断の手引きーDSMーIV」の項を読みました。その説明にはあまり納得できなくて、同じ「特異的発達障害の括り」とされる「運動能力障害」や「コミュニケーション障害」の項を読みました。

 

 

 

 

これをみるかぎり、LDよりも後者の二項が、ひきこもりの経験者の若者の状態に近いと思いました。

 

 

 

 

しかし、市販されているLD関係の本をいくつか読むと、そこで説明されているLDは、ひきこもり当事者の術上に近い感じを受けました。(もっとも、運動能力障害やコミュニケーション障害に関する本は入手できないので、比較はできません)。

 

 

 

 

ある精神科医は、「LDに見られることのある行動の仕方」として次の点を挙げています。

 

 

 

 

1、多動性

 

 

 

 

2、注意力(転導性)・・・受け止める注意力を持っているが、興味のある刺激とそうでない刺激を瞬時に、ほとんど無意識のうちにそれらをふるいにかけて行動することが難しい。

 

 

 

 

3、不器用・・・・協応運動能力の偏り

 

 

 

 

4、保持性・・・・特定のことにこだわる傾向が強い

 

 

 

 

5、情緒的不安定さと衝動性・・・・結果としていじめの対象になりやすい

 

 

 

 

わたしは、ひきこもり県警者の様子は、これらのLDの様子に近いと思います。LD,つまり「学習障害」の「学習」ということばで推測していくとつかみづらいのですが、性質・性格や行動・行為の面を表す状態のなかに、共通性をみることができます。

 

 

 

 

もちろん表れ方には個人差があり、一様ではありませんが・・・・。10代後半以降、あるいは20歳を過ぎてからひきこもりになった人たちは、子どものころからいくぶんはこれらの傾向があった人もいるでしょう。

 

 

 

 

同時に、ひきこもりを長期間続けること、成長期に対人関係が長期にわたって途絶えることは、ある種の成長・発達の遅れを招き、可能性としては機能障害を伴うのかもしれません。

 

 

 

 

また、ある程度成長したところで、いじめや虐待にあってそれまで形成されてきた人格の土台が弱体化、劣化され、あるいは崩されてしまうとこのような状態になるのではないかと考えました。

 

 

 

 

それが生活上、職業上の不器用さ、判断内容の不適切さや遅れとして表面化してくるのです。そして、対人関係のトラブルや自信喪失に連していくように思います。

 

 

 

 

もし、そこに機能障害があり、何らかの方法でつきとめることができるならば、生物学的精神医学の有効性を感じさせます。

 

 

 

 

同時にまた、そこだけに限定する対応の危険性を感じます。たとえばCTスキャンによって脳や神経系の内部をとらえることができるようになったとしましょう。

 

 

 

 

それでも微細な顕微鏡観察の対象となる程度の脳や神経系統の異形や欠陥を見つけ出し、矯正をめざすのはまだ困難だと思えるからです。

 

 

 

 

LDの特徴

 

 

 

 

LDの人は、言葉を聞いたり、話したり、書いたり、読んだりするような、小学校の授業でいえば国語の能力、あるいは計算や図形といった算数の能力のうち、特定のことがらが極端に不得手な状態です。

 

 

 

 

全体的な知的レベルには問題がないのに、なぜか極端に不得手なことがあるのです。

 

 

 

 

LDには、次の2つの特徴があります。まず、知能検査や学業成績からみて、ある特定の科目や技能の習得がたいへん劣っていることです。

 

 

 

 

もうひとつは、子どもによって程度の差はあっても、日常生活の活動に障害が見られることです。これは手先の細かい作業ができないためです。

 

 

 

 

学習障害は、勉強が苦手ということではなく、全般的な知能に比べて、ある特定領域の学習能力が著しく低い状態をいいます。

 

 

 

 

たとえば、知能は正常かそれ以上なのに、文字をたどたどしくしか読めなかったり、漢字が書けないというケースです。

 

 

 

 

いわゆる発達障害のなかで、もっとも頻度の高いものです。なかには多動や不注意をともなわない場合もありますが、三分の二くらいは多動で不注意で衝動的な傾向をともない、注意欠陥障害やADHD(注意欠陥/多動性障害)を合併しています。

 

 

 

 

読み書きが困難な読字障害(書字障害)、計算や数学的概念の理解が困難な算数障害が代表的なものです。

 

 

 

 

新奇性探求が高いタイプの人は行動優位で、体験から学習するという特性を持ちます。

 

 

 

 

文字や数字や記号で理解するというのは、なじまないところがあるからです。長い進化の歴史において、そうした特性を持った人が一割程度いるということは、そうした特性が生き残りに有利だったからです。

 

 

 

 

ところが、誰もが勉強をし、文字や算数を習うという時代になったために、特性とのミスマッチが起きているのです。

 

 

 

 

その意味では、全員に同じことを学習させようとする制度のほうに無理があるともいえます。

 

 

 

 

つまり「学習障害」という診断は、誰もが同じ教育を受けるという制度の副産物だといえます。

 

 

 

 

あまり「障害」と否定的に考えず、特性として有利な面を伸ばしたほうが、本人のためにも社会のためにもなります。

 

 

 

 

不思議なもので、学習障害がある人は、必ず別の面で強みとなる才能が存在します。

 

 

 

 

俳優のトム・クルーズやアメリカ大統領のジョン・F・ケネディ、ビジネス・コンビ二のキンコーズを創立したポール・オーファラにも学習障害があったことが知られています。

 

 

 

 

トム・クルーズには読字障害が、ジョン・F・ケネディには書字障害があり、オーファラには、ADHDと重症の読字障害がありました。

 

 

 

 

さまざまなタイプの学習障害がありますが、問題をよく調べていくと、基本的なことに課題を抱えていることが多いです。

 

 

 

 

たとえば目を動かす、目で追いかけるといったことです。そのために人と注意を共有できない、うまく読めない、うまく書けない、書き写せないといった問題を生じます。

 

 

 

 

それが積み重なって、学習障害だけでなく、社会性の障害にもつながってしまいます。

 

 

 

 

というのも、注意を共有するということが、社会性の発達の最初のステップだからです。

 

 

 

 

凝視するということが困難な場合もあります。集中力に課題を抱えた子では、じっとみるのが苦手で、すぐに視点が動いてしまいます。

 

 

 

 

そのため、よく見ないで、瞬間的な印象で物事を判断し、ケアレスミスをすぐにするということが増えてしまいます。

 

 

 

 

ミスが続けば、誰だってやる気も自信もなくなってしまいます。その積み重ねで、「学習障害」が生み出されます。

 

 

 

 

また、気づかれにくいタイプの学習障害として、聞き取りの能力が低いケースがあげられます。

 

 

 

 

このタイプでは話の一部しか頭に残っておらず、電話の内容が適切に理解dけいなかったり、伝達ミスが起きやすいです。

 

 

 

 

検査をしてみると、聴覚的なワーキングメモリーが低いということが多いです。

 

 

 

 

ワーキングメモリーは、聞き取ったことや読み取ったことを一時的に蓄えておくメモ的な記憶です。

 

 

 

 

メモ用紙が小さすぎるために、長く話されたりすると、最後の部分しか覚えていないということがおきます。

 

 

 

 

ワーキングメモリーが低い場合には、メモ帳を積極的に活用することが大事になりますし、わかったふりをしないことも大事です。

 

 

 

 

聞き取りにくかったことは必ずたずね直すようにし、また最後に要点を復唱するようにして、聞き漏らしを防ぎましょう。

 

 

 

 

ですが、このタイプの人では、聞き取りながら書くといったことも苦手なことが多く、専用のトレーニングが必要です。

 

 

 

 

しかし、残念ながらそうした治療を実施している医療機関はほとんどないのが現実です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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