過去は問い直さない
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過去は問い直さない

2016年10月05日(水)2:28 PM

OOK86_kianubocchi20150112162321_TP_V1これまではまったく友達の名前すら出さなかった子どもが、突然アルバムを出してきたり、「あいつ、今頃どうしているのかな」と心配して様子を母親に聞いてくる、いっさい友達からの電話に出なかった子どもがいきなり自分から電話をかけたりする、

 

 

 

 

「今、僕は高校には行っていないけど漫画家になる修行中だ」と夢を語ったりする、

 

 

 

 

部屋を模様替えしたり、掃除をしたり、何かを片付けていく、これらの行為は過去を清算して新しい自分と出会いたいという現われです。

 

 

 

 

アパートに入ってひとりで生活をはじめたい、留学したい、いずれもそんな気持ちではないでしょうか。

 

 

 

 

心が新しくなると、歩いているだけで笑いたくなる、道端の花にも声をかけたくなる、もう過去はいい、自分はやっと「シンプル」に生きていけそうです。

 

 

 

 

こんな心境かもしれません。過去を問い返してはいけません。どうしてこうなったのかと原因を追究してもいけません。

 

 

 

 

子どもが自ら語りたければ別ですが、気持ちが新しくなると苦しい時期は忘れたいものです。

 

 

 

 

自分の過去のしがらみから解放された別の場所で生まれ変わり、いつの日にか親に晴れ姿を見せて安心させたい・・・。

 

 

 

 

こんな仕切り直しの旅立ちを思いたつ節目はいつなのか、それは子どもにしかわかりません。

 

 

 

 

ですが、一つの目安として、これまでの経験から四つあげることができるように思います。

 

 

 

 

ひとつ目は不登校なりニートなり、ある人生の決断をした日です。それは定められたレールから本来の自分を取り戻すための独立記念日であったはずです。

 

 

 

 

一年たち、その日は自分への評価となって再び登場してきます。

 

 

 

 

二つ目は誕生日です。同世代の群れからはぐれてしまった、と思う子どもほど、この日はつらいものです。

 

 

 

 

とくに二十歳は経済的自立を親に言われる以上に意識してしまうものです。わたしは、ある十九歳の少女が二十歳を迎えたとき、「どうしてみんなは青春しているのに、わたしはパジャマのまま朝から晩までいなければいけないの、わたしにも行き先がほしいです」と言ったつぶやきが忘れられません。

 

 

 

 

誕生日を生き直しの日にしたいのでしょう。三つ目は十二月三十一日です。「除夜の鐘とともに、僕の人生も新年を迎えたい」という子どもはほんとうに多いです。

 

 

 

 

年齢、成長感等、節目をこれほどまでに意識させる日はありません。それだけにつらい日でもあります。

 

 

 

 

「年賀状は友達の数でした」というある若者の言葉は、その切なさをもっとも言い表しています。

 

 

 

 

初日の出に縁起をかつぐ子どももいます。ひきこもっていた子どもが突然に初詣に行くこともあります。

 

 

 

 

大吉を願っておみくじを引くのです。四つ目は三月三十一日です。年間でもっとも不安定になるときともいえます。

 

 

 

 

新年度というよりも、まさに「出発」そのものを意識するからです。この日に向けて元旦から助走をつけてくる子どももいます。

 

 

 

 

また同級生の動向も気になってきます。この日を「春(帰属先の決定)にしないと、また一年同じ日が繰り返されてしまうとの「猶予」に焦りだす日でもあります。

 

 

 

 

節目はうれしくもあり、不安なつらいものでもあります。そんな思いを抱きながら、カレンダーに〇をつけたり、部屋を整頓したり、旅立ちを気にしだすのです。

 

 

 

 

繰り返しますが、子どもたちはいつも新しい自分になって親に晴れ姿を見せたいと思っています。

 

 

 

 

わたしたちはそんな子どもの気持ちにどれだけ寄り添っていけるでしょうか。見逃すまい、聞き漏らすまい、何気ない子どものつぶやき、しぐさに旅立つ鍵が隠されています。

 

 

 

 

そして旅立つには、ひきこもっていたこれまでを肯定できることが必要になります。

 

 

 

 

決して無駄ではなかった、ひきこもることが自分にとって必要だったのです。

 

 

 

 

「子どもはいつも親や先生に自分の成長をプレゼントしたいと思っているが、大人はいつもそのことを信じてくれない」この少年のつぶやきをわたしはここでもかみしめたいと思います。

 

 

 

 

そしてもうひとつ、「いまどうにもならない状態だから、悪いな、と思いながらも親に悪態をついています。

 

 

 

 

そんなこと親にしかできないから」と言った青年の切なさにも心を寄せたいと思います。

 

 

 

 

まさにこのときも、事態をふっきる瀬戸際でもあるからです。

 

 

 



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