「同一時代を同一世代と同一空間で生きたい」と願う若者たち
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「同一時代を同一世代と同一空間で生きたい」と願う若者たち

2016年10月04日(火)1:54 AM

PPU_shibahutokage_TP_V1「僕だって輝いて生きる権利があるんだ」と言って、18歳で通信制高校に入学し、今春卒業した若者がいます。

 

 

 

 

彼は姉の不登校をからかわれて中1で学校に行かなくなり、約6年間友人関係を絶ち、外出しない生活を続けていました。

 

 

 

 

彼は同世代の仲間と比べて「無駄な人生」を歩んでいるのではないかとたびたび疑問に思うようになり、体を鍛えることで無駄を回避し、いつでも同世代に戻れる準備をしていました。

 

 

 

 

彼の夢はプロレスラーになることで、部屋中に憧れのレスラーのポスターを貼っていました。

 

 

 

 

そして健康器具を買って、毎日体力づくりをしていました。わたしの家庭訪問を経て、いよいよ相談室をはじめて訪れる日がきました。

 

 

 

 

面接室で待っていたわたしの前にあらわれた彼は、いつもの体よりももっと大柄な男になっていました。

 

 

 

 

黒いジャンパーの下には厚手のセーター等を着て大きく見せる工夫をしていました。

 

 

 

 

そこまでしなくてもと思ったわたしは、疑問を投げかけました。すると彼は「6年間もただ部屋の中で悩んでいたとは言えませんでした。

 

 

 

 

自分は自分なりに生きてきたという証明を、見えるかたちで表したかった」と言いました。

 

 

 

 

レスラーになるためのトレーニングをしていたというわけです。プロレスラーになって無駄でない6年間を証明することで、当たり前の18歳の若者に戻ろうとしていたのです。

 

 

 

 

自動車の免許を取ったりすることも同世代復帰でしょう。もう一つは、同世代との「ズレ」をなんとか回復しようとすることです。

 

 

 

 

相談室に通っていた17歳の少女は、中2のとき、クラブ活動でいじめにあいました。

 

 

 

 

同級生をいじめる友達を注意したことから、シカト(無視)の対象にされてしまった子です。

 

 

 

 

それから2年間、夕方学校に生徒がいなくなってから登校することで出席とされました。

 

 

 

 

高校も心の整理がつかず、1年間留年しました。そんな彼女は文章を書くことが好きでした。

 

 

 

 

それで自然に投書マニアになっていきました。ある日テレビのドキュメンタリー番組を見ていて感動したことを某新聞社のはがき通信欄に投稿しました。

 

 

 

 

最後の「スマイル、スマイル、スマイルという言葉にわたしは勇気づけられました。

 

 

 

 

十七歳、高校生、〇〇子」という彼女の文章が新聞に掲載されました。もちろん、17歳の誰もが採用されるわけではありません。

 

 

 

 

それも全国紙に掲載された彼女の喜びは大きかったのです。彼女はこれで同世代との間で感じていた「ズレ」を回復できました。

 

 

 

 

14歳の中2で止まったままだと思い、ズレていると気にしていましたが、世の中が自分を認めてくれたことで旅立つきっかけができました。

 

 

 

 

もう一人、相談室に通う22歳の若者の夢は「不登校していたときのクラスの同窓会をいつの日か自分の手で開くことです」と言います。

 

 

 

 

年齢をいくら重ねても、やはり同世代に戻って再出発を心の中でしたいのでしょう。

 

 

 

 

子どもたちはどんなに大人からほめられたり励まされたりしても、最終的にはやはり同世代に認められてこそ自分を認めることができるように思います。

 

 

 

 

だからといって大人は子どもに無力だと言っているわけではありません。大切なのは、そんな子どもたち同士が絡み合う場を、大人が奪い取ったり軽視していないかということです。

 

 

 

 

子どもの社会で傷ついた心は、子どもの世界でしか本当のところは癒せません。

 

 

 

 

それを援助するのが大人です。わたしはやたら大きな力に直接頼ったり訴えたりする子を育てるのではなく、横につながっていく、連帯していく子を育てることが重要に思えます。

 

 

 

 

人権を裁判所に訴えるしか術のないときもありますが、できるかぎり娑婆の同世代との人間関係でなんとかその人権を守っていきたいものだ、と思います。

 

 

 

 

話を戻しますと、わたしは次の3つの条件がそろうとき、子どもたちは生き生きとしてくるように思います。

 

 

 

 

「同一時代を同一世代と同一空間で生きる」ことが叶うとき、それは「共通の話題を友達と群れる場」で語ることであり、復帰する場を得られたときに心の安定感を獲得するのです。

 



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