特効薬は「人間」
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特効薬は「人間」

2016年09月26日(月)1:46 PM

0I9A8226ISUMI_TP_V1「会話のない生活ほどつらいものはない、そのことがよくわかりました。今これ一錠飲めばたちまち子どもと会話ができるという薬があれば百万円でも二百万円でも買います」と悲しみを訴えてきた母親がいました。

 

 

 

 

何か解決の特効薬を求めて信じがたい高額なお札や霊験あらたかな商品を買い込んでしまう、そんな「生き地獄」の心理です。

 

 

 

 

しかし閉じてしまった心の扉がわずかずつでも開いていく、その大いなる薬は、じつは「人間」なのです。

 

 

 

 

傷ついた心の癒し薬は、人間でしかありえません。何度も何度もその薬を子どもの心に塗るしかないのです。

 

 

 

 

いつ、その傷が癒えるか定かではありませんが、煎じ薬と思うことです。だからこそ、子どもにかかわる行為をはじめたら、反応がないからと途中で止めないでほしいと思います。

 

 

 

 

「やっぱりその程度だったのか」と子どもに失望感を与えるだけです。

 

 

 

 

かかわるということは終わりがないということを宣言することです。その確かさに子どもの心は潤いだしてくるのです。

 

 

 

 

人間関係で傷ついた心は、人間関係でしか癒せません。特に親に対する子の思いは、これのみです。

 

 

 

 

誰一人拒絶した状態をよしとしている人はいません。ところがそんな日常が長引いたりすると、すべてに関心や喜びがなくなり、心身全体が落ち込み、あるときは日常生活に支障をきたすことも出てきます。

 

 

 

 

漠然とした不安、寂しさ、憂うつ感、後悔は、同世代からの置きざり感、社会や親からの見捨てられ感となります。

 

 

 

 

こうした重圧感が、子どもの存在を希薄にさせていきます。

 

 

 

 

「寝ている子どもがまるで畳に吸い込まれていくようだ」と表現した父親もいます。

 

 

 

 

強迫感とは自分の意思とは無関係に沸き起こってくる不安であり、その不安を打ち消すために、「おまじない」とも思える「不合理な儀式」を一日に何度となく繰り返すのです。

 

 

 

 

手を洗い続けたり、確認することにこだわったりします。自分自身、深く悩みこんでいるため、「大丈夫、大丈夫」と、親に不安を何回も訴えてくることも多いです。

 

 

 

 

この段階になると、医療の手助けを考えなければならない場合もあります。しかし重要なことは、そんな症状にも意味があると見ていくことです。

 

 

 

 

そうした理解の仕方が子どもの心を身近なものにしていくと思います。この段階になると、親はもう「学校・職場に行け」とか「おまえの責任だ」ということを言えるものではありません。

 

 

 

 

ありのままのその子をかけがえのない存在として受け止めていくだけです。親の無償の愛というものです。

 

 

 

 

子どもたちのこうした悩みの集いに、父親の参加が少ないという声をよく聞きます。

 

 

 

 

ところが、この時期になると父親は重い腰をあげてきます。それはその子どもの深刻さと母親や家族の過度の疲労から、無縁でいられなくなるからです。

 

 

 

 

自らが何らかの働きかけをしていかなければ、家庭が崩壊する状況すらあるからです。

 

 

 

 

そして何よりも、本人にとって親の救いをもっとも求めている段階でもあります。

 

 

 

 

子どもの悩みが深いほど、家族の絆が深まるチャンスとみて受容してほしいと思います。

 

 

 

 

受容とは、子どものいまもっている感情をそのまま受け止めていくことで、内容や考えにとらわれてはいけません。

 

 

 

 

そんな感情を持つ子の存在を許してほしいのです。事実を肯定するのではなく、気持ちを肯定しましょう。

 

 

 

 

暴力を認めることはできませんが、「殴りたかった」気持ちを肯定しましょう。

 

 

 

 

「僕は親に納得してほしいのではなく、理解しようと努めてほしかった」という、ある青年が残していったメッセージはそのことを言っているようにわたしには思えます。



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