友人の作り方がわからない
ホーム > 友人の作り方がわからない

友人の作り方がわからない

2016年09月19日(月)2:46 PM

fdgsjeat-Edit-Edit_TP_V1不登校であれだけあわてふためいて、僕の苦しみはすべて理解したと言い切っていた両親なのに、大学を卒業し入社一週間でやめてしまったぼくの悩みが皆目わからない、とはどういうことでしょうか。

 

 

 

 

 

『また不登校になったのか』と父親は僕に吐き捨てるように言うのですが、本質的なぼくの悩みは不登校になったときから現在まで同じもので変わっていなかったのです。

 

 

 

 

学校に復学したこと、大学生活を過ごしたことで、不登校になったぼくの悩みが解決したわけでもなく、『また』と言われてもそれは違うのです。

 

 

 

 

やせ型で背の高いC君(二十三歳)は腕組みしながら相談室のソファに座ると、話すたびに細かく首を縦に振りました。

 

 

 

 

「それはどういうことだい」

 

 

 

 

私は両手を重ね合わせると、その手を右膝の上に置き、上体を曲げながら尋ねました。

 

 

 

 

じつは、小学校五年生くらいから大人社会でバリバリ働いているはずのこの年齢になるまで、ぼくは大きな不安をかかえてきました。

 

 

 

 

友人のつくり方がわからないのです。挨拶ひとつできないのです。話しかけたり、話しかけられたりすることを予期すると頭の中で乱気流が起こるのです。つきあえないんです。

 

 

 

 

友達に手伝ってもらったとき、とてもうれしいのに『ありがとう』が言えないんです。

 

 

 

 

けんかして悪いことをしたなと思っても、ごめんなと素直に言葉が出ないんです。

 

 

 

 

困っているときに、助けてほしいなと願っていても、ちょっとすみませんが、よろしいですかと気軽に頼めないんです。

 

 

 

 

話の輪の中に入りたいなと思っていても、仲間に入れてもらえる?となかなか言い出せないんです。

 

 

 

 

何か返事をしなければならないときがやってくるとすっかり迷ってしまい、顔が強張ってしまうんです。

 

 

 

 

そして変に思われないかなと不安になると、ドキドキと胸の鼓動が高鳴って抑えようのない気持ちに襲われるんです。

 

 

 

 

そのうちに、友達は不思議そうに僕の顔を見ると、なにを考えているのかわからないやつだなと言って立ち去ってしまうんです。

 

 

 

 

心配した小六の担任は、昼休みに教室でひとりつまらない様子で僕が校庭を見ていると声をかけてきてくれたこともありました。

 

 

 

 

寂しかった僕はうれしくて泣きたくなったんですが、やっぱりここでも感情を抑えこんでしまい泣けませんでした。

 

 

 

 

先生は、「勇気を出して、元気よく、自分から挨拶していこう」「ゆっくりと、あわてないで、友達の目をしっかり見て、話しかけてごらん」「心を込めて話していれば、友達はきっと答えてくれる」と教えてくれました。

 

 

 

 

何度か挑戦してみましたが、僕にはきらわれないという保証がないと言い出せなかったように思います」

 

 

 

 

心の底から人を求めながらも、友達は本当に自分を受け入れてくれるだろうか、という不安がC君にはつねにつきまとっていたのです。

 

 

 

 

それは「いい子」でありたいという心の裏返しでもありました。「どんな言い回し、付き合い方が正しいのか、どの場面ではどの言葉を使えば相手に不快感を与えないですむのかそればかり考えて、結局、友達づくりにおびえていた」と言います。

 

 

 

 

人間関係は理屈どおりには進まない曖昧なものです。マニュアル化できないからこそ、機械的ではない人間味が生まれてきます。

 

 

 

 

そこに人のやさしさ、いたわり、思いやりの世界があります。友達づくりに完璧さを求めすぎて、反対に思うようにならず悩み、その孤独な身からの脱出を、「ロジックで組み立てては、ミスマッチを起こしていた」とC君は振り返りました。

 



メニュー

過去の記事

団体概要
団体名
関東自立就労支援センター
理事長:
大橋秀太
理事:
大畑健太
理事:
杉下真理
住所
東京都東久留米市浅間町1-12-9
TEL
042-424-7855
メール
ki6jt7@bma.biglobe.ne.jp
活動内容
・若年者の就労支援、
 学習 支援、生活訓練
・共同生活寮の運営
・教育相談の実施
・各種資格取得支援