ひきこもりの同世代からの置きざり感
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ひきこもりの同世代からの置きざり感

2016年09月17日(土)11:00 AM

0I9A8226ISUMI_TP_V1ひきこもり文化、一人称のライフスタイルの要因としては、日本が知識優先社会であることは無関係ではないと思います。

 

 

 

 

思春期の大事な時期に、日本はちょうど受験戦争に入っています。

 

 

 

 

自我の芽生える小学校5、6年ごろに、集団の場の人間関係がつらくなって勉強に逃げ込む子どもが一番いい子になってしまうという皮肉な事態が起こります。

 

 

 

 

結果として、「知」を生かす前に「情」で挫折するというケースが増えてきます。

 

 

 

 

だから、つくづく思うのですが、勉強もできることにこしたことはないのですが、できなくたって、ある程度人間関係さえできればいいのではないかと思います。

 

 

 

 

微分・積分なんかできなくたっていいのです。いくら高等数学ができても、人間関係ができなければ、この社会はとても生きにくいところなのです。

 

 

 

 

また、ゲームやインターネットに代表される「一人遊び文化」の蔓延も大きな問題ですし、テレビや雑誌などが「軽薄な人間関係」を、あたかも格好のいいものであるかのように報じることにも問題があります。

 

 

 

 

茶髪の男の子が知らない女の子に平気で声をかけて誘い、また、かけられたガングロの女の子たちも簡単に応じていっしょに遊び、遊び飽きたらまた知らないもの同士に戻っていきます。

 

 

 

 

お互いに本名すら知りません。だから、小さい頃からあまり人と接してこなかった子どもたちは、原宿、渋谷、新宿に代表される、そうしたチャラチャラした人間関係が当たり前と思ってしまっています。

 

 

 

 

そういう人間関係をあたかも理想像であるかのように思い描いているから、若者にとって人間関係が苦手なことは、わたしたちの想像以上のコンプレックスになっているのです。

 

 

 

 

こういう状況になると、彼らは「置きざり感」と「見捨てられ感」という二つの心理状態に置かれるようになります。

 

 

 

 

自分は同世代から置きざりになっているのではないか、わたしはみんなからズレているのではないか・・・・そんなふうに、自分は仲間からとり残されていると思い込み、人と接するのが怖くなって(傷つきたくなくて)不登校をし、家にひきこもるようになったりします。

 

 

 

 

自分はみんなからズレているという意識は、自分はほかの人より無駄な人生を送っているという気持ちにさせます。

 

 

 

 

自分はズレているのではないかと思うから、彼らは家にこもりながらも、いまはやっているテレビ番組を見るし、流行しているゲームをやります。

 

 

 

 

そうやって、他の人とのズレを必死に修正しようとしているのです。ところが、若者のあいだで人気があるテレビ番組は、ほとんどがチャラチャラしたものばかりです。

 

 

 

 

他の人たちと普段接していれば、それは一部の現象にすぎないとわかりますが、家でたったひとりでそういうものを見ていると、そうした「軽薄な生き方」が普通だと思ってしまいます。

 

 

 

 

そこで、自分もチャラチャラと生きるためにはどうしたらいいかと、若者向けの雑誌などを読んで懸命に研究します。

 

 

 

 

つまり、彼らが人間関係に悩む一つの原因は、他のみんなが簡単に友達になっていく(ように見える)ことへのコンプレックスなのです。

 

 

 

 

自分はチャラチャラ社会の同世代からズレているのではないかと思うから、同世代が非常に気になってしまいます。

 

 

 

 

男の子だったら、女の子のことが、それも、特に茶髪でピエロみたいに派手なお化粧をした女の子が気になります。

 

 

 

 

みんなは自分のことをズレていると思っているのではないかと思っているから、同世代の人たちが集まるような場所には、なかなか入ることができません。

 

 

 

 

このあいだ、八年間ひきこもっていて、「岩波文庫が友達だった」という若者を喫茶店に連れて行ったところ、びっくりしてこんなことを言っていました。

 

 

 

 

「僕は喫茶店にはコーヒーとチョコレートパフェしかないと思っていたけど、こんなにたくさんのメニューがあるんですね」

 

 

 

 

彼はコーヒーが出てきても、すぐに飲むことができません。まず、そこに添えられた砂糖が入った袋で迷ってしまいます。

 

 

 

 

横にむいたらいいのか、縦にむいたらいいのか、どっちが今トレンディなのかと悩んでしまうのです。

 

 

 

 

反対のことをやって、ほかの人から笑われるのではないかと恐れているのです。



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