ひきこもりと精神世界
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ひきこもりと精神世界

2016年09月17日(土)1:07 AM

elly20160628400123_TP_V1心さまよう人にとって、その救いを精神世界に求めることはけっして珍しいことではありません。

 

 

 

 

関東自立就労支援センターの相談室を訪れる若者の中にも、霊、超能力、予言、最終戦争などを信じ、宗教に傾倒していく人もいます。

 

 

 

 

そして、彼らの多くは、無念な個別的事情を抱え、同世代からの置き去り感にうちひしがれています。

 

 

 

 

しかも、その事情をさかのぼれば、大人の、とりわけ親の都合によって振り回され、「マインドコントロール」されてきたという歴史があります。

 

 

 

 

判断力のない子ども時代から、画一的な教育観を教義のごとく信じ込まされ、「子どもの将来を思えばこそ」といった決まり文句をささやかれて、親の「イニシエーション」を受けてきました。

 

 

 

 

それゆえに、親子の確執は一筋縄ではいかないのです。

 

 

 

 

特に子どもが信じきっていた教祖(親)の価値観(偏差値)に自らの人生を閉じ込められてきたことに気づいたとき、その不信感は生死の境をさまよわせることさえあります。

 

 

 

 

「僕は極端に自分の考えを押し通す人間ではありませんが、それにしても、少しはまっとうなことが通用する社会ができるとうれしいですね。

 

 

 

 

たとえば、専門家である医者が知らなくて、素人である患者のほうが自分の病気についての知識を得ていることってあると思うんです。

 

 

 

 

治してくれるなら何も言いませんが、治せないなら、患者の知識にも耳を傾けるのは当然じゃありませんか。

 

 

 

 

ところが、自分は医者だからという一言で、何もこちらの意見を聞こうとしません。

 

 

 

 

これは理不尽なことだと思います。以前、僕が医者にこの薬のほうが効きそうですと言ったら、わたしは薬局じゃないと怒鳴られました。

 

 

 

 

そのとき、患者のくせにと言いたいような雰囲気も感じたんです。僕は唖然としましたね。

 

 

 

 

医者という社会的立場を考えるなら、もう少しまともになってほしいです。

 

 

 

 

僕は親に監視されて育ってきました。自分は親だから、子どもには何を言ってもいい、何をしてもいいと思っていたようです。

 

 

 

 

すべて、親だからと自分自身を納得させていたんでしょう。気まぐれな気持ちをそのまま子どもにぶつけてきたんです。

 

 

 

 

僕はそのことを、親だから子どものことを考えて言っているんだと、疑うことなく信じてきたんです。

 

 

 

 

それが大学受験のころから、親の言いなりになっていたのでは・・・・・と思い始めたんです。

 

 

 

 

いじめ、体罰といろいろな教育問題が話題になっていますが、その前に、子どもは親に家庭というオリの中で私物化されているんです。

 

 

 

 

少なくとも僕はね。まともなことがまともに受け止めてもらえる時代がきたら、僕は安心して生きていけるんですが・・・・。

 

 

 

 

今の時代はまともなことを本気になって言っていたら、社会が相手にしてくれません。

 

 

 

 

そう思うと、こうやって自分の部屋にひきこもり、節穴から社会を見ているほうが自然に思えてきます」

 

 

 

 

あぐらが苦手なわたしを気遣って椅子を勧め、自分は立ちながら話し続けるA君(25歳)の、まくしたてるその姿を見ながら、わたしは心を開いてくれたことに安堵しました。

 

 

 

 

修行のためなのか、リターンマッチの場を求めてか、それとも人間関係の希薄さに堪えきれず、心の癒しを求めた結果なのか、家出をして、ある団体の「ハウス」へ彼は一人で行きました。

 

 

 

 

それから数ヶ月後、衰弱した身で帰宅した彼をわたしが家庭訪問してから、一年が経過しようとしていました。

 

 

 

 

その場が彼の求めたまともな場であったかどうかは、本人が語ろうとしないいま、わたしには知る由もありません。

 

 

 

 

ただあるのは、ひきこもり生活から脱出する場として全面的に受け止めてくれる精神世界に心を惹かれるということです。

 

 

 

 

そして、若者の宗教への戸惑いを「自己啓発セミナー」と名称変更している場もあります。

 

 

 

 

いずれもそこは満たされない人間関係でのさびしさを「構成的」に引き出し、人と人とのやりとりの中で埋め合わせてくれるのでしょう。

 

 

 

 

一方、無事に帰ってきたA君を涙で迎えた両親も、一年がたっても家出前と変わる事のない生活を続けるわが子に、また別の涙をもよおすようになりました。

 

 

 

 

彼の部屋には、新たな神社のお札が貼られ、本棚には「〇〇術」といった書籍がところ狭しと並べられていました。

 

 



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団体概要
団体名
関東自立就労支援センター
理事長:
大橋秀太
理事:
大畑健太
理事:
杉下真理
住所
東京都東久留米市浅間町1-12-9
TEL
042-424-7855
メール
ki6jt7@bma.biglobe.ne.jp
活動内容
・若年者の就労支援、
 学習 支援、生活訓練
・共同生活寮の運営
・教育相談の実施
・各種資格取得支援