人に歩み寄れないひきこもり
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人に歩み寄れないひきこもり

2016年09月15日(木)3:53 PM

PPW_aozoratoamagumo_TP_V1関東自立就労支援センターの相談室に持ち込まれる代表的な悩みのひとつは、「僕は友達がほしい。でも、どういうふうにして作ったらいいのかわからない」というものです。

 

 

 

 

わたしは、人間関係の基本は「せめぎあって、折り合って、お互いさま」の三つだと考えています。この関係をつくれるかどうかがポイントだと思います。

 

 

 

 

人とせめぎあうとは、自分の意思を伝えることを意味しています。だから、人とせめぎあえない子、自分の主張を飲み込んでしまうようなタイプの子、のど元まで出ているのだけれども、それを言葉にできない子は、いずれ人間関係を重ねることが苦痛になってくるでしょう。

 

 

 

 

確固たる自己主張とまではいかないまでも、自分の思いを素直に伝えることができればいいのです。

 

 

 

 

もちろん、人間関係というのは相手との交流ですから、言いっぱなしでは成立しません。折りあうということができなければ、良好な人間関係は結ぶことができません。

 

 

 

 

そこで、お互いに歩み寄っていく姿勢が大事になります。こう考えてくると、「ひきこもり」はなにも他人事ではなく、わたしたちの周囲にも歩み寄れない人がずいぶんいることに気づくでしょう。

 

 

 

 

あるいは、自分自身がそうかもしれません。歩み寄れない人、譲れない人にとって、良好な人間関係を成り立たせることはとても難しいことです。

 

 

 

 

つまり、人間関係にとって、歩み寄るということは不可欠なのです。歩み寄ることができれば、あとはお互いさまで、もちつもたれつの世界です。

 

 

 

 

「人」という字があらわしているように、支え、支えられる関係です。

 

 

 

 

だから、「友達ができない」と悩んでいる子も、「せめぎあって、折り合って、お互いさま」という人間関係の基本を身につけることができれば、「人間まんざら捨てたもんじゃない」という世界に入っていくことができるはずです。

 

 

 

 

もっとも、いま悩んでいる子どもたちは、「せめぎあって、折り合って、お互いさま」などという言葉は使いません。

 

 

 

 

たとえば、こんな言い方をします。「僕はけんかして仲直りする方法さえわかっていれば、不登校になんかならなかった」

 

 

 

 

けんかした後で、仲直りするための具体的なやりとりがわかりません。つまり、対立した後の関係修復がイメージできません。

 

 

 

 

そのために、人と対立することが怖いのです。対立することが怖ければ、自分の意見を言うことができず、必然的にその前提となる集団の場を避けざるをえなくなります。

 

 

 

 

けんかをするような場面を避けるということは、けんかして仲直りするというチャンスを逃していることになります。

 

 

 

 

「人間関係がつらい」という悩みは、仲直りの経験がないので人間関係を築いていくエネルギーが出てこないということです。

 

 

 

 

歩み寄っていくエネルギーがなく、それをつらいと言っているのです。たとえば、夫婦喧嘩を見てみましょう。

 

 

 

 

けんかをすると、お互いに口をきかなくなりますし、奥さんは食事をつくるのがおっくうになったり、最悪の場合、つくらなくなってしまいます。

 

 

 

 

「なによ、いい気になって。一週間に三回も朝刊を持って帰ってくる亭主がどこにいるのよ」

 

 

 

 

「三食昼寝つきのわがまま放題のくせに、なに言ってやがるんだ」そんなふうにいがみあっていても、早い人で五分、どんなに時間がかかっても一週間以内には双方のひきこもりから脱して、なんとか夫婦関係を修復させていきます。

 

 

 

 

「いろいろあるけれども、やはり女房がいちばんいいな」

 

 

 

 

「いくらおなかが出てきても、やっぱりうちの亭主は頼もしいわ」

 

 

 

 

そんなふうに思うかどうかは別として、けんかして仲直りした経験のある人は、とりあえず歩み寄って、もとのさやにおさまっていきます。

 

 

 

 

ところが、あおの経験が乏しい人は、どうやって相手と仲直りしようか、こうしようか、ああしようかとあれこれ考えて、仲直りするときにすごいエネルギーが必要になります。

 

 

 

 

そのときにエネルギーが出てこないと、とてもつらくなります。誰だって人とけんかした後は、とても気分が悪いものです。

 

 

 

 

そのあとの関係修復のことを考えると、とても気が重くなります。まして、経験がない人にとっては、とてつもないエネルギーが必要になるはずです。

 

 

 

 

乏しいながらも経験がある人はまだいいです。まったく経験がないと、仲直りをするきっかけがつかめません。

 

 

 

 

コミュニケーションのノウハウがわかりません。こういうことは、人間関係を積んでいく中で体得されるものです。

 

 

 

 

人と人との関係を積み重ねていなければ、できないことです。

 

 

 

 

ところが、今の子は小さいうちから人と人との関わりを積み重ねていないから、相手との「間」がわかりません。

 

 

 

 

「間」とは、人間関係の距離感のことで、人との実際の関わりを通じて身につけていくものです。

 

 

 

 

夫婦喧嘩をしたときは、双方とも会話したいと思います。一軒の同じ家にいても会話ができないというのは、精神的にとても苦しい状況です。

 

 

 

 

子どもも右往左往して、二階と一階を行ったりきたりしています。

 

 

 

 

「お母さん、どうしたの?お父さんと何かあったの?」

 

 

 

 

「なんでもないのよ」

 

 

 

 

父親のところに行っても、「なんでもない。おまえが心配することはない」

 

 

 

 

そう言われても、現実に目の前で両親がいがみあっているわけですから、子どもはほんとうに困ってしまいます。

 

 

 

 

そのうちに子どもは、「お父さんとお母さんは仲が悪くて困ったな。そうだ、僕が不登校になれば、二人は話をしてくれるかもしれない」。

 

 

 

 

夫婦仲の悪いのが原因で、子どもが不登校になったケースが実際にあります。これは「家族療法」の一例ですが、こういう子どもがいたりするのです。

 

 

 

 

それはともかく、夫婦間で会話のない状態が続き、店屋物ばかりというのもすぐにあきてきます。

 

 

 

 

しかし、自分から謝るのもくやしい、そういうときは、おなかを押さえて「ウー、ウー」とうなってみます。

 

 

 

 

奥さんのほうも息苦しい状態にあきあきしているから、何かきっかけがほしいと思っています。

 

 

 

 

そこで、近づいてきて、「あなた、どうしたの。おなかでも痛いの?」と言いながら手を伸ばします。

 

 

 

 

その押さえた手に奥さんの手がそっとふれます。これで、けっこう仲直りしてしまうものです。

 

 

 

 

人間関係を積んでいれば、このような術も自然に身について、必要なときに出てきます。

 

 



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