母子密着と居場所のない父親
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母子密着と居場所のない父親

2016年09月12日(月)12:43 PM

elly20160701005919_TP_V1子どもが10代のころというのは、たいていの父親は会社にとって必要な人材です。

 

 

 

 

すっかり会社にとられている時期ですから、子どものことは母親任せ、自分はあまり子どもに関わっていないので何もわかりません。

 

 

 

 

たとえば、息子の顔に傷跡が残っていても、父親にはなんの傷なのかもわかりません。

 

 

 

 

ところが母親には、これは小学校6年の体育の時間に転んで怪我をしたときのものだとか、すべてわかっています。

 

 

 

 

パートで働いているスーパーに担任の先生から電話がかかってきて、すぐに学校に駆けつけ、ひしと抱き上げて病院に連れて行きました。

 

 

 

 

それこそ、子どもの生命と向き合ってきたから、子どものことはすべてわかっています。

 

 

 

 

病院で手当を受けているとき、夫の会社にも電話をしたのに「今、大事な会議中だ、つまらんことでいちいち職場に電話なんかしてくるな」と言われて、夫の冷たさに気がつきます。

 

 

 

 

これがあとあと決定的なものになったりします。

 

 

 

 

父親が帰宅すると、息子は額に絆創膏を貼っています。「なんだ、たいしたことないじゃないか」。

 

 

 

 

息子の傷はすぐに治っても、そのときに受けた母親の心の傷は簡単には消えません。

 

 

 

 

「なんてひどい人なのかしら。考えてみれば、わたしもこの子も、この人から愛されていなかったんじゃないかしら」などと思い始めます。

 

 

 

 

「この子がわたしのお腹にいるときもそうだった。あの夏、お盆で田舎に帰る東京駅の新幹線のホームで、お腹にこの子がいたのにわたしは両方の手にバックをさげていた。

 

 

 

 

それなのに、夫は階段の上から、のろのろするな、このバカと言った。あの時からわたしは愛されていなかったんだわ・・・・」

 

 

 

 

一方、関東自立就労支援センターの相談室に通う若者の中に、こんなことを言っていた子がいました。

 

 

 

 

「僕の父親は、会社の歴史とばかり歩んで、家族の歴史とは歩んでいない」なかなかうまいことを言うもので、ひきこもる子どもたちというのは、自分と対話することにおいては時間を惜しみません。

 

 

 

 

そのつぶやきというのは、たいへんなものです。「会社の子育てばかりして、俺の子育てをぜんぜんしてくれなかった」と言った子もいます。

 

 

 

 

そして、「夫に愛されていない」「父親に愛されていない」という一点で、母と子が一体化します。

 

 

 

 

やがて子どもが成人し、父親が45歳から50歳くらいになると、父親の会社での立場も変わってきて、「あなたがいなくても、会社は動く」という時代に入ります。

 

 

 

 

つまり、窓際に押しやられるようになり、会社に居場所がなくなってきます。

 

 

 

 

そうすると、バブルが崩壊しなくても、父親の目は「わが社」から「わが家」に向いてきます。

 

 

 

 

ようやくにして、わが妻とわが子が視界に入ってきますが、そのときには母子が一体化しているから、妙な空気を感じます。

 

 

 

 

彼らの会話に入っていけないのです。自分は妻のことを一度も呼び捨てにしたことがなく、いちも「母さん」と呼んでいました。

 

 

 

 

ところが、ふと気づいてみると、子どもが母親のことを「ミサエ」なんて呼び捨てにしていたりして、「なんだこれは」と愕然とします。

 

 

 

 

でも、そのときにはもう、時すでに遅しなのです。

 

 

 



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