ひきこもりと戦後社会
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ひきこもりと戦後社会

2016年06月28日(火)12:10 PM

 

 

 

 

戦後社会の家族は核家族が過半数を占めて、家族形態の中心となりました。

 

 

 

 

経済成長の時代は家族同士が学歴、会社、生活のレベルを競い合いました。

 

 

 

 

その結果、9割の家族が中流意識を持つ「1億総中流社会」という「平等社会」が出現しました。

 

 

 

 

市民意識、個人主義が成長した成熟社会を生み出すのかと思われましたが、結果的に、孤立主義に強く傾き、破綻する若者が急増しました。

 

 

 

 

ひきこもりも「孤立主義」の犠牲者といえます。

 

 

 

 

そして、ひきこもり当事者は社会から置き去りにされています。

 

 

 

 

長期のひきこもり当事者は、すでに30代、40代、そして50代を迎えようとしています。

 

 

 

 

多くの場合に、親たちは不登校の初期から公的な相談機関への相談を繰り返してきました。

 

 

 

 

しかし「様子を見ましょう」とか「本人を連れて来てください」「自分で出る力を信じて」等と言われ、結局ひきこもり外来を訪れるまで、何らかの問題解決が進まなかったのです。

 

 

 

 

24年ひきこもった40代の男性は、社会的な発達障害に加えて、栄養障害による身体障害まで合併していました。

 

 

 

 

父親はすでに死亡し、母親はうつ病を繰り返して家庭崩壊が進み、自殺か一家心中かという瀬戸際まで追い込まれていましたが、間一髪救出されました。

 

 

 

 

また中学2年時の社会不安障害から22年ひきこもった男性は、言葉を発する力を失っていました。

 

 

 

 

18年ひきこもった30代の男性は抑うつ状態、記銘力の低下、歩行障害を示し、CT検査で「大脳小脳の萎縮」が認められました。

 

 

 

 

同様のケースは他にも見られます。

 

 

 

 

ひきこもりはできるだけ早い時期に、またできるだけ若い年齢のうちに対応する必要があることが、これらのケースから断言できるのです。

 

 

 

 

経過観察だけでよいひきこもり状態は、安定した精神活動と身体活動が保たれ、栄養障害がない場合だけです。

 

 

 

 

小中学校の不登校から、ひきこもりが長期間にわたって遷延化した場合には、特に全面的な対応が求められます。

 

 

 

 

特殊な状況にある児童生徒への対応が、行政や教育の側に明らかに欠けていました。

 

 

 

 

憲法では、基本的人権(第11条)を、そして健康で文化的な生活を送る権利(第25条)を保障しています。

 

 

 

 

10代前半からの長期ひきこもりの様相を見る限り、これらの権利は保障されていません。

 

 

 

 

コミュニティの子であるはずの彼らは、制度の隙間に捨て置かれてきました。

 

 

 

 

今こそ、公的な対応のシステムを確立することが求められているのです。

 

 

 

 

高校中退から始まるケースは、高等教育の不備さや中学校での進路指導の不足を示しています。

 

 

 

 

大学無業に由来するひきこもりは、景気変動を吸収できない経済システムの問題です。

 

 

 

 

退職後のひきこもりは、カウンセリング体制の弱さといえます。

 

 

 

これらはいずれも、各家族の個別的努力を超えた困難さを背負っていて、社会全体が、特に次世代育成という観点から、全面的に対応することが求められるのです。

 

 

 

 

ひきこもり支援のシステムとして、医療、NPO、行政などに様々な団体があり、その数は増加中ですが、ひきこもり全体の平均年齢が30歳を突破しようとする現段階では、もはや猶予は許されません。

 

 

 

 

「縄張り意識、縦割り意識」は、問題解決にとって大きな弊害となります。

 

 

 

 

ひきこもる若者たちも社会全体の「大切な子」なのですから、支援する側のいがみ合いや営利主義はやめるべきです。

 

 

 

 

多くの支援システムが連携して、総合的に対処する必要があるといえます。



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