ひきこもりの孤独
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ひきこもりの孤独

2016年06月25日(土)6:20 PM

 

 

 

 

もはや孤独でないことに気づいた。

 

 

 

 

ひきこもりが、ニートやフリーターと相違するのは、その孤独さにおいてです。

 

 

 

 

ニートとひきこもりを峻別することにも無理がありますが、交友関係があるとないとでは質的に大きな違いがあります。

 

 

 

 

ひきこもりにも家族との交流はあるとされますが、心地良い交流があるケースは少なく、無言のままの気まずい思いが支配していたり、会話もほんの一言であったり、ときに暴力に発展する緊張関係であったりします。

 

 

 

 

ひきこもりの場合には、ほとんど「孤独」であるといえるのです。

 

 

 

 

孤独の中で、対人交流の欲求は、テレビ、ラジオ、パソコン、ゲーム、雑誌などのメディアに向かいます。

 

 

 

 

彼らが意外に雑学なのは、そのためといえます。

 

 

 

 

しかし、外来、NPO、居場所、フリースペースで、自分の存在をそのままに受け止められ、友達、仲間ができて、日常的に交流ができるようになると、もはや「孤独ではない」という感覚が生じてきます。

 

 

 

 

他人と交流できるようになると、ひきこもり状態から脱していることは明らかです。

 

 

 

 

閉ざされた生活に戻りたい人はいないのですから、仲間といながら社会参加を探る方向へと、流れは自然に向かっていきます。

 

 

 

 

 

不安定な感情にかられ、自分を見失う典型であるボーダーライン(境界型パーソナリティ障害)ですら、仲間やスタッフをモデリングすることによって、行動が落ち着いていくのが観察されます。

 

 

 

 

アルコール依存症、薬物依存症、摂食障害などの依存症では、仲間づくりそのものが、病気を乗り越えていくために有効とされます。

 

 

 

 

孤立の病にとっては、精神療法や薬物療法はもちろんですが、集団療法的な場に参加して孤立を脱することが治療力を持つのです。

 

 

 

 

依存症モデルを採用したひきこもり外来は、「孤立を脱すること」を主眼としているからこそ有効なのです。

 

 

 

 

ひきこもりは現代社会の病理である「孤立」を特徴としています。

 

 

 

 

したがって、ひきこもり問題に取り組み、ひきこもりからの回復を支えることは、現代社会に対する人間回復の根源的な営みということが出来るのです。

 

 

 

 

対人関係を喪失した孤独な世界から回復することは、別の孤独の中へ投げ込まれることであってはなりません。

 

 

 

 

ひきこもりからの回復は、温かみのある、生きていてよかったと感じさせる世界への脱出でなくてはならないのです。

 

 

 

孤独でないと感じられる世界に脱出でき、ひきこもることでしか保つことが出来なかった敏感な感性が生き生きと動き出す場合には、ひきこもりからの回復は真の回復であるといえます。

 

 

 

 

そして「もはや孤独ではない」と感じることが出来た場合には、当事者は、現代人の病理の本質と、それから回復する術を経験したことになるのです。



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