ひきこもり・不登校・しつけ・家族について
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ひきこもり・不登校・しつけ・家族について

2016年06月13日(月)9:45 AM

〇 母親が専業主婦として家事・育児を担い、会社人間化した父親の不在のなかでは、母親の影響力が圧倒的となって、母子密着が進行します。ひきこもりのケースでは、母性の過剰による過保護・過干渉が多く見受けられます。母親による長年の世話焼き行為は、ひきこもり生活を支え続けます。

 

 

 

 

〇 ひきこもりの家庭では、会社人間の父親と専業主婦の母親という組み合わせが多く見受けられますが、これは、高度経済成長時代の典型的な核家族を示す言葉として知られています。この核家族においては、「父性の不在と母性の過剰」という問題が生じやすいことも指摘されてきました。

 

 

 

 

〇 中学のとき、授業中に「本を読みなさい」と先生から指されて、過度の緊張からふるえ、動悸、発汗をきたし、不登校・ひきこもりになった男性は、22年後に支援者の援助によってクリニックに通院するまでは、社会不安障害の存在について気づかれることはありませんでした。

 

 

 

 

〇 親たちは、不登校・ひきこもりの原因を、いじめや教師との軋轢などに求める傾向があります。しかし、対人関係や対人不安の問題がいじめより多く、また思春期の社会不安障害やうつ状態の問題も、不登校の発生に大きくかかわっています。

 

 

 

 

〇 ひきこもりの人は「わかっているのに、動けない現実」を抱えています。方法論を示されないまま命令的に親の意見を押しつけられた場合に、当事者は途方にくれ拒絶するしかなく、身動きが取れなくなります。親が世間体を気にして、家庭の中だけで何とかしようとすることもひきこもりを長引かせる一因です。

 

 

 

 

〇 多くの父親たちは社会的に適応しており、他者に同調することは得意です。しかし、自分の意見を通すことは苦手であり、こと自分の家庭の問題になるとさらに苦手になります。家族に意見を言う時は遠慮がちになるか、「業務命令」のように威圧的になるかの両極端になりがちです。

 

 

 

 

〇 がんばればなんとかなると信じる親と、がんばってもどうにもならなかったひきこもりの当事者では、方向性は正反対になります。その結果、ひきこもりは堂々めぐりとなり、深刻化していきます。

 

 

 

 

〇 親とひきこもりの当事者は、一見対立する関係のように見えますが、実は共通する価値観に縛られています。そして被害者意識をもつ点でも共通しています。共通する価値観とは、世間体を気にかけ、人並みを重視することです。

 

 

 

 

〇 精神的、経済的に自立し、ひとりで生きていくためにがんばる能力は当然必要ですが、柔軟に機能するためには、同時に、がんばらない能力、がんばりすぎない能力も必要になります。

 

 

 

 

〇 ひきこもりは、親と当事者双方の被害者意識によって、すれ違いが重なってできた壁です。その壁を今までのやり方で無理にこじ開けようとすることは、すれ違いをさらに深刻にし、ひきこもりは遷延化(のびのびになること)してしまいます。

 

 

 

 

〇 親たちには、「問題はひきこもる本人にある」「とにかく外に出てくれさえすればよい」と考える傾向があります。親自身に何らかの原因があると思わないケースが多いといえます。叱り続ける、怒り続けるなどの行為はその典型であって、当事者の年齢に関係なく、親のほうに正当性があると思い込んでいます。

 

 

 

 

〇 ひきこもりの子どもを抱える親たちが最初にすべきことは、それまでの働きかけを振り返って、無効であった事実を認めることです。まず第一歩は、「無力であることを認める」ことから始まります。親が「無力であること」の自覚からすべてが始まります。

 

 

 

 

〇 統合失調症などの精神病ではない、神経症レベル、パーソナリティ障害などによる「ひきこもり」には、家族関係の問題がかかわっていて、当事者から動き出すことが極めてまれという特徴から「ひきこもり」と呼ばれます。ですから、親のほうが先に動いてみる必要が出てきます。

 

 

 

 

〇 ひきこもりの当事者たちは、親の考え方や期待を熟知していて、ほとんど親の価値基準と同じ考え方をしています。親の世代とひきこもり年代との間には、30年前後の隔たりがあります。その間、時代は大きく変化しましたが、親の求める会社主義、学歴主義などの考え方は驚くほどに親子間で類似しています。

 

 

 

 

〇 親に必要なのは、意識的にせよ、無意識的にせよ、自分の価値基準をひきこもりの当事者に押し付けてきたことへの振り返りです。親が自分自身の価値観の縛りをゆるめることが、当事者のひきこもりからの解放につながっていきます。

 

 

 

 

〇 ひきこもりから脱した直後は運動不足から筋力が落ち、体力は低下しています。コンビ二や図書館等に通っていれば、多少の体力はついているでしょうが、部屋にひきこもりっぱなしだと、体力は落ちてしまいます。ひきこもりを脱したとしてもすぐに就労することは、この点からも困難になります。

 

 

 

 

〇 親の価値観で生き、その価値観でつまずいても、代わりの価値観を持ち得ないことがひきこもりの特徴でもあります。

 

 

 

 

〇 ひきこもりの本質は「孤立」です。ひきこもりの当事者は、社会からの孤立に加えて、親や家族からも孤立しています。ひきこもりの当事者の孤立に加えて実際には親の側も孤立しています。親の側も誰にも相談できない、支援を受けられない状況下で、強いストレスに日々、さらされています。

 

 

 

 

〇 不登校やひきこもりから子どもを脱出させる一番の近道は、子どもを変えることではなく、親がまず変わることです。簡単なものからで構いませんので、実行するようにしましょう。子どもは必ず変わっていきます。



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