社会情勢と不登校
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社会情勢と不登校

2016年06月10日(金)11:42 AM

バブル経済崩壊後の不景気や人件費削減のために、中国や韓国、東南アジアに工場が移転し、産業の空洞化が起きたことも原因するが、大学を出ても就職先が見つからず、たとえ見つかっても派遣社員だったりと若者達は大変苦労しています。


親達は一九六〇年代の意識のまま、エリートや社会の指導者層になることで人生の勝ち組に入れると考え、友達との育ち合いより学歴を優先し、塾・勉強・成績・内申を子ども達に言い続け、それが子どもに対する愛情と考えてきたのではないでしょうか。


ところが子ども達の方は大学を卒業しても、大卒なんて山のようにいるし、それだけでは就職もままならないです。


自分はどうしたらよいかわからないし、勉強ばかり詰め込まれてきて、現実社会で生きるという生活体験が少ない場合は、自分がどんな仕事に向いているのかさえ分かりません。


そんな中途半端な気持ちや考えで働いて仕事上の責任が生じたらどうしよう、と考えていくうちに無気力になっていきます。


企業にとってもグローバルスタンダード社会に進みつつある今日では、語学力がなく、論理的な思考が苦手で人間関係力の弱い日本の若者を一人雇うよりも、英語と日本語が使える中国人の若者を二人雇った方が経営効率上よいと考えるようになってきています。


学歴偏重という二五年前の価値基準で考える親と、子ども達との間には、大きなギャップが横たわっています。今の親達は時代の変化にとり残されているといえます。


親の価値観が二五年前の価値基準である学歴偏重という形式に偏っているために、親の大人としてのメッセージが子どもに伝わらずに、思春期から大人へと成長していく中で何を大人のモデルにしたらよいかわからず、子どものままでいようとする無気力な若者やニート、ひきこもりの子どもがたくさんいるのでは困ります。


一九九六年(平成八年)から一九九八年(平成一〇年)までの三年間の不登校児童・生徒の数は、前年比で平均して二桁以上の伸び率が続いています。


小学生で六五一九名、中学生で二万六八二二名も増加しています。なぜこの時期に急激に増えたのでしょうか。


一九九二年(平成四年)に文部省(現文部科学省)は特定の家族や子供に不登校(登校拒否)は起こるとしていた従来の方針を一八〇度変え、どの子にも起こりうるとし、学校にも要因があるとしました。


そして、義務教育課程での進級や卒業を弾力化し、適応指導教室(現教育支援センター)をつくり、スクールカウンセラーの配置を始めるといった総合的な不登校対策を打ち出しました。


しかし、行政が対策をとっても学校現場に浸透するまでには時間がかかります。


「子どもの心の居場所づくり」「小さな心の変化を見逃さずに」という言葉のもと、学校現場では「教師がかかわることで状態が悪化すると困る」というおよび腰の対応が多くなりました。


また、登校を促す指導的な対応(登校刺激型対応)から、放っておくか不登校対応教諭や生徒指導教諭・スクールカウンセラーに対応を任せっぱなしにするという誤った受容的対応へと一人歩きしだしました。


そして、不登校の臨床経験の少ない多くのスクールカウンセラーは、不登校がはじまった子供に対して一様に「少し様子を見守ってあげましょう」「子どもの心にエネルギーがたまり動きはじめるまで待ちましょう」とアドバイスしました。


そのせいで、今までは不登校にならなかったようなタイプの子ども(情緒的には問題ないが対人関係に消極的な子ども)までが、学校でちょっと嫌なことがあって休んでも一様に同じような対応を受けたため、そのままズルズル休みはじめて本格的な不登校になるケースが現れました。


さらに、ひきこもりの期間が長い子供や退行現象がひどい子どもに対して、医療機関を紹介する対応を始めました。


人間本来の生理的な要求の退行に対し、医師による投薬の結果、子どもの他人に対する不信感はますます強くなり、母親に対しても対抗もしなくなり、自分の部屋にひきこもって、親の前に姿を見せなくなるといった状態像の悪化が起こりはじめました。


状態像の悪化した子どもの投薬内容を調べると、統合失調症の人達と同じ薬でありました。


そこで、投薬を行った大学病院の若い医師に尋ねたところ、「統合失調症は一〇〇人に一人の割合で発症するから、不登校はその予兆として捉え、初期発見・早期対応が望ましい」という返事がきたので驚いてしまいました。


処方薬はリバウンドがあるので、薬を勝手にやめるわけにもいかず、そのままひきこもりの状態が改善されないままに薬の量だけが増え、二〇歳をむかえた子どもも数多くいます。


この子達の将来はどうなっていくのでしょうか。たまたま、こちらのアドバイスを受け入れ、こちらが紹介した他の専門の医療機関で徐々に薬を少なくしていき、ひきこもりから脱出し社会や学校に復帰した子もいるが、今時、安直に不登校の子どもを精神疾患にしたり、統合失調症の予兆と判断したりする医師や大学病院があるのかと驚いてしまいます。


二〇〇三年(平成一五年)三月に文部科学省は一〇年ぶりに新しい不登校対策を出しました。


基本的には平成四年度の方針と変わらないが、受容的な対応のみではなく家庭訪問を行うなど子どもの状態に応じた対応の必要性を説いています。


しかし、ひきこもりの子どものタイプや状態像を見極めるにはそれなりの知識や経験が必要であります。


そして、不登校の範疇の中には従来のタイプ以外に、LDやADHDなどの軽度発達障害やアスペルガーなどの高機能自閉症が含まれるようになりました。


さらに、大阪の岸和田市で起きた虐待事件をきっかけに虐待から登校できない子供まで含まれるようになりました。


今や不登校は学校を主な理由なく年間三〇日以上休んだ状態像に過ぎないという考え方になってきているが、その中には多くの今日的な問題が含まれています。


不登校は何らかの予兆であり、子ども達一人ひとりに応じた分析と対応を図っていかなければなりません。

 

 

 

 

 



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