ある男性の不登校・ひきこもりからの脱出
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ある男性の不登校・ひきこもりからの脱出

2016年05月24日(火)8:40 AM

K君が予備校不登校になったのは、当人の世間知らずが原因でした。予備校には自分よりも年上のものが多く、これまで同学年としか成績を競ってこなかったK君の頭には「年上=先輩=学力が上」という構図ができあがっていました。

 

 

 

 

そのうえ予備校には、そこの主のような髭面の予備校生さえいて、K君はすっかり萎縮してしまいました。

 

 

 

 

かくしてK君は、彼らと競う前に不戦負となってしまいました。予備校で不登校になったK君がひきこもりになるまでに、さほど時間はかかりませんでした。

 

 

 

 

なぜなら、K君の親はひきこもり誕生のセオリーどおり、「なぜ予備校に行かない」「早く予備校に行け」「金を無駄にしやがって」などと毎日いいつづけたからです。

 

 

 

 

わたしは彼と信頼関係を築きながら、彼を徐々に外の世界に連れ出すようにしました。

 

 

 

 

行き先は、最初のうちは彼が行ってみたいというところにしましたが、わたしは少しずつ、彼の社会的な視野が広がりそうな場所を彼にすすめていきました。

 

 

 

 

彼をドライブに誘ったのは、出会って半年たったころのことでした。はじめのうちは日帰りにし、しだいに宿泊をともなうドライブに変えていき、ときには電車も利用してみました。

 

 

 

 

宿泊先は、彼が存在すら知らなかったユースホステルや国民宿舎などに決め、彼が少しでも幅広い年齢の人たちと接し、その暮らしぶりをうかがえる機会を増やしていきました。

 

 

 

 

わたしの狙い通り、彼は少しずつ変わりはじめました。自分がしっているものだけが「社会」ではないことに気づいたのです。

 

 

 

 

彼は結局、農学部に入り、現在、自然相手の仕事をしています。K君はこのような簡単なケアによって若者らしく未知の世界に羽ばたいていきました。

 

 

 

 

K君が予備校不登校を解消するのに要した時間は、ほぼ半年でした。

 

 

 

 

K君の場合は、ひきこもりの原因がすぐにわかりました。彼の住む世界が年齢不相応なまでに狭かったのです。

 

 

 

 

K君の世界を狭めたのは、親の過度な教育熱心さでした。もちろん、教育熱心であること自体、本来は悪いことではありません。

 

 

 

 

しかし、それが度を越すと、偏った価値観しかもてない子どもが育ってしまいます。

 

 

 

 

その最たるものが、「よい学校」「よい職場」「よい暮らし」しか認めず、それ以外のものを軽視、軽蔑するというものです。

 

 

 

 

では、逆に親が教育熱心でなければ、子どもは不登校やひきこもりにならないのかというと、残念ながら答えは否です。

 

 

 

 

それでも子どもは不登校やひきこもりになってしまいます。というのも、今の日本の家庭には中庸というものがなく、教育熱心でない親は、たいてい野放図な放任主義だからです。

 

 

 

 

子どもには、大人の正しい導きが必要です。ですから、偏狭な価値観をもつ親に育てられた子どもは、成長期のある時点でかならず道に迷ってしまいます。

 

 

 

 

この最初の迷子状態が、不登校ではないかとわたしは考えています。では、ひきこもりはどのような迷子なのでしょうか。

 

 

 

 

それは、親が決めた道をすすむことは拒んだものの、自分の行きたい道がどこなのかわからなくなってしまった迷子です。

 

 

 

 

子どもは「人生ではじめて」という体験を重ねながら、成長をとげていきます。そんな彼らが、まず最初に不登校という名の迷路に入り込み、これはまずいと思いながらもなんとか自力で脱出しようとしているときに、強圧的な親が「こっちへすすめ」とさらに迫ってきます。

 

 

 

 

すでに不登校という苦湯を飲んでいる子どもが、それに本能的な危惧を抱き、親の要求を拒むのは当然のなりゆきです。

 

 

 

 

不登校とひきこもりの子どもを持つ親御さんには、そのようなことをわが子にしたことがないか、もう一度、振り返っていただきたいと思います。



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