ひきこもり・不登校とこころの病
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ひきこもり・不登校とこころの病

2016年05月11日(水)9:11 AM

ひきこもりは「こころの病」とは本来関係がないにもかかわらず、長期化すると、周囲が精神的な病と見誤るほどの深刻なうつ状態や緘黙などの症状を見せることがあります。

 

 

 

 

これはなぜでしょうか。ここで、ひきこもりやニートの支援団体が輝かしい成果をいあげていた時代を振り返り、ひきこもりが精神的な病に見えてしまう理由を探ってみたいと思います。

 

 

 

 

わたしがはじめてひきこもりを支援しはじめたころのひきこもり界は、いまと違ってとてもシンプルでわかりやすかったです。

 

 

 

 

当時のひきこもりの若者たちがみな、学校での問題をきっかけにして不登校になり、それを長い間解決できずにひきこもりになったという、わかりやすいプロセスを歩んでいたからです。

 

 

 

 

また「ひきこもり=こころの病」説もまだ世間に広まっていなかったので、当人もその親も、困った現状を抱えながらも、ジ分野愛するわが子が「こころの病」ではないかと疑うこともなく、ゆったりとひきこもりの改善に取り組むことができました。

 

 

 

 

当時のひきこもり自立支援センターでは、多くの外部ボランティアの先生や塾講師などによる勉強会が開かれていました。

 

 

 

 

この勉強会には、ひきこもり自立支援センターに入所した不登校やひきこもりの若者たちはみな参加することができ、年齢や学力に合わせたクラス分けも行われていました。

 

 

 

 

ボランティアの教師から指導を受けた若者たちは、徐々に学業の面白さに目覚め、みながみな、競うように高校を再受験したり大検を受けるなどして、自分が本来いるべき学業の世界に復帰することができました。

 

 

 

 

当時のひきこもり支援団体は、不登校やひきこもりを正攻法で解決していたのです。

 

 

 

 

また、ひきこもりの原因である「不登校者ならではの傾向」を払拭する取り組みもていねいに行われていました。

 

 

 

 

「不登校者ならではの傾向」とは、ひと言で言えば、対人関係の不得手です。対人関係の不得手を克服する取り組みは、ボランティアの先生方が毎回入れ替わることで担っていました。

 

 

 

 

当時のひきこもり支援団体は、ひきこもりが不登校から生まれることをきちんと見据えていました。

 

 

 

 

ですから「学校にもどりたい」という本人の意思さえ喚起できれば、その不登校傾向もろとも、ひきこもりを見事に解決することができました。

 

 

 

 

学校に復帰することを通じて「不登校者ならではの傾向」もろとも解決できたひきこもりは、「原形タイプのひきこもり」といえます。

 

 

 

 

そしていま、「こころの病」だと思われているひきこもりは、「今日タイプのひきこもり」と呼ぶべきものになります。

 

 

 

 

ちなみに、「原形タイプのひきこもり」を生み出す不登校は、学校には行かないものの、家で暴れたりすることはなく、静かで淡々とした状態を保っていました。

 

 

 

 

つまり、当人の家庭で問題になるのは、「行かなければいけない学校に通わない・通えない」ことだけで、場合によっては、ある日突然、自主的に学校に通い始めることさえある、そんなタイプの不登校でした。

 

 

 

 

「原形タイプのひきこもり」は次のような経緯で生まれます。

 

 

 

 

1、当人が学齢期になりながら学校に通わないので、居場所が自宅ばかりになり、時間が経過するほど復学が難しくなる。

 

 

 

 

2、不登校の子を案じた親が通学を促しますが、当人にはどうしてもそれができず、親の手前、自室にひきこもるようになる。

 

 

 

 

3、当事者の居場所が自室中心になり、徐々にひきこもりになる。

 

 

 

 

「原形タイプのひきこもり」もまた、自室にひきこもりながらも静的な状態でい続けることに最大の特徴があり、そんな彼らは傍目には臆病で引っ込み思案に見えます。

 

 

 

 

これに対して、現在ひきこもりの主流になっている「今日タイプ」はまったく違います。

 

 

 

 

「今日タイプのひきこもり」は、ある時点から急速にひきこもり化するという特徴を持っています。

 

 

 

 

その「ある時点」の第一の目安が、「親子間でコミュニケーションをもてなくなったとき」になります。

 

 

 

 

つまり、親子が断絶状態になったときか、それに近づいたときに不登校から急速にひきこもり化します。

 

 

 

 

第二の目安は、「親に対して暴力をふるったり、暴言を吐くなどの言動を見せ始めたとき」になります。

 

 

 

 

ちなみに「今日タイプ」では、不登校になっただけで粗暴行為が見られるようになります。

 

 

 

 

「今日タイプ」がそうなってしまう理由のひとつは、彼らの頭のなかに「ひきこもり=こころの病」説がすでにインプットされているからです。

 

 

 

 

つまり当人は、不登校で自宅にばかりいるようになった時点で、自分を病気だとみなされることに憤慨・困惑・狼狽し、つぎにそんな偏見をもたれるようになった自分に落胆・絶望します。

 

 

 

 

これらが入り混じった複雑な想いを振り払うために、彼らの多くは粗暴行為に走ります。

 

 

 

 

いま指摘したことは、「今日タイプのひきこもり」になった若者たちが、無事に社会復帰した後でわたしに語ってくれたことであり、けっしてわたし個人の憶測ではありません。

 

 

 

 

不登校に比べて圧倒的に男性が多くなるひきこもりの救出は、いまや体をはった命がけの行為になっています。

 

 

 

 

「今日タイプ」が、不登校の段階でも暴力をふるい暴言を吐くようになり、あげくのはてに、うつと見まごう状態になったり緘黙にいたる原因は他にもあります。

 

 

 

 

当人が不登校になりながらもまだこころの片隅で信頼を寄せていた親からも、病人あつかいを受けたり、ダメ人間だと批判されるからです。

 

 

 

 

彼らは、自分が不登校になった真の理由を親身になって探ってくれないうえ、自分をはなから病気や愚か者、落ちこぼれ、愚図と決めつける親に猛然と抗議の意思を示します。

 

 

 

 

つまり、ゆえなき辱めを与えた親を攻撃したり緘黙を貫いたりすることで、不快と困惑と怒りを表現するのです。



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