ニートの将来は楽観視できない
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ニートの将来は楽観視できない

2016年05月07日(土)7:39 AM

2005年以降、続々とニートについての本が登場し、今や大きな書店になりますと、「ニート・コーナー」もあると聞きます。

 

 

 

 

しかし、かつてひきこもりについての議論がそうであったように、このニートの話題性も一時的なブームとして消費され、いつか忘れ去られる可能性はけっして小さくありません。

 

 

 

 

実際、ニートについての誤解が解消に向かい、その理解が常識として安定するのであれば、結果的に関心が失われていくという面はあります。

 

 

 

 

しかし、問題はそれだけではありません。ニートが2000年代に入って急増した背景の一つに、労働市場の需給環境の悪化があったことを否定する専門家は少ないです。

 

 

 

 

就職をしたくても、採用がかなわず、書類選考や面接に落ち続けるなかで、自信を失い、職探しすらできなくなったことでニートとなった若者も多いです。

 

 

 

 

だとすれば、今後、日本の経済状況が改善し、さらには少子化によって若年の人手不足が深刻化すれば、自然とニートの問題は解消するだろうといった意見もあります。

 

 

 

 

しかしわたし自身は、ニートの将来をそれほど楽観的には考えていません。たしかに求人が拡大すれば、それだけ就職を実現する確立が高くなり、ニートから就業者へと移行する場合も多くなります。

 

 

 

 

ですが、どんなに求人が増えたところで、働けないと就業を断念しているニートにとっては、そもそもその場に向かうことすらできないのです。

 

 

 

 

とくに、働く希望を表明していない「非希望型」のニーとは、90年代から恒常的に40万人台を続けており、その数が今後急速に減少していく見込みは非常に小さいです。

 

 

 

 

だとすれば、景気の回復によって一時的にニートの総数が減ったとしても、そのなかでは就職口はあっても働けないという就業の困難度が高いニートは、より高密度で存在することになります。

 

 

 

 

さらに、これからは、中高年ひきこもりと同様、中高年ニートが深刻な問題となるのは必至です。

 

 

 

 

内閣府「青少年の就労に関する研究会」では、15~34歳の無業者(有配偶、通学を除く)のうち、就職活動をしていない「非求職型」と就業希望を表明していない「非希望型」の総計が、2002年時点で85万人になると試算しました。

 

 

 

 

実は同じ研究会のなかで、35~49歳について、同じ定義のニートを計算してみたところ、49万人にのぼっていたのです。

 

 

 

 

そんな中年ニート数は1992年からの10年で10万人も増えています。若年ニートの場合、その多くは親の庇護のもとに生活を営んでいます。

 

 

 

 

しかし中年ニートとなると、高齢となった親の経済力にも限界があるし、さらにその親と死別したときには、生活そのものが成り立たないおそれが大きくなります。

 

 

 

 

その意味でも、ニートを2000年代初頭に生まれた一時的な現象と考えるべきではないでしょう。

 

 

 

 

ニート数が若年を中心に今後減ることはあったとしても、より就業が困難な中高年無業者も、ニート問題に含んで考えなければならないときがやってきます。

 

 

 

 

そうなるとニート問題は、就業の問題に限らず、生きていることそのものの直結した問題となります。

 

 

 

 

具体的な政策としては、自立や就職を支援する生活保護の制度をどう設計するかを、早急に検討しなければなりません。

 

 

 

 

さらにはジョブカフェなどの若年支援のための組織も、今後、30代、40代と、より困難な層へと支援対策を拡大していく必要に迫られます。

 

 

 

 

ニート問題は、これからも若年問題としての関心をひきつけながら、高齢社会のなかでその問題は、確実に若年だけでなく中年にもシフトしつつあるという社会認識を高めることも求められます。

 

 

 



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