家業とひきこもり
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家業とひきこもり

2016年05月01日(日)11:57 PM

家業を継ぐ子にひきこもりが少ないのはなぜでしょうか?何年か前に、冬休みに北陸地方にある半農半漁の村の民宿に泊まりました。

 

 

 

 

翌朝、父親は中学3年になる息子を連れて漁に出ました。冬の日本海の荒波を沖に向かって進んでいく父親と息子を乗せた小船をいつまでも見守る祖母と母がいます。

 

 

 

 

「心配ですね」とわたしが息子の祖母に声をかけると、うなずきながら、「息子もああやって一人前になった。

 

 

 

 

子どもを一人前にするのは親の役目です。厳しく教えないと命をとられるし、家族も路頭に迷います。

 

 

 

 

上手にできたら褒めます。当たり前のことです」とおっしゃいました。その民泊に連泊させてもらって、家族とともに父親と息子が帰ってくるのをわたしも待たせてもらいました。

 

 

 

 

昼前に漁から戻ってきました。獲れた魚の仕分け、漁具の手入れをすばやくすませ、昼食をとった後、裏山の畑に2人で行きました。

 

 

 

 

春野菜を植えるための準備をするのだといいます。一日を終え、親父さんにいっぱいやりませんかと誘うと、「お客さん居間に来てください」と言われ、遠慮せずに行くと彼の息子も一緒にいました。

 

 

 

 

息子はお茶をのみ、われわれは獲れたての魚で地酒を飲みました。わたしは息子に親父さんは厳しいかと聞きました。

 

 

 

 

「船に乗ったり、畑に行くと厳しいです。でも、危険から自分を守ることを教えてくれているのだから当たり前だと思います。

 

 

 

 

特に冬の日本海は油断できないから」と答えました。父親は息子の話をニヤニヤしながら聞いています。

 

 

 

 

「何を息子さんに伝えたいですか?」と尋ねました。「俺は、爺さんに教わったことを全部、息子に教えるつもりだ」と鴨居の上に飾ってある遺影を見上げながら話します。

 

 

 

 

よく見ると、わたしの話に対する相槌の打ち方や反応が、親子で同じです。いくら親子でもこんなに似るものかと感心しました。

 

 

 

 

季節による潮の流れ方、魚種による漁法の違いや漁具や漁船の整備や操船のしかたまで教え、さらに魚協のことまで細かく手取り足取り教えます。

 

 

 

 

畑仕事も同じです。「自分のことを守れないやつは家族も守れない」と、父親は祖母が今朝言ったことと同じようなことを言います。

 

 

 

 

第一次産業の人や自営業の人で子どもに家業を継がそうとするならば、皆、同じように親から子へ、子から孫へ同じことを伝え、さらに必要ならば、同業者の仲間のところへ修行に出します。

 

 

 

 

学問の世界ではありませんが、全人格教育です。これなら親の価値観や考え方は伝わりやすいです。

 

 

 

 

だから、自営業者の子どもに無気力な子どもやニートやひきこもりの若者が少ないことも頷けます。



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住所
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042-424-7855
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活動内容
・若年者の就労支援、
 学習 支援、生活訓練
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・教育相談の実施
・各種資格取得支援