30歳前後の家庭内暴力
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30歳前後の家庭内暴力

2016年03月31日(木)8:22 AM

ひきこもりやニート状態の若者たちの暴力による「親への叫び」が、頂点に達する時期があります。

 

 

 

 

それは同時に、暴力がもっとも激しくなる時期でもあります。関東自立就労支援センターに相談に来ていた高志さん(仮名)という男性は、家の中で激しく暴れ、お母さんを殴りつけていたのは、29歳の誕生日と、30歳の誕生日の直後でしたが、じつは、この30歳前後に暴力が激しくなるというのは、家庭内暴力の若者の一般的な傾向なのです。

 

 

 

 

それではなぜ、30歳前後に暴力が激しくなるのでしょうか。それは、「30歳にもなればもう一人前」とする風潮が、世間には根強いからです。

 

 

 

 

今日の日本の経済状況のなか、現実には難しくなっていますが、それでも30歳というのは、「いっぱしの大人」「もう自立しているのが当たり前」と見られる年齢です。

 

 

 

 

就職も、30歳を過ぎれば、現実問題としていっそう難しくなります。だから、ひきこもっている本人も親も、「30歳までにはなんとかしたい」と思っています。

 

 

 

 

高齢化が進む現在では、「20歳で成人」というより「30歳で成人」という気がしますが、本人も親もそうは思えません。

 

 

 

 

「30歳までには・・・・」と切実に思っています。だけど現実には、「なんとかしたい」という思いはあるけれど、家に閉じこもっているだけで、どうにもなりません。

 

 

 

 

ですから、30歳が近づくにつれて、苛立ちはますます強くなるのです。苛立ちは焦りになり、焦りは苛立ちになります。

 

 

 

 

そしてそれが、激しい暴力となって親にぶつけられるのです。「人並みに自したい」「このまま30歳になったら死ぬ」

 

 

 

 

「早く、早く、なんとかしてくれ!」家庭内暴力の裏側には、そんな彼らの悲痛な叫び声があります。

 

 

 

 

そういう意味では、30歳前後の家庭内暴力というのは、「子どもの最後の叫び」だと思っていいかもしれません。

 

 

 

 

この叫びをきちんと受け止めてもらえなかった若者は、本当に悲惨です。

 

 

 

 

一般に、30歳を過ぎると、若者の家庭内暴力は沈静化する傾向にあります。それを「事態が好転した」と素直に喜ぶ親御さんもいますが、それは違います。

 

 

 

 

暴力がおさまってくるのは、若者の側に、もう自分の将来に対するあきらめが生まれてしまったからです。

 

 

 

 

ひきこもりやニートの若者が、自分の未来を考えるのをやめてしまったからです。

 

 

 

 

本人があきらめれば、事態の解決はますます困難になり、未来はいっそう絶望的になります。

 

 

 

 

だから、前述の高志さんが30歳前に大暴れしたのも、本当の理由はそこにあったのです。

 

 

 

 

彼にとって、それは「最後の叫び」だったのです。「人並みに自立したい」

 

 

 

 

「早く社会に出たい」「30歳前に、いまの自分と決別したい」それを、しきりに親に訴えていました。

 

 

 

 

暴力と言うゆがんだ形をとりながらも、そこにはそんな思いがあったのです。

 

 

 

 

しかし、高志さんのご両親は、それに気がつきませんでした。そこにある子どもの想いを読み取ることができませんでした。

 

 

 

 

ただただ奴隷のように、どんな要求にも応えるか、ひどい暴力には耐え忍ぶばかりでした。

 

 

 

 

そうやって、母親の自殺未遂というところまで、事態は突き進んでしまったのです。

 

 

 

 

ただ、暴力にこめられた「親への叫び」を読み取れなかったのは、なにも高志さんのご両親だけではありません。

 

 

 

 

わたしたちのところへ相談に来る親御さんのほとんどが、暴力の裏側にある子どもたちの本当の要求・叫びに気づいていません。

 

 

 

 

「どうしたら、子どもに殴られずに済むか」

 

 

 

 

「どうしたら、子どもの暴力がおさまるか」

 

 

 

 

目先の暴力に右往左往するあまり、みなさんそのことばかりに気をとられていて、「なぜ、彼らが暴力をふるっているのか」という、根本的な原因を追究する思考が、完全に止まってしまっているのです。

 

 

 

 

「いや、あんなひどい暴力をふるわれているのだから、しかたがないでしょう。冷静に考える余裕など、残っていませんよ」そう思われる方もたくさんいらっしゃるでしょう。

 

 

 

 

その点はよくわかります。ですから、わたしが声を大にして言いたいのは、親御さんだけで家庭内暴力を解決するのはかなり難しいということです。

 

 

 

 

だからこそ、家族以外の外部の人間に早くSOSを出してほしいのです。

 

 

 

 

そうしないと家庭内暴力は、泥沼化の一途をたどってしまいます。



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 学習 支援、生活訓練
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