不登校・ひきこもりの相談事例
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不登校・ひきこもりの相談事例

2016年01月13日(水)12:47 PM

関東自立就労支援センターでのひきこもりと不登校の相談事例を紹介してみたいと思います。

 

 

 

 

不登校と過干渉

 

 

 

 

不登校になってしまった大原優衣さん(仮名・14歳)の面談を始めてから1ヶ月が経過しました。

 

 

 

 

両親は、面談を受けてから、過干渉をするのをやめたと話すようになっていました。

 

 

 

 

ある日、優衣さんと母親の面談が終わり、ふたりで帰っていくときにわたしは優衣さんに、「何か心配なことがあったらいつでも連絡してね。電話番号をメモするものあるかな?」と声をかけました。

 

 

 

 

すると、母親が優衣さんの手提げかばんを覗き込んで、「ノートとペン、持ってきてるでしょ。

 

 

 

 

先生忙しいんだから、早く出しなさい」と優衣さんを急き立てました。優衣さんは無言で母親を睨み返していました。

 

 

 

 

母親は、「過干渉はしなくなった」と言っていたのですが・・・。

 

 

 

 

過干渉が身に染み付いている親は、普段いくら気をつけていても、とっさのときについ過干渉をしてしまいがちです。

 

 

 

 

しかし、それではいつまでたっても子どもは自立していきません。

 

 

 

 

次は、鈴木里美さん(仮名・14歳)のケースです。里美さんは、いじめが原因で中一の10月からうつ状態になり、それ以来1年以上のひきこもり状態が続いていました。

 

 

 

 

そこで、里美さんの親から面談を受けたい、との申し出があり、まずは両親のカウンセリングから始めていくことになりました。

 

 

 

 

カウンセリングを始めて約3ヶ月がたったころ、里美さんの不登校は相変わらず続いていましたが、以前学校に行っていたころと変わらない元気を取り戻してきていました。

 

 

 

 

そして、ある日、母親とテレビを見ているときに、「そろそろ勉強しようかなあ・・・」とボソッと母親に向かって言いました。

 

 

 

 

喜んだ母親は、その日の夜、さっそく父親にそのことを話しました。すると父親は翌日、「参考書、買ってきたぞ」と笑顔でいい、学習の要点をまとめた参考書を5冊ほど里美さんに渡しました。

 

 

 

 

そのとたん、里美さんの表情は険しくなり、「わたし、勉強するなんて言っていない」と大声をあげ、参考書を床にたたきつけ、部屋にこもってしまいました。

 

 

 

 

いじめにあい、精神が不安定だった里美さんですが、徐々に自身のなかにエネルギーを蓄え始め、元気になりかけていた矢先だったのです。

 

 

 

 

しかし、先回りをした親の対応が一挙に里美さんのエネルギーを奪ってしまい、またもとの状態に押しやってしまったのです。

 

 

 

 

過干渉、そしていじめが不登校やひきこもりの大きな原因であるという話をしましたが、そのほかにも、不登校やひきこもりを引きおこしてしまう原因となるようなことを親自身が言っていたり、していたりすることもあります。

 

 

 

 

こういったことをしてしまう親御さんには、世間体を非常に気にしたり、高い学歴を持っている方たちが多かったりします。

 

 

 

 

高学歴の親たちには、学生時代に「学校に行きたくない」などという思いをしてこなかった人が多いのかもしれません。

 

 

 

 

そのため、学校に行きたくないという子どもの気持ちが理解できないのではないでしょうか。

 

 

 

 

また、以前と違い、最近ではすっかり親と教師の関係が変化してしまったというのも、不登校を引き起こす一因と言ってもいいでしょう。

 

 

 

 

昔は、中学校でも高校でも、学校の先生は聖職者と呼ばれ、尊敬されてきました。しかし現在では、両親ともに有名大学を出ていたりして、学歴だけを見れば親たちのほうが先生より優位であるケースもめずらしくありません。

 

 

 

 

そういう状況の下で、高学歴の親が「あの先生じゃ伸びないよ」とか「あの先生、頼りないね」などと、子どもに平気で言ってしまうことがあるのです。

 

 

 

 

そんなことを常日頃から聞かされていると、その子どもは次第に教師に対して不遜な態度を取るようになったり、もしくは、教師不信や学校不信に陥ってしまったりします。

 

 

 

 

たしかに、教える側が、教師の質の低下という事実を認識し、改善していかなくてはならないこともたくさんあります。

 

 

 

 

しかしわたしは、教師や学校に対する親の軽率な発言や態度も、今の学校環境をだめにしている1つの原因なのではないかと思っています。

 

 

 

 

子どもが成長していく中で、よくも悪くも親は子どもにとっての見本です。親自身がしっかりと近所づきあいができていなかっいたり、顔を合わせてもあいさつすらできていないようでは、子どもが学校で人づきあいをうまくやっていけるはずがありません。

 

 

 

 

ましてや、「外に行って近所の友達と遊んできなさい」と言っても、まったく説得力のない話になってしまいます。

 

 

 

 

子どもは親だけではなく、その他多くの人たちと接しながら成長していきます。にもかかわらず、家庭全体がひきこもっている「一家ひきこもり」の状態では、周囲の人たちと接することによって学ぶことができる貴重な機会を、子どもから奪ってしまうことになります。

 

 

 

 

一方、親が子どもに接する時間が極端に少ない家庭も、不登校やひきこもりの原因となる要素を多く抱えており、子どもにとっては望ましい環境とはいえません。

 

 

 

 

共働きが増えたことで、一緒に食事をする時間がなかなか取れない家庭も多く、子どもだけで食事をとるケースも多々見られます。

 

 

 

 

なかには、父親が残業などで帰りが遅く、家にいる時間が平均7時間という家庭もあります。

 

 

 

 

もちろん、この中には睡眠時間も入っているのですから、父親と子どもが会話をする時間はほとんどないという状況です。

 

 

 

 

子どもは親を見ながら育っていくものです。成長していく大切な時期に、よいお手本が子どもの周りに存在しないというのは好ましい状況ではありません。



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