ひきこもり・ニート・スネップ・不登校とストレス
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ひきこもり・ニート・スネップ・不登校とストレス

2016年01月07日(木)6:51 PM

ひきこもり・ニート・不登校の状態になっている人の中には、ストレスに押しつぶされてしまい、精神状態が不安定になっている人が少なくありません。

 

 

 

 

そもそもストレスとは何なのでしょうか。そのことについてここでは少し考えてみたいと思います。

 

 

 

 

ストレスは、対処の仕方を間違うと、命をも脅かす脅威となります。しかし、現代社会を生き抜いていくためには、ストレスを恐れてはいられません。

 

 

 

 

それを積極的に乗り越えていくことが求められるのです。つぶされずに、ストレス社会を生き延びていくためにはどうすればいいのでしょうか。

 

 

 

 

ストレスによって起きる障害を見ていきながら、ストレスのもたらす有害な作用を防ぐには何が大事なのか、万一、ストレスによって病的な状態が起きてしまったときは、どう克服すればいいのか、実践的な要点を述べていきたいと思います。

 

 

 

 

適応についての医学的研究が始まったのは、19世紀のことです。フランスの生理学者クロード・ベルナールは、「実験医学の開祖」とも呼ばれ、実験によって生理的メカニズムを解明しようとしました。

 

 

 

 

ベルナールは、外部環境と内部環境を区別し、生体には内部環境を一定に保とうとする性質があるとする考えを提唱しました。

 

 

 

 

ベルナールの考えを発展させたのが、アメリカの生理学者ウォルター・キャノンで、「ホメオスタシス」(恒常性の維持)という概念を導入し、3つのレベルで恒常性の維持が図られているとしました。

 

 

 

 

3つのレベルとは、細胞レベル、内分泌系、自律神経系です。そして、恒常性の維持を脅かすものがストレスです。

 

 

 

 

ストレスという言葉を最初に用いたのも、キャノンです。キャノンはさらに、ストレスを受けたときに、生体は危機を乗り切ろうとして「緊急反応」を起こすという考えを提唱しました。

 

 

 

 

キャノンのストレスとそれに対する緊急反応のメカニズムを生理学的に解明したのが、ハンガリー系の生理学者で、カナダのマギル大学やモントリオール大学を研究拠点としたハンス・セリエです。

 

 

 

 

戦前から戦後にかけて、カナダでは、セリエのような移民の研究者が数多く活躍しました。

 

 

 

 

セリエは大規模な動物実験を繰り返し、ストレスの種類に関係なく、共通する反応(ストレス反応)を引き起こすことを発見しました。

 

 

 

ストレスとなる要因はストレッサーと呼ばれますが、ストレッサーは、大きく物理的、化学的、生物学的、精神的(心理社会的)ストレスの4つに分類されます。

 

 

 

 

しかし、暑さや寒さや騒音のような物理的なストレスも、低酸素や酸性環境といった科学的ストレスも、感染症にかかるといった生物学的なストレスも、孤立や不安といった精神的なストレスも、いずれも共通する反応を引き起こしたのです。

 

 

 

 

つまり、発熱、食欲不振、体重減少、下痢・便秘といった症状が見られ、解剖してみると、副腎皮質の肥大、胸腺の萎縮、胃・十二指腸潰瘍・出血がみとめられました。

 

 

 

 

セリエは、これらの症状を、「一般適応症候群」(ストレス状態)と呼びました。

 

 

 

 

さらにセリエは、ストレス反応の段階を3つに分けました。最初の段階は、ストレスを受けた直後に生じるもので、「警告反応期」と呼ばれます。

 

 

 

 

警告反応期もさらに「ショック相」と「反ショック相」に分けられます。ショック相は、ストレス刺激に対してとまどい、うまく対応できていないフェーズで生体機能は一時的に低下し、体温、血圧、血糖は低下し、抵抗力が弱まります。

 

 

 

 

ショックを受け、顔面蒼白になった状態だといえます。しかし、ストレスが限界を超えるほどに強くない限りは、すぐに「反ショック相」と呼ばれる、ストレスに打ち勝とうとするプロセスが始まります。

 

 

 

 

生体機能は急速に回復し、抵抗力を取り戻します。最初のショックから立ち直った状態だと言えます。

 

 

 

 

警告反応期を過ぎますと、二番目の段階である「抵抗期」を迎えます。抵抗期は、ストレスが続いているものの、活性化された抵抗力との間で、どうにか均衡が保たれている段階です。

 

 

 

 

一見、ストレスが克服されたかのように見えることもありますが、抵抗力を高めることによって、どうにか防衛している状態なので、みかけほど余裕があるわけではありません。

 

 

 

 

新たに別のストレスが加わったりしますと、もう抵抗しきれないということも起きやすいです。

 

 

 

 

ストレスを乗り越えたと思って、さらに負荷をかけたりすれば、危険なことになりかねません。

 

 

 

 

付け加えれば、抵抗期には、ストレスを紛らわすための特徴的な行動が見られます。

 

 

 

 

そのひとつが、嗜癖的行動や強迫的反復行動です。嗜癖的行動は、脳の興奮を鎮める物質に依存する場合と、脳内の快楽物質の放出を高めることによって、苦痛を和らげようとする場合がありますが、一つの物質や行為が、両方の作用をもつ場合もあります。

 

 

 

 

たとえば、アルコールは、少量ではドーパミンの放出を増やしますが、血中濃度があがるにつれてGABAという興奮を鎮める伝達系に作用し、眠りにつかせます。

 

 

 

 

アルコール以外にも、薬物やギャンブルへの依存、買い物やオークションへの依存、セックスやロマンスへの依存、ゲームや携帯・スマホへの依存も、高揚作用とともに、気持ちを紛らわせる安定作用が認められることが多いです。

 

 

 

 

これらの嗜癖的行動は、ストレスに対する防御反応としての側面を持つといえます。

 

 

 

 

ただ問題は、こうした嗜癖が適度に活用されている限りでは、プラスの効果も期待できるのですが、ある程度を超えて進行すると、生活や体調にいっそう悪影響を及ぼし、次の終末的な段階の準備をしてしまいかねないということです。

 

 

 

 

そして、次の段階として、「疲憊期」がやってきます。これは、抵抗力の限界を超えてしまい、恒常性の維持が困難になり、つぶれ始めた段階です。

 

 

 

 

生体機能が再び低下しはじめ、体温低下、体重減少、免疫力低下がみられるようになります。

 

 

 

 

この段階が、適応障害から心身症やうつ病などの精神疾患引き起こした状態だといえます。

 

 

 

 

そのまま放置すれば、なんらかの形で死に至ることになります。年間一万人といわれる過労死や、団塊の世代の退職で年間三万人の大台をようやく割ったとはいえ、高い水準が続く自殺の多くは、そうした悲劇的なケースだといえるでしょう。

 

 

 

 

しかも、抵抗力が衰え始める年代や過重なストレスがかかりやすい年代だけでなく、元気盛りの子どもや若い世代でも、自殺が多くなっています。

 

 

 

 

そこには、ストレスというだけでなく、後でみるように、適応を左右する別の要因もかかわっています。

 

 

 

 

セリエ以降も、生理学の進歩は目覚しく、どのようなメカニズムでストレスが心身に異変を引き起こしていくのかが、より詳しく解明されてきています。

 

 

 

 

適度なストレスは生理反応を活性化し、活力を高める面もあります。問題は、ストレスが強すぎた場合や、短期間なら耐えられるストレスでも、それがあまりにも長期間にわたって持続した場合です。

 

 

 

 

ストレスが人の体や精神をむしばみ始めるのは、いずれかの場合です。そして実は、ストレスから体や心を守る防御メカニズム自体が、自らの体や心を破壊する方向に働いてしまいます。

 

 

 

 

 

そうした事態を防ぐために何が必要かを考えるには、まず、ストレスを受けたとき、体に何が起きるのかを知る必要があります。

 

 

 

 

先にもみたように、さまざまなことがストレスとなりえます。このうち、通常われわれがストレスと呼んでいるのは、精神的ストレスのことです。

 

 

 

 

精神的ストレスも、寒さや低栄養、細菌感染といったことと同じように、生存を脅かします。

 

 

 

 

生き延びていくためには、ストレスから身を守らなければなりません。そのための防御反応が、ストレス反応です。

 

 

 

 

ストレスの種類に関係なく、ストレスを受けると共通する反応が起きます。食欲がなくなり、胃腸の調子が悪くなります。高血圧にもなりやすいです。

 

 

 

 

病気にかかりやすくなり、頭が痛くなったり、熱が出たりするようになります。これらの症状も、ストレス反応によって引き起こされたものです。

 

 

 

 

こうしたことは、誰もが経験的に知っていることです。ですが、どうして、こういうことがおきるのでしょうか。

 

 

 

 

そのかぎを握るにが、ストレス・ホルモン(ストレスに抵抗するという意味で、抗ストレスホルモンともよばれます)であり、その正体は、副腎皮質ホルモンです。

 

 

 

 

ストレス・ホルモンとは、ストレスを受けたときに、ストレスに負けないように、体や心を守るために放出されるものです。

 

 

 

 

決して、自分を痛めつけるために放出されるのではありません。それなのになぜ、結果的に体を痛めつけてしまうのでしょうか。

 

 

 

ストレスを感じたとき、それに最初に反応するのは、脳のなかで本能的な生存の維持に深くかかわっている視床下部です。

 

 

 

 

ストレスを感じると、視床下部からCRHというホルモンが分泌され、それがすぐ近くの下垂体に到達すると、下垂体からACTHが放出されます。

 

 

 

 

ACTHが全身をめぐって、副腎皮質にたどりつくと、副腎皮質ホルモン、いわゆるステロイド・ホルモンが放出されます。

 

 

 

 

では、ステロイド・ホルモンは何をするのでしょうか。多くの人は、ステロイドの軟膏を塗ったことがあるでしょう。

 

 

 

 

その効果は劇的です。強い炎症やアレルギーも、ステロイドを使うと、たちどころに抑えられてしまいます。

 

 

 

 

しかし、ステロイドは怖い、ステロイドでないと効かなくなるといった話もよく耳にするでしょう。

 

 

 

 

確かにステロイドはよく効きますが、ずっと使い続けるものではありません。炎症やアレルギーが治まるのもステロイドは異物との闘いを止めさせる作用をもつことによります。

 

 

 

 

しかし、考えればすぐにわかることですが、異物との闘いを止めることは、別の危険をもたらします。

 

 

 

 

確かに炎症はなくなって症状が消え、よくなったように見えますが、それは外敵に対して無防備な状態を作り出すことでもあります。

 

 

 

 

ステロイドを使い続けていくと、細菌やカビに感染しやすくなるのは、そのためです。

 

 

 

 

では、なぜステロイド(ストレス・ホルモン)は異物との闘いを止めてしまうのでしょうか。

 

 

 

 

それは、もっと肝心な問題との闘いに、エネルギーを集中的に投入するためです。

 

 

 

 

敵に襲われて、生きるか死ぬかというときに、ばい菌と闘っても意味がありません。

 

 

 

 

まず、目の前の闘いに勝って生き残らなければ始まりません。そこで、ばい菌やアレルギー物質と闘うことは、一時休戦にして、目の前の敵との闘いに戦力を集中しようとします。

 

 

 

 

目の前の危険を生き延びるために、後で生じるデメリットには目をつぶるのです。

 

 

 

 

ステロイドの炎症を抑える作用は、生き延びるための緊急避難的な戦略なのです。

 

 

 

 

ステロイド・ホルモンは、それ以外にも、血圧を上げたり、血糖をあげたりする作用があります。

 

 

 

 

闘いに必要な骨格筋や心肺、中枢神経系への血流を増やし、エネルギーを確保する一方、消化管などの、さしずめ闘いに不要な部分は手薄にします。

 

 

 

 

ストレスに対して、視床下部で起きる反応は、ストレス・ホルモンの放出とともに、自律神経を警戒態勢にすることです。

 

 

 

 

リラックスした休息モードの状態である副交感神経優位の状態から、戦闘モードである交感神経優位の状態にします。

 

 

 

 

交感神経が興奮すると、アドレナリンが放出されます。血圧があがり、心拍数が上昇して、骨格筋や心肺に血流を豊富に送るとともに、消化管の運動はやはり抑えられます。

 

 

 

 

しかし、危機的状況が去れば、リラックスし休息することで、バランスをとろうとします。

 

 

 

 

ところが、強いストレス下では、自律神経系のスイッチの切り替えがうまくいかなくなります。

 

 

 

 

交感神経が緊張しっぱなしになるとおきやすいもっとも身近な問題が、肩こり、便秘、高血圧です。

 

 

 

首筋から後頭部にかけての頭痛も多いです。交感神経と副交感神経のどちらもが興奮するというようなことも起きます。

 

 

 

 

強い不安や緊張、怒りを感じた状況が典型的です。その結果、たとえば、胃の粘膜を守るために分泌される胃粘膜が減り、同時に消化のために必要な胃酸の分泌が亢進するといった矛盾したことが起きてしまいます。

 

 

 

 

その結果、胃炎や胃潰瘍を引き起こしやすくなります。男性がときに陥るインポテンスは、交感神経が興奮することによって勃起が妨げられて起きますが、場合によっては、勃起していないのに射精だけが起きるという場合があります。

 

 

 

 

それは、射精が副交感神経の興奮によるためで、緊張のあまり、交感神経と副交感神経が両方とも興奮した結果だといえます。

 

 

 

 

反対に、交感神経と副交感神経の働きがともに低下してしまうという場合もあります。

 

 

 

 

強い失望や抑うつ状態では、そうしたことが起きやすいです。その場合には、活力も意欲もないのにリラックスできず、イライラしたり眠れないという状態が出現しやすいです。

 

 

 

 

いわゆる自律神経失調症とは、交感神経が過剰に興奮しやすい状態だけでなく、両者のバランスが崩れて、両方が同時に緊張したり、同時に弛緩したりする状態も含めたものです。

 

 

 

 

しかし、自律神経失調症という診断名は、ストレスによっておきている問題の一部だけを指す言い方であり、今日では、あまり用いられなくなっています。

 

 

 

 

 

 

 



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