ひきこもり・ニート・スネップ・不登校と親の自立
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ひきこもり・ニート・スネップ・不登校と親の自立

2015年12月07日(月)4:07 PM

関東自立就労支援センターには、引きこもりやニート・スネップ・不登校の問題だけでなく、家族関係に関するさまざまな相談も多く寄せられます。

 

 

 

 

今回は、その一部をご紹介したいと思います。

 

 

 

 

親自身の自立ということで、Aさんの例を取り上げてみましょう。彼女は気づくことで、家族の人間関係を大きく変えました。

 

 

 

 

彼女はさまざまな意味で自立した女性です。高校生の娘を育てながら仕事をし、時間を見つけては、地域の人が集まる場つくりにも取り組んでいます。

 

 

 

 

さらに、世の中の親たちに伝えることができたらと、いろいろな勉強会にも積極的に参加しています。

 

 

 

 

娘も元気に育っています。彼女には自立に関する問題は何もないように見えました。

 

 

 

 

最初に関東自立就労支援センターに相談に来たとき、何の悩みがあるのかよく分かりませんでした。

 

 

 

 

ところが、彼女は自分のこころにあるわだかまりを知っていました。それは父親との関係でした。

 

 

 

 

父親はプライドの高い技術者で、彼女は幼いころから家のなかでつねにある種の緊張感を感じていました。

 

 

 

 

父親は、どこか人を見下したような態度で家族に接します。彼女はそんな父親が嫌いでした。

 

 

 

 

そして父親は、家族全員からそんな目で見られていたのです。その関係は、彼女が結婚してからも変わらず、彼女の娘は、母親と祖父の間の緊張感を感じながら育ちました。

 

 

 

 

その影響でしょうか、彼女は娘と夫の間にある、なんともいえない距離が気になっていました。

 

 

 

 

でも、年頃の女の子が父親を疎ましく思うのはどこにでもあることと、気にとめないようにしていたのです。

 

 

 

 

でも、年月の経過とともに、彼女の中に、このままでいいのだろうかという疑問が生まれます。

 

 

 

 

彼女の父親はこのころ、定年退職を迎え、再就職で駅の掃除をしていました。あれほどプライドが高かった父親が、掃除の仕事をするとは想像もつかず、父親はそのことを不満に思っているのではないかと、彼女は考えていました。

 

 

 

 

彼女は父親の働く駅を利用することがあります。父親を見かけることはあっても、声をかけることはしませんでした。

 

 

 

 

もともと、彼女と父親の間には声をかけて話をするというような親密さはありませんでした。

 

 

 

 

同時に掃除をしている自分を、家族に見られたくないと父親が思っているだろうという配慮もありました。

 

 

 

 

彼女はいつも知らん振りをして通り過ぎていました。ところがある日、駅で掃除をする父親を見かけ、彼女は思わず「お父さん」と声をかけてしまいます。

 

 

 

 

彼女の「これでいいのだろうか」という思いが後押しをしたのでしょうか。すると父親は、相手が誰だか確認せず、「何ですか?」と答えました。

 

 

 

 

彼女は驚きました。父親がこれほどていねいに自分の呼びかけに反応したのは、生まれてはじめてだったからです。

 

 

 

 

おそらく父親は「お父さん」と呼ばれたことに気づかず、駅の利用者が声をかけてきたと思ったようでした。

 

 

 

 

娘と気づいて、恥ずかしそうに「何だ、おまえか」と続けました。そのとき、彼女のなかで何かが一気に解けました。

 

 

 

 

彼女は日常的に父親に声をかけ始め、二人は長年の距離を埋めるかのような関係になっていきます。

 

 

 

 

それは、彼女とお父さんの関係にとどまらず、お父さんとお母さん、そして、なんと夫と娘にも波及します。

 

 

 

 

夫と娘が、これまでになく親密な関係になっていったのです。Aさんは、自分の気持ちと正直に向き合い、父親との関係を変えるために一歩を踏み出しました。

 

 

 

 

「お父さんがあんな人だから」とすべてを父親のせいにして、その被害者になることをやめたのです。

 

 

 

 

Aさんは、過去にあった父親との固定化された関係のしばりを開放しました。このことはまさに、自分の人生に責任を取ることであり、その姿をモデルとして子どもに見せることになるのです。

 

 

 

 

子どもの自立をサポートすることは、単に子どもを自立させるということにとどまりません。

 

 

 

 

子どもとしての自分の人生をもみつめなおすことを意味しています。わたしたちは、親である以前に子どもでした。

 

 

 

 

子どもとしての自分の思いを、親と通わせることができたとき、わたしたちは本当の意味で子どもの自立をサポートできるのかもしれません。

 

 

 

 



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