子どものひきこもりが家族のひきこもりを引き起こす
ホーム > 子どものひきこもりが家族のひきこもりを引き起こす

子どものひきこもりが家族のひきこもりを引き起こす

子どもがひきこもり状態になってしまったとき、多くの場合、家族までもが「ひきこもって」しまいます。

 

 

 

 

もちろんひきこもりの当事者とは状態が異なり、家族はそれぞれの社会生活を過ごしているのですが、自分の子どもが(あるいは兄弟姉妹が)ひきこもっているという事実を秘密にするため、その家族にとっていちばん苦しい問題(家族がひきこもり当事者を抱えている)を普通に語ることができず、その家族は社会から隔絶されたように感じます。

 

 

 

 

最初から秘密にしているわけではありません。本人から見て、祖父・祖母・親戚などに家族は相談します。

 

 

 

 

けれども残念ながらそうした親族から返ってくる言葉はいわゆる「正論」なのです。いわく、親の育て方が間違っている、甘やかしすぎている等々です。

 

 

 

 

それが事実かどうかは重要ではなく、こうした正論を指摘されることは、家族の孤立感をいっそう深めます。家族は、そこに価値判断を交えず、ただ問題を聞いて欲しい。共有してほしいのです。TSU82_sougen500_TP_V1

 

 

 

 

子どもも含めた自分たち家族の苦しみを、原因探しや価値判断は少し留保して、何も言わずに知ってほしいのです。

 

 

 

 

家族は徐々に自分たちの中にひきこもります。やがて母は母の世界に、父は父の世界に、兄弟は兄弟の世界にひきこもります。

 

 

 

 

繰り返しますが彼らは仕事や学校などの社会生活は送っています。各々の生活を送りながら、いちばん気にしていることを仕方なく隠蔽していきます。

 

 

 

 

しかし、「親が動く」ことで(加えて、兄弟は自分の自立を模索することで)、家族は再び開かれていきます。

 

 

 

 

引きこもりに小遣いを与えたほうがいいのか

 

 

 

 

引きこもる子どもにとって、小遣いは旅立つときの支度金にもなります。「ブラブラしているから」小遣いを与えないというのは、私には「みせしめ」や「おとがめ」に思えてしまうのです。

 

 

 

 

無理のない範囲で与えることが必要です。また、計画的にお金を使うように毎月決まった金額にするとよいでしょう。

 

 

 

 

とかく年齢が低ければ、小遣いを与えることにも親も抵抗はないでしょうが、引きこもりも青年期になると、「働いてもいないのに、小遣いをあげてもいいのか」という戸惑いが出てくるようになります。

 

 

 

 

また金銭感覚がなくなって浪費癖がつかいないかと、いらぬ心配をするものです。

 

 

 

 

外に出ていこうにも、一つ一つ親に頼んでいくのも嫌なものです。

 

 

 

 

小遣いを与えたら預金もせず、パチンコに行って困っているという相談もよく受けます。

 

 

 

 

この場合は、パチンコ屋さんも社交の場の一つとして考えてください。

 

 

 

 

さらに問題なのは他の兄弟たちが働いていて、「今月分」といって家計に入れることがあります。

 

 

 

 

その中でも特に問題なのは長男が引きこもりの場合です。このケースでは下の妹弟にとってはおもしろくないでしょう。

 

 

 

 

「なんで兄貴がブラブラしていても小遣いをもらっているのに、弟の俺がお金を入れなきゃならないんだ」と不満を言ったりします。

 

 

 

 

ここで、小遣いを与えなかった場合、先ほど言ったように、働かない人間に対してのみせしめという意味になってしまいます。

 

 

 

 

だから小遣いは与えるべきなのです。なぜかというと、本人も好きで引きこもっているわけではないからです。

 

 

 

 

怠けてブラブラしているのではありません。ですから、弟の偏見に対しては「好きこのんでお兄ちゃんは引きこもっているんじゃないんだ。

 

 

 

 

自分の人生設計を考えあぐねているんだ」とビシッと言ってください。これが基本です。

 

 

 

 

もちろん、弟の気持ちもくみとりながらですが。

 

 

 

 

お金を与える機会は、親とのコミュニケーションにもなります。それから、先述したようにお金を使うことで社会とつながれるきっかけにもなります。

 

 

 

 

しかし、無理な額は出す必要はありません。要求してきても断固として断ってください。

 

 

 

 

多く出すと子どもを特別視していることになります。ここでも「自然であること」にこだわってください。

 

 

 

 

一般的には、高校生の年齢で5千円、働いている年齢では1~2万円というところでしょうか。

 

 

 

 

また、ときには「ボーナス」も必要です。その場合は、なんらかの具体的評価(小さな達成感)とそれに見合った額であることです。

 

 

 

 

わたしはどんなささやかな労働でもその評価として報酬を払うことは大切だとつくづく思います。

 

 

 

 

それは評価が社会的評価となり、「役立つ人間」となるからです。

 

 

 

 

どんなにすばらしいクスリの入った袋よりも、給料袋をもらったほうが、もうそれだけで心は元気になるようです。

 

 

 

 

ただし、とってつけたように家事手伝いのお皿洗いにまで報酬を出すのはどんなものかと思います。

 

 

 

 

世間体を気にする親御さんへ

 

 

 

 

世間体を気にする親御さんは、「お宅の息子さん、ずっと家にいるようだけど、どうしたの?」と聞かれたり、近所の奥さんたちが話しているところに行くと急に静かになったりしたら「陰で噂されているんじゃないか」と思って悩むことが多いようです。

 

 

 

 

これは本当につらいことだと思います。中には被害者意識が高まって、自分でもその辛さを持て余してしまう人もいます。

 

 

 

 

ここまでくると「被害妄想」の一歩手前とも言えます。

 

 

 

 

そして、親自身が雨戸を閉めたりして、うちにこもり、ゴミも夜のうちに出しに行ったりして近所の人と会わないようにガードしようとします。

 

 

 

 

すると、ますます家の雰囲気が暗くなってしまいます。

 

 

 

 

こういう場合は、なかなか難しいのですが親は気持ちを吹っ切ることです。「恥かしく困ったこと」と思うことが、子どもとのかかわりに悪循環を作ってしまいます。

 

 

 

 

あえて子どもの話をする必要はありませんが、隠す必要もありません。

 

 

 

 

しかし、明るく振る舞えと言われても、実際は親御さんも苦しいわけですから、なかなか難しいかもしれません。

 

 

 

 

そういう場合、私は、「ご近所の中で一人、何でも話せる友達をつくったら」とアドバイスしています。

 

 

 

 

きっと心ある方がいるでしょう。一人でこの問題を抱え込むのはつらいものです。

 

 

 

 

もし近所にそのような方が見つからないときは、引きこもりや不登校関連の親の会に参加してみてください。

 

 

 

 

まず、親自身が社会や周りからの「置き去り感」や「孤独感」から解放されてほしいと私は願っています。

 

 

 

 

そして、その友人に息子の状態、自分の悩みなどを話してみてください。少しは楽になれるはずです。

 

 

 

 

子どもの安定には、まずは親の安定が先決なのです。

 

 

 

 

その後、その心ある方が、必ず次なる心ある方をそれとなく紹介してくれます。

 

 

 

 

そのうちに理解の輪が広がってくれます。

 

 

 

 

大切なのは、親自身が引きこもることなく、このことに対して偏見や差別意識を持たないことです。

 

 

 

 

偏見や差別意識が強いほど、周りの目が気になってしまいます。

 

 

 

 

それに、自分が差別意識を持っていれば、近所の人まで差別意識を持ってしまいます。

 

 

 

 

そういう意識を持たなければ明るく振る舞えるでしょうし、近所の人も差別的な目で見ないでしょう。

 

 

 

 

そして、内なる引きこもりへの偏見を克服することが最大の鍵となります。

 

 

 

 

そのためにも、地域の中によき理解者を見つける努力をしてほしいと思います。

 

 

 

 

引きこもりの子どもは、私たちが「人間らしく自然に生きる」ためにスケープゴート(身代わり)になって、人間関係の大切さに「気づけ」と伝えてくれているのだと思うことが必要ではないでしょうか。

メニュー

過去の記事

団体概要
団体名
関東自立就労支援センター
理事長:
大橋秀太
理事:
大畑健太
理事:
杉下真理
住所
東京都東久留米市浅間町1-12-9
TEL
042-439-4355
メール
ki6jt7@bma.biglobe.ne.jp
活動内容
・若年者の就労支援、
 学習 支援、生活訓練
・共同生活寮の運営
・教育相談の実施
・各種資格取得支援