引きこもりと関係の深い精神障害とその特徴
ホーム > 引きこもりと関係の深い精神障害とその特徴

引きこもりと関係の深い精神障害とその特徴

2014年01月28日(火)12:54 午後

a1380_001399引きこもりと関係の深い精神障害とその特徴

 

 

1  広汎性発達障害

 

広汎性発達障害、特にその高機能群(アスペルガー障害など)は思春期に入った小学校高学年から中学生にかけての年代で、同年代仲間集団から孤立したり、からかいやいじめの対象になったりすることが多く、そのことを契機に引きこもることがあります。いじめられた経験の頻回なフラッシュバックとそれに伴うパニック的な興奮、社会への関心の乏しさ、ゲームなどの活動への没頭の生じやすさなどは社会から孤立したPDDの若者が引きこもりに向かう強力な推進力となっていると思われます。

 

 

2  適応障害

 

いじめなどの出来事を契機に不安や抑うつ気分が出現し、不登校・引きこもりに至ることがあります。適応障害をもたらすストレス状況が遷延したり、あるいは誘因は解消しても症状が遷延したりすると、適応障害から気分障害や不安障害などへの展開が生じ、結果的に引きこもりが本格化・遷延化することは珍しくありません。

 

 

3  不安障害

 

 

社交不安障害は、人前で行動するなどの社会的活動に対する回避傾向が主症状の不安障害で、同年代やなじみの少ない対象を回避し引きこもりへと向かう可能性がすくなくありません。全般性不安障害はさまざまな場での不安が特徴的ですが、特に失敗や挫折を恐れるあまりに緊張の強さが目立つ点に特徴があり、ときに不登校や引きこもりの原因となります。パニック障害の発作様の不安・恐怖状態が頻発するようになると、その出現を恐れて外出を控えるようになり、引きこもり状態に至ることもあります。

 

 

4  気分障害

 

 

その大半はうつ病性障害で、大うつ病エピソード、あるいはそれに準ずるうつ状態(気分変調性障害、月経前不快気分障害、小うつ病性障害など)の際に引きこもりを生じることがありますが、多くの場合にいったんひきこもった当事者はうつ状態が改善したからといって、ただちに引きこもりから抜け出すことができるわけではないことを心得ておきましょう。うつ病性障害の中でも気分変調性障害は引きこもりとの親和性がより高い障害とされています。また、うつ状態から活動力の亢進する躁状態に転じる双極性障害であることが明らかになる事例もあります。

 

 

5  強迫性障害

 

 

強迫症状が増悪してきた場合に、強迫症状に縛られて日常生活の習慣的行動をスムーズにこなせなくなったり、家族を巻き込んだ強迫症状に伴って退行が生じることで母親との共生的な結びつきから離れられなくなったりする結果、引きこもり状態となることがあります。

 

 

6  注意欠如・多動性障害

 

 

本来人なつっこく、親しい人間関係を求める気持ちの強いのがADHDの子どもの特徴です。しかし、ADHDの主症状である不注意、多動性、衝動性のため、思春期年代に入る頃には仲間集団から孤立したり、学校生活で疎外されたりという状況に陥りやすくなります。こうした状況が長期化すると二次的に気分障害を併存したり、極端に反抗的になったりし、最終的には不登校・引きこもりに至る可能性が高まります。

 

 

7  統合失調症

 

 

統合失調症の陽性症状そのものである幻覚、妄想、自我障害などに基づく強い不安・恐怖から外出を控えたり、妄想に根ざした警戒感から家庭に閉じこもったりすることがあります。また、陰性症状と呼ばれる意欲の低下に基づいて外出頻度が低下したり、人との交流を求めなくなったりするため、結果として引きこもり状態に至る場合もあります。また、統合失調症に基づく言動の影響で、周囲との人間関係が悪化し、周囲から距離を置かれるようになることに伴って外出困難になるという経過もあるでしょう。また、周囲の統合失調症に対する差別や偏見が強いため、あるいは家族が近所の目をきにしすぎるために、トラブルを避けるために外出させてもらえないという事例もあるかもしれません。また、引きこもり当事者ではなく家族の中に統合失調症の人がいて、その人の妄想に基づく外界への警戒心から引きこもり当事者の外出を禁じたり、その人の影響で引きこもり当事者も同じ妄想を共有するようになったりしたため、引きこもりに至っている事例も存在することを心得ておくことも必要です。

 

 

8  パーソナリティ障害

 

 

不登校や引きこもりに表現されるような回避性、依存性、自己愛性、境界性(空虚感、孤立感、対象へのしがみつきと操作などが特徴)などの心性が年余にわたって持続する間に、そうした心性がパーソナリティに構造化されてパーソナリティ障害への展開が生じることがあります。もちろん不登校・引きこもりが生じる前にパーソナリティ障害が確立していき、各パーソナリティ障害に固有なタイプの社会適応の困難さが深刻化し、社会的活動や関係性を回避するようになり、引きこもりに至るという経過も多くみられることはいうまでもありません。



メニュー

過去の記事

団体概要
団体名
関東自立就労支援センター
理事長:
大橋秀太
理事:
大畑健太
理事:
杉下真理
住所
東京都東久留米市浅間町1-12-9
TEL
042-424-7855
メール
ki6jt7@bma.biglobe.ne.jp
活動内容
・若年者の就労支援、
 学習 支援、生活訓練
・共同生活寮の運営
・教育相談の実施
・各種資格取得支援