引きこもりと思春期
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引きこもりと思春期

2014年01月28日(火)11:17 AM

引きこもりと思春期

 

 

一般的に、思春期(10歳から18歳くらい)の主たる発達課題は、「両親(とりわけ母親)からの分離」と「自分探し、自分作り」です。

 

 

 

 

 

思春期の前半(10歳から14歳くらい)の年代は親(特に母親)から心理的に距離を置くために、同性の仲間へと接近し、その活動に没頭します。

 

 

 

 

 

その後半(14歳から18歳くらい)の年代では本当の自分を確立し、社会とわたりあう能力を身につけるために、信頼できる友人を求めると同時に、自己という感覚に敏感になります。

 

 

 

 

 

思春期を通じて高まっている同性仲間集団からの脱落の恐れは、子どもを集団への過剰適応に向かわせます。

 

 

 

 

 

そして、そこでの適応上の危機の増大や現実に生じた失敗は、たとえそれが些細なものであったとしても、子どもに強い挫折感と恥の感覚を経験させ、同時にそれが生じた現場である仲間関係や学校生活を回避させ、子どもを家にとどめる強力な原動力として作用します。

 

 

 

 

 

まさに思春期であるからこそ、そのようなことが起きやすいのです。もちろん、家族を揺さぶる問題が家庭に生じているような事態も、思春期の子どもを家族にしばりつけ、学校生活などの社会的活動を回避させることがよくあります。

 

 

 

 

 

思春期後半の発達課題に伴う自己感覚の過敏性の増大は、他者の視線や、他者の批判、自己の独立性・自律性をめぐる不安に対する過敏性と脆弱性としてあらわれます。

 

 

 

 

 

このような自己の状態を防衛するため、思春期を通じて子どもの自己愛性はかなり高まると言われています。こうした自己愛を支え合う適切な友人を持つことは適応性を高めるために必須ですが、友人関係の破綻はこの年代の子どもの自己愛を揺さぶり、孤立感や無力感などを生じさせたり、自己の独立性をめぐって被影響感(自分の考えや感情が他者から強いられたもので自分の独自のものではないように感じること)や被害感(他者から意地悪されているように感じること)を刺激したりします。

 

 

 

 

 

このような思春期後半の心性は、社会的関係性の挫折により、容易に自己への引きこもりと自己愛性のさらなる亢進を強いられることになります。

 

 

 

 

 

いうまでもなく通常の家庭を持つ思春期の子どもにとって、自己に引きこもることをもっとも容易に保障するのは家庭にとどまることなのです。

 

 

 

 

 

また、思春期を通じて、特徴的とされる心性に亢進した両価性(正反対の感情が同時に浮かぶ葛藤の強い内的状況)があります。近づきたい・離れたい・大好き・大嫌い・助けてほしい・かまわないでといった正反対の気持ちに激しく揺れる思春期の子どもは挫折や自己の危機に際して適切な支援を求めることができないという特性が目立ちます。

 

 

 

 

 

思春期年代の子どもがいったん引きこもると、そこから抜け出しにくいという特徴は、この両価性の高さも大きな役割を果たしていると理解できます。

 

 

 

 

 

思春期の引きこもりでは、子どもは学校へ行っていないことに対する罪悪感から、支援者の中立的な姿勢や質問をしばしば非難と受け止めやすく、高まった両価性によって関係性は不安定かつ了解しにくいものになってしまいます。

 

 

 

 

 

ここまで述べてきた10歳から18歳くらいまでの、人生の中でもっとも引きこもりへの親和性が強いと言って良い思春期心性は、青年期とよばれる19歳以降の年代に至っても、危機に陥ればすぐさま頭をもちあげてくるもののようです。

 

 

 

 

 

青年期に始まる引きこもりにも、思春期年代の不登校・引きこもりと共通の側面が存在することは明らかです。



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