引きこもり関連の事件(3)
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引きこもり関連の事件(3)

2013年12月27日(金)11:21 PM

 

発達障害で30年間ひきこもっていた男性が、生活の援助をしていた姉を刺殺

アスペルガー症候群などが原因で、自宅に30年もの長期にわたって引きこもっていた弟が、普段生活面で面倒

 

を見ていた姉を刺殺したとして、殺人罪に問われ、大阪地裁の裁判員裁判で、検察側の16年の求刑を4年上回

 

る懲役20年の判決を受けた事件がありました。裁判員裁判で行われた第一審判決は、求刑を上回る異例の量刑

 

とした理由として「家族が同居を望んでいないため社会の受け皿がなく、再犯の可能性が心配される。許される

 

限り刑務所に収容することが社会秩序の維持にも役に立つ」と判断しましたが、これに対しては、発達障害の患

 

者や支援者団体が偏見に基づく判決として批判が巻き起こり、被告人側は量刑不当などとして、控訴していまし

 

た。たとえば、この第一審判決当時、日本発達障害ネットワークの市川宏伸理事長が、被告人が十分に反省して

 

いないとするこの判決に対して「アスペルガー症候群の人は反省していないのではなくて、言われることがわか

 

っていないだけだ。裁判員の理解がないとこういう結果になりやすく、裁判員制度が始まるときに心配していた

 

ことが起こった。」と批判しています。また、発達障害に詳しい六甲カウンセリング研究所の井上敏明所長(臨

 

床心理学)は「アスペルガー症候群だからといって、すぐに再犯に走るわけではない。発達障害には家族など周

 

囲の理解が必要だ。単に刑務所に長期収容するだけでは何の解決にもならない」と言っています。確かに、アス

 

ペルガーが理解されにくい障害である上に、30年間も引きこもっていたとか、姉を逆恨みして殺害してしまう

 

とか、常人には理解しがたい犯行に一般市民である裁判員が恐怖感をもったことは理解できるのですが、社会に

 

受け皿がないというのも偏見ですし、もし受け皿がなかったとしてもそれは本人の責任ではないのですから、量

 

刑を重くするというのは論理的にもおかしいのです。これでは、障害があるがゆえの差別判決といわれても仕方

 

がありません。判決理由中の「許される限り刑務所に、」だなんて、刑務所を姥捨て山のように扱っています。

 

そんな非寛容な社会では、障害がない健常者でも生きにくい社会のはずです。このように、司法への市民参加と

 

して導入された裁判員裁判は、専門家の裁判官と一般市民が裁くだけに、社会一般の偏見や無理解が直接裁判に

 

影響するという、致命的な弱点を持つことが明らかになった判決だと思います。そして、この事件の控訴審判決

 

が2012年2月26日、大阪高裁であり、松尾裁判長は一審判決を破棄し、懲役14年を言い渡しました。重

 

大事件でも控訴審からは裁判員制度ではなくて、これまで通りの裁判官だけの審理です。この判決の中で、松尾

 

裁判長は、被告人の責任能力を認める一方で、「生活の面倒を見ていた姉の善意を嫌がらせと受け取るなど、ア

 

スペルガー症候群が犯行に至る経緯や動機に大きく影響した」「十分に反省の態度を示せないのも影響のため」

 

と判断しました。また、出所した障害者らを支援する「地域生活定着支援センター」が各都道府県に設置されて

 

いる点にふれて、「およそ社会に受け皿がないなどとは言えない。原判決は再犯の可能性の評価を誤った」との

 

べました。



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