引きこもる社会人たち 4
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引きこもる社会人たち 4

2013年12月26日(木)9:03 PM

引きこもる社会人たち(12)

 

「家から出られない」「会社の前で体が動かなくなる」自立した大人がそんな身体状態に陥って、引きこもり状

 

態になるのはなぜでしょうか。神経生物学の観点から、高次神経機能の解明を行っている東北大学大学院医学系

 

研究科の曽良一郎教授はこう説明します。「不安は、欲求が強ければ強いほど起こるもの。会社に行けなくなる

 

のも、会社に行きたいという強い気持ちの裏返しなんです。動けないのは、強い心理規制が働いて、不安が先に

 

立つことが多いから。ひどくなると、気持ちが落ち込んだり、不安を感じるエネルギーすらなくらなかったりし

 

ます。」曽良教授によると、引きこもり状態の社会人を調べてみると、うつ病や神経症の人が多いといいます。

 

「大人の引きこもりが増えているのは、それらの病気が蔓延化しているからではないでしょうか」と曽良教授は

 

言います。鬱病と診断されるケースは、睡眠障害、食欲減退、性欲減退などの身体症状が出るなどの体の病気に

 

近く、30代から50代に増えてくるといいます。その中でも、「不安が強いと、ひきこもるのではないか」と

 

指摘します。一方、不安が強い人は、不安神経症の分類に入ります。会社に行って、きちんと仕事をしたいけれ

 

ど、自信がないから行けない。睡眠障害がある。ただ、食欲や性欲の減退はない。シンプルに、不安だというこ

 

とだけが先行するのだといいます。「きっかけは、転勤、昇進、異動などの職場環境の変化。少しずつ眠れなく

 

なって、ストレスが積もり積もると、ある日調子が悪くなる。極端なケースでは、そのうち生きていても仕方が

 

ない、死んでしまおうと思い、自殺へと追い込まれるのです。」とくに、技術者や研究職は「100%の力

 

を出し切れないと働きたくない」という自己抑制が強いです。「気分が沈む」「寝付きがわるくなった」「趣味

 

を楽しめなくなった」などの症状が現れます。自覚するのは、半年くらい後です。家族があわてて本人を連れて

 

くるケースが多いです。曽良教授は「以前に勤務経験があるなど、社会的機能が高い人ならば、的確な治療を受

 

けられれば、比較的治りやすいのではないか」と言います。社会復帰は、家族や会社の理解、サポートにかかっ

 

ているよう。

 

ひきこもる社会人たち(13)

 

近年、30~40代の高齢の引きこもりが問題になっています。多くの会社員は組織に適応して、社会生活を送

 

っているように見えます。しかし、一方で、体の動かなくなる社会人が現れるのは、なぜでしょうか。脳システ

 

ム論の専門家で、「不老脳ー40代からのアンチエイジング」(アスキー新書)などの著書がある、諏訪東京理

 

科大学の篠原菊紀教授は、「そもそも、よくここまでみなさん環境に適応して出社していると思う」と前置きし

 

た上でこう指摘します。「1つの要因として、不安や、恐怖を感じやすい遺伝子が想定されます。代表的なの

 

は、セロトニンの不安遺伝子です。ただ、日本人は、約9割が持っているため、米国人の3~4割に比べて多

 

く、人とうち解けるのが苦手な民族性があります。このような素質をベースにしながら、ストレスがかかりやす

 

く、疲労の重なる状況が、不安を回避するシステムを破壊していくことになるのです。」たとえば、人を見たと

 

きに、好き嫌いを決める扁桃体が、嫌いな反応で強くでるといいます。だから、どんなに人が良くて、人間関係

 

が得意なタイプでも、目が正面から合ってしまうと、扁桃体が一種の恐怖反応や拒否反応を起こしてしまうので

 

す。「人の目線を怖がるのは、扁桃体や島(とう)という脳の恐怖反応システムが過剰反応するからなんです。

 

特に小さい頃、殺されかけるようなPTSD(心的外傷後ストレス障害)に近い強烈な体験をしていると、その

 

システムに破綻が起きやすいんです。不安を感じて、意欲がわかない。疲労がなかなか抜けないのも、脳のメカ

 

ニズムを支える上で脆弱さがあって、それを覆うような体験が多少不足しているのです。」さらに、システム破

 

綻を発見させるのが、ストレスなどの環境因子です。30代から40代にかけては、中間管理職になる時期で

 

す。上からのプレッシャーと、下からの悲鳴に挟まれます。すると、脳の中で、知的活動をつかさどる前頭葉の

 

外側に負荷がかかって、内側から下にかけてのシステムも負荷を受けやすくなるのです。



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