ひきこもりの家族支援を考える
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ひきこもりの家族支援を考える

2020年10月26日(月)5:36 PM

 

 

 

 

ここでは引きこもり本人以上に焦り、不安感情をもちやすい家族の支援の在り方について一緒に考えてみましょう。

 

 

近年全国各地に引きこもりの家族会ができるようになり、親たちも引きこもり本人と同様に社会的に孤立せずに同じ仲間とつながり、引きこもりの我が子とどのように向き合っていけばいいのか、という学習と対応方法の模索が続いています。

 

 

引きこもりという現象が短期間で終わるものもあれば、近年に見るように長期にわたるケースもある以上、そこに向き合う家族が心身ともにすり減らし、疲労してしまうことがあってはならないといえます。まずは引きこもりの家族によく見られる切羽詰まった感を持つ、余裕のない家族関係の状態からの解き放ちが求められます。

 

 

家族自身が自分の健康面を考慮しつつ、引きこもりの人への対応を考えていくことが求められます。そのために親たちが抱え込む焦りや不安感情や悩みを打ち明けることができる支援者との関係性や家族会の役割はとても重要となるでしょう。

 

 

とりわけ、家族の悩みの一つとして、「どこに相談すればいいのか」という課題があります。とりあえず身近な医療機関を訪ねていっても、引きこもりの本人が来なければきちんとした対応は出来ないとあっさりと断られたり、医療機関の窓口は今や大変な混雑で初診にたどり着くまでには数週間待たされることも少なくありません。

 

 

また、引きこもりに対する理解がまだまだ進んでいない今日に至っては、自分の家庭にそうした引きこもりの人がいることを他人に知られる恐れを抱き、家庭内に隠蔽してしまうこともあります。そのため、引きこもりの初回相談に繋がる時間が遅れることも多々あります。

 

 

実際、家族が地域に相談機関があることはわかっていても、「躊躇する気持ちがあり、自分から探し求める気持ちが湧いてこないと出向くことはできなかった」とする意識は本音ではないでしょうか。

 

 

引きこもりの人やその家族がこうした世間に知られる抵抗感や恥意識はよく聞かれるところです。私は、引きこもりの対応においてその潜在化されたニーズを発見対応できないことが引きこもりの長期・高年齢化を促進させてしまっていて、その要因に「意識の壁」「情報の壁」「制度サービスの壁」があると考えています。

 

 

「意識の壁」とは、引きこもりの人や家族がもつ世間に知られることに対する抵抗感と世間からの無理解による偏見や差別を指します。

 

 

「情報の壁」とは、適切な情報が必要とされるひきこもりの人と家族に届いていないことを意味し、最後の「制度サービスの壁」とは、申請主義、待ち姿勢、縦割り行政などに見られるどこか冷たい制度サービス体系のことです。

 

 

これらの事は、硬直化した家庭環境への効果的なアウト・リーチ支援の働きかけや制度間の谷間を埋めるソーシャル・サポート・ネットワークづくり、引きこもり対応に趣を置くケア・マネジメントを検討していくうえでも重要なことだと思います。

 

 

引きこもりの我が子を持つ家族は、相談先としてはまずは、民間の相談機関よりは公的な支援機関を相談窓口先として足を向けてみることが肝要です。民間の相談機関は例え最良な支援を行っていたとしても、組織運営上どうしても有料相談となることが多いため、つながる支援団体によっては高額な料金を請求されることもありえます。

 

 

これに対して公的機関は無料が原則であり、専門職による守秘義務などの価値倫理に準拠した信頼性のおびた組織運営がなされていることをおさえておく必要があります。現在、全国には「ひきこもり地域支援センター」(未設置地域であれば「精神保健福祉センター」がある)が厚生労働省の施策として政令指定都市並びに都道府県に設置されていますので、引きこもりに特化したワンストップ型の総合相談窓口を利用してみましょう。

 

 

ひきこもり地域支援センターには、引きこもり支援コーディネーターを始め医療保険、福祉などの専門性を持った有資格者プロ・スタッフが配置されているので、そこでの相談を通してしっかりとしたアセスメント(事前評価)のうえ、それぞれの引きこもりの人と家族に必要とされる支援サービスへと繋いでもらうのが良いでしょう。

 

 

また、こうしたひきこもり地域支援センターは、全国各地にある保健所などの関係機関と連携しているので地方圏在住の人にはその相談を通して地域にある支援サービスにつないでもらうことが可能となります。

 

 

ひきこもり地域支援センターは、それぞれの地域にあるフォーマル並びにインフォーマルな社会資源サービスをよく熟知しているので、包括的で総合的な支援が可能です。今日の引きこもり支援は、ライフステージに沿った支援が求められます。

 

 

引きこもる人の現状(例えば、年齢、引きこもり歴、引きこもりのきっかけ、その後の対処歴、現在の生活、社会との関わり)はさまざまなので、相談支援、訪問支援、医療的支援、居場所支援、デイケア支援、就労準備支援、就労中の支援、その他の社会生活支援など多様な支援が用意されなければなりません。

 

 

引きこもり支援は、相談支援から社会生活支援まで実に広範囲な支援を必要とするため、一つの団体機関のみで支援を抱え込むことは危険を伴います。決して自己完結的な支援にならないように注意していく必要があるでしょう。

 

 

また、こうした支援の多様化の拡大は一方で、どこの支援も利用できない、また結びつくことができない引きこもりの人を追い込む方向性であってはなりません。

 

 

その意味で、在宅、つまり家庭というセクターも、一つの社会的な居場所であり、家庭の脆弱性を考慮しつつも重要な社会資源であるとみて支援していく必要があるでしょう。

 

 

 



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