ひきこもりにも薬物療法が効果的な場合がある
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ひきこもりにも薬物療法が効果的な場合がある

2020年10月11日(日)6:57 AM

 

 

 

ひきこもりの人に薬物療法が効くという認識は、一般にはあまり広がっていないようですが、結果的に一錠の薬がひきこもりという症状を、劇的に改善することがあるということも忘れてはならないと思います。

 

 

薬物療法は、あらゆる精神疾患症状を治療していく上で、大変有効なものであるということをまず認識することが大切です。人によっては、薬を飲むことに否定的な考えを持っている人もいますし、「薬を飲むことで不安感や無気力が改善されるなどということは考えられない」と、不信感を抱いている人もいますが、これらの認識は誤ったものであることを知っていただきたいのです。

 

 

もちろん薬物投与だけで、すべてのひきこもりが治るとは言えませんが、本人を苦しめていた各種の精神症状が改善していけば、治療者と本人の関係、家族と本人の関係は良好なものとなり、その他の治療法を導入していくことが容易になることが考えられます。

 

 

ひきこもりの治療は、薬物療法や心理療法を組み合わせることで最大の成果を上げることができるのです。これまで私たちは、医者に処方された薬を何の疑いもなく服用する事が普通でしたが、最近はインフォームドコンセントの概念の普及とともに、私たちの身体に取り込まれる薬がどんなものなのかを知ることは、当然の権利であるという考え方が一般化してきています。

 

 

ここで、精神科治療で使われる薬についての基本的な説明をしておきましょう。実際に精神科で処方してもらう場合には、自分が投与される薬はどんな効能があるのか、副作用はどのようなものか、どのくらいで効果が現れるのかといったことを医師と話し合うことが大切です。

 

 

中枢神経系に作用し、精神機能や行動に変化をもたらす薬を「向精神薬」と言います。向精神薬は、その精神症状に対する効果によって「抗内因性精神疾患薬」「抗不安薬」(別名精神安定剤、睡眠薬を含む)、「抗うつ薬」「気分安定薬」「精神刺激薬」の五つに分けることができます。

 

 

この中で臨床場面でもっとも頻繁に使われるのが、抗不安薬と抗うつ薬で、この二つについてその効果などを詳しく見ていきましょう。

 

 

 

抗不安薬

 

 

 

緩和精神安定剤(マイナー・トランキライザー)といわれ、神経症や心身症などに多く見られる、不安や緊張を緩和させる働きがあります。抗不安薬のうち、臨床場面でもっとも広く使われているのは、ベンゾジアゼピン系という薬剤です。ベンゾジアゼピン系の薬剤は、大脳辺緑系に作用して、脳内の神経伝達物質であるノルアドレナリンに抑制的に働き、また同じ伝達物質であるセロトニンにも作用して、不安や緊張を引き起こしている神経系を鎮めるようです。

 

 

そのため、今まで不安感のためになかなか寝付けなかったのがよく眠れるようになったり、辛い気持ちや緊張感を克服し、落ち着いて物事に専念できるようになるでしょう。

 

 

副作用としては、眠気、めまい、倦怠感といったものがしばしば見られ、食欲不振、吐き気、頭痛、口渇、便秘なども見られることがあります。

 

 

 

抗うつ薬

 

 

 

気分高揚作用や抑制的な行動の正常化、不安感・焦燥感の除去といった作用により、うつ病や非内因性精神疾患の抑うつ症状を改善する働きがあります。

 

 

抗うつ薬としては、オーソドックスなものに三環系・四環系抗うつ薬があります。うつ状態においては、脳内におけるセロトニンやドーパミン、ノルアドレナリンといった神経細胞から神経細胞へと情報を伝える物質の流れが滞っているのですが、これらの抗うつ薬によってその流れをスムーズにすることで症状を改善していきます(厳密に言うとこのメカニズムの説明は不適切ですが、ここでは便宜上このような説明の仕方をしています)。

 

 

三環形系の抗うつ薬は効果が高いですが、口渇、便秘、めまい、また心臓への影響などといった副作用が多く見られ、また効果が現れるまでに一、二週間かかることから、即効性や副作用を軽減する薬として四環系抗うつ薬が開発されました。

 

 

しかし、日本でも認可された抗うつ薬に、SSRIやSNRIといったものがあり、従来の三環系や四環系の抗うつ薬にとってかわるほど人気になっているようです。

 

 

SSRIは、選択的セロトニン再取り込み阻害薬、SNRIはセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬と呼ばれているように、セロトニンやノルアドレナリンだけに選択的に作用します。人気の理由は副作用が少ないため、軽度のうつ状態や抑うつ気分といった、従来ならば精神科にかかるほどのものでもないケースであっても気軽に服用でき、また躁うつ病やうつ病などの重症なものでも軽快することが可能なためです。

 

 

効果が現れるには 二、三週間ほどかかるようです。これらの薬はかなり多く一般的に処方され効果を上げていて、不安感や無気力が改善され、何かを始めようという起爆剤の役割を果たしているようです。

 

 

近頃世間で多く見受けられる「軽度抑うつ型」「無気力型」といった特に目立った症状を持たないひきこもりの一群に対しても、これらの抗うつ薬は効果的のようです。



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