不登校~不安の質の変化~
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不登校~不安の質の変化~

2020年09月29日(火)4:15 AM

 

 

 

1992年に文部科学省は、「不登校はどの子にも起こり得る」とし、不登校への対応の方法を、従来の「登校刺激型対応」から、「子供の気持ちを充分に受け止める受容的対応」へ変化させました。

 

 

これにより不登校に対しての基本的な認識が大きく変わり、不登校の児童生徒にとって大きな悩みとしての進級や卒業問題は大幅に軽減されました。

 

 

そこで、登校刺激型対応から受容的対応への変化を軸に、対象の150人を「登校刺激期(中学校在籍が1989年以降)」「登校刺激と受容の過渡期(1990年から1994年)」「受容期(1995年以降)」に世代を三分類して、各集団の心の不安要因を主成分分析によって分析しました。

 

 

この調査によると、対人不安が強く人間関係で傷つき、ひきこもりの不登校になっていることが各世代で共通していることがわかりました。89年以前は、不登校になる子供の数が少なく、当時の文部省では、不登校は特別な児童生徒や家庭に起こるとしていました。

 

 

そして、不登校になると学校によっては、出席日数の不足を理由に進級や卒業ができずに原級留め置きの処分を受け、二度目の中学三年時に義務教育の就学年齢の15歳をすぎてしまうと除籍になるというケースもかなりありました。

 

 

ですから当時は、子供の将来を考える熱心な親や教師であればあるほど、登校刺激型の対応をしていました。多くの子供たちは、「学校に行けない自分はダメなやつ」と思い込み、自罰傾向が強くなり、学校社会から取り除かれるという恐怖感も強かったことがわかります。

 

 

そのために、状態像が悪化して長期にわたってひきこもりになる人も多かったことも理解できます。90年から94年に中学生時代を過ごした過渡期の人は、学年主任や生徒指導担当は登校刺激型対応をしましたが、養護教諭や担任・スクールカウンセラーは受容的な対応をして、家庭でも父親は登校刺激的で、母親は受容的な対応をそれぞれしていた時期です。

 

 

この時期を過ごした子供たちに、もっともひきこもりが短く、学校や社会に復帰した人が多いのです。心理検査でも、自罰・恐怖、それぞれの傾向が落ち着いています。

 

 

しかし、95年以降になると、「もう少し様子を見ましょう」「心にエネルギーが貯まるまで待ってあげましょう」という対応の仕方が一般的になり、そのためかどうかはわかりませんが、不登校が長期化して昼夜逆転生活、不規則な食生活、運動不足などからくる生活リズムの乱れによって、身体的徴候が生じ、「私は別に何も悪くない」「私だけ特別なことではない。私と同じような生活をしている子供もいる」という気持ちが強くなり、他罰的になったり、無気力になってなんとなくイライラする衝動傾向が目立ってきます。

 

 

そして再び、学校や社会適応率が悪くなってきます。また、不登校になる子供たちも増加していきました。このように対応の仕方や理解によって、不登校の子供の不安の質に大きな変化が現れることが分かってきました。

 

 

子供の気持ちをしっかりと受け止める受容は大切なことです。そのためには、子供の気持ちが落ち着くまで、何度でも話を聞きましょう。そして、お互いの信頼感を高めていくことは何よりも大切です。

 

 

親子の信頼感が不安や緊張感を取り除くための最大の力になります。親子の相互交流という信頼関係のなかで、子供の心は成長していきます。最近よく見られる、親が遠くから見守るだけの対応では、子供の心は成長できません。

 

 

子供の心は、安定し、成長し始めると、親と子の一対一の関係では満足できなくなり、他の人を求め始めます。例えばカウンセリングの場では、カウンセラーを基盤にその周りの人との人間関係を始めます。

 

 

家庭では、母親だけではなく、父親や家族とも自由に会話を楽しむようになります。そのようななかで、少しずつ、物事を客観的に捉える力がつき、学校や社会に向かって動き始めようとします。

 

 

そんな時、どうしても一歩踏み出す勇気がもてない子供に、精神的な手助けとしての登校刺激が必要になります。「支えてあげるから、少し勇気を出してね!」と柔らかな、包み込むような登校刺激をしてみましょう。

 

 

子供は愛する人に支えられて、ひとりでに動き始めるかもしれません。

 

 

 

子供が不登校のきっかけを話したがらない場合は?

 

 

 

子供の気持ち

 

 

「どうせ、親になんか話したって、そんなつまらないことをいつまで気にしているの?そんな暇があるんだったら、単語の一つでも覚えなさい。もうすぐ試験が始まるんでしょと言われるだけです。だから、言うだけ無駄!」

 

 

「話を聞いてはくれるんだけど、その後で、そんなことでなぜ遅刻するのとか言います。学校に行きたくても、行けない気持ちをわかってくれない」

 

 

「学校も疲れるけど、本当は家にいても、お父さんとお母さんのことで気を遣って疲れるのに、そんなこと言えないです。家が心の居場所にならなくて休めません」

 

 

「友達関係は、親に全てを話したら、いちいちいろいろなことを言ってくるし、友達がいなくなっちゃうよ。あんたの親うるさいのね。めんどくさいの嫌いだからという理由で」

 

 

「自分でも、何が何だかよくわかりません。何を話せばいいの?」

 

 

「僕にもプライドはあります。自分の問題は自分で解決しないといけないと思う。親や他人に話しても何にもならない」

 

 

「親や先生に話しても、チクったと言われ、いじめがエスカレートするだけだから何も話しません」

 

 

 

親が不登校の子供にやってよいこと

 

 

 

「心配していること」を自然な態度で表したり伝えたりする

 

 

子供の体に対する気遣いをしてあげる

 

 

親で力になれることがあるなら、いつでもなれるよということを伝える

 

 

もし、何かあって話をしてくれた時でも、「解決のために」と親が勝手に考え、独自には動かないよということを伝える

 

 

「子供の気持ちを第一に考え、気持ちに寄り添って動くよ」ということを伝える

 

 

親は子供が望む情報を集めて提供する

 

 

親に対する信頼感が持て、自然に気持ちや事柄が話せるような雰囲気を作る

 

 

 

やってはいけないこと

 

 

 

子供が話したがらないのに根掘り葉掘り聞く

 

 

話さないことを責めて、追い詰める

 

 

親の推測で考え、「解決のために」という大義名分で他者に働きかけを行う

 

 

「だらしない子」「怠け者」「情けない子」のようなレッテルを親の決めつけではる

 

 

暴力による聞き出し、暴力や脅しによる登校刺激

 

 

金品を与えて話を聞き出す。また、「頑張れば」好きなものを買ってあげるよと言う



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