不登校・ひきこもり・ニートと退行現象
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不登校・ひきこもり・ニートと退行現象

2020年09月28日(月)3:38 AM

 

 

 

退行現象とは

 

 

 

退行現象とは幼児戻りであり、子供たちが不安になったりした時に母親に対してとる、甘え行動の一種です。具体的な現象としては、母親の布団に潜り込む、両親の布団の真ん中に、自分の部屋から布団を持ってきて三本川で寝る、夜中に母親を起こして自分の小さい頃の話を延々と語らせる、疲れ果てて横になっている母親の上に被いかむり、母親を身動きできなくして「自分を本当に愛しているか」と問いただす、などが見られます。

 

 

これらの現象は、子供たちの気持ちが安定してくると自然と見られなくなっていきます。

 

 

 

退行現象の起こる理由

 

 

 

それでは、なぜ退行現象が起こるのでしょうか。まだ、解明されていないことも多いのですが、私は不登校問題解決の重要な一つの鍵として「退行現象」があると考えています。

 

 

不登校の子供たちとカウンセリングをしていて、よく耳にするのは、「学校に行っていた時は精神的に疲れた。いつも、友達の気持ちや感覚に無意識に合わせていた。自分の感覚とクラスメイトの感覚にはズレがあった」などの言葉です。

 

 

例えば、「体育祭のクラス対抗リレーで、みんなが盛り上がっている時に自分だけ冷めていた」「力の弱い先生が授業をしている時に、一部の人が授業妨害をしてクラスの中が騒がしい時、みんなは面白がっていたが自分には耐えられなかった」「学校の制服の決まりについて、いつも特に意識せずに普通にしていたら、糞真面目、先生の点数稼ぎと言われた」など、様々なことに関する感覚の違いをあげます。

 

 

制服の事などは、「君はおかしくない。皆がおかしいのだよ」と言っても、「決まりを破っている人がほとんどで理解されない」と言います。「自分の感覚で通せば良い」と言うと、「そうもいかないのです。みんなと少しでも違うと、それを探し出されてからかいがはじまり、いじめへとエスカレートしていくのです。それが怖いから無意識に皆に合わせます。でも、本当の自分の気持ちではないから、ストレスが溜まります。自分の気持ちを抑えていると、そのうち何が本当の自分の気持ちなのかわからなくなってしまいます」と言います。

 

 

子供たちは、自分の感情や感覚の違いはどこから来るのか、同世代の群れから外れた時に考えます。考えても答えが出ない、その時に本能的に「感情」や「感覚」の確認として、母親に対して「退行現象」を起こすのです。

 

 

人間は生まれた時には、快と不快の感情は分化していますが、その他の感情は未分化です。一次成長(0~6歳)の時に、母親との情緒的交流を通して、母親の感情を投影、同一視して、赤ちゃんの感情は分化していき、情緒が育っていきます。

 

 

しかし、この時期の母親が、どんな時でも感情や気分が一定であるということはありえません。嫁姑問題、夫婦関係、仕事のストレス、経済問題など、いやおうなしに様々な問題を引き受けています。

 

 

ですから、完璧な子育てはありえず、どんな子供も負の感情として感情の未分化をもって成長していきます。その中でも不登校の子供たちは、感情が細分化しすぎているか、未分化が大きいかのどちらかです。

 

 

二次成長のとき、精神的に何らかの挫折感を受けると安定できるところに戻ろうとします。発達課題のやり直しとして、一次成長のやり直しを試みる、これが退行現象の起こる理由です。

 

 

 

退行現象の意味

 

 

 

こうした退行現象にはどのような意味があるのでしょうか。子供たちは退行を起こすことで、母親との情緒的な交流ができ、母親の愛情の確認をします。

 

 

それによって感情が分化し、幅や許容量が広がり、安定していくのではないでしょうか。退行は、情緒の刷り込み、感情の分化、感覚の確認作業であるとともに、不安除去の意味もあります。

 

 

 

退行現象を起こしている時の子供への対応

 

 

 

子供が退行を起こしている時は、母親の気持ちを見抜くことができるので、表面的・形式的な対応では解決になりません。子供が退行現象を起こした時に、母親自身がこれを「子育ての失敗」と考え、落ち込んだり混乱したりしてしまうことがありますが、これは良くないことです。

 

 

母親が上手に対応することができず、子供と一緒に落ち込んでしまうと、子供の心は回復しません。相談員やカウンセラーのなかには、「子育て失敗論や親の責任だけを責める単一原因論」で母親を追い詰め、母親の鬱を引き起こし、子供の不登校長期化の二次的要因の主犯になる人もいます。

 

 

このような場合でも、相談員やカウンセラーに惑わされず、子供の良き対応者となることを一番に考えていただきたいと思います。また、「退行」を通して成長していくと聞いた母親が、中学生の子供に対して3歳児のように接して殴られた例があります。

 

 

これは、退行を母親が勘違いしていたために起こった出来事です。子供の心は3歳児の時もあれば、15歳の時もあります。外側からは母親でもわかりません。

 

 

この時期の子供に対しては、子供が求めたことに応じるということが大切です。

 

 

 

退行を終えて

 

 

 

退行して母親の愛情を確認し、情緒の安定が獲得できた子供のほとんどは、再び不登校になることなく学校に適応していきます。父子家庭であっても、父親との信頼関係が成立した後に、父親の中にある母性に対して退行していきます。

 

 

子供が自然に父性と母性を使い分けるのです。これに対して、親子の間で過度な緊張関係があったり、「登校刺激」が続いたりして子供の心が休まらないと、退行現象は起こりません。

 

 

そうなると、子供は学校でも家でも居場所がなく休まるところがないため、退行現象どころか、自律神経失調症によるさまざまな身体症状で苦しむということもあります。

 

 

混乱期の一つ目の段階としての、「退行」を通しての母親の愛情の確認、これを子供が乗り越えられる環境を用意しておく事が必要です。



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