ひきこもりの事例~23歳男性の不安神経症のケース~
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ひきこもりの事例~23歳男性の不安神経症のケース~

2020年09月23日(水)10:56 PM

 

 

ひきこもりの事例~23歳男性の不安神経症のケース~

 

 

 

A君は、小さい頃から健康で、学校にも無遅刻、無欠席というほどの模範的な生徒でした。性格的にもそれほど神経質なところはなく、神経症とは無縁と思えるタイプの男性です。

 

 

当時高校3年生であったA君は、もともと勉強がそれほど好きでもなかったので、高校卒業とともに就職しようと考えていました。1月になって高校生活も終わりに近づき、そろそろ就職先をどこにしようかと迷っていたときの事です。

 

 

いつものように学校へ向かう電車の中で、人混みが急にとても息苦しく感じられました。「なぜ、僕は毎日こんな満員電車に乗らなければならないんだろう」急にすべてが虚しく感じられ、漠然とした不安感に襲われました。

 

 

しばらくすると、そんな胸騒ぎは消えていったそうですが、電車が自分の通う学校のある駅に近づいたとき、今度は突然胸が締めつけられるように苦しくなり、意識が遠のいていきました。

 

 

立っていることができず、人混みの中で思わずうずくまってしまい、「このまま自分は死んでしまうのではないだろうか」と本気で感じました。電車が次の駅に止まるやいなや、A君は駅員に肩をかつがれ、駅の医務室に連れて行かれました。

 

 

しばらく横になっていると気分も良くなったのですが、大事をとってその日はそのまま家に引き返しました。その日、自宅に帰ってからも数時間おきに突然強い不安に襲われることが続きました。

 

 

翌日病院へ行き、心電図などを調べてもらいましたが、何の異常も認められませんでした。医師からは、「おそらく精神的なストレスのせいではないか」と告げられたといいます。

 

 

しかし、それについての具体的な説明やアドバイスはもらえず、またもらった薬も二、三日服用してみたのですが、まったく効果が実感できなかったために、すぐにやめてしまいました。

 

 

それから、A君は電車に乗って学校へ行くことができなくなってしまいました。電車で起こった激しい発作の記憶が、鮮明に脳裏に焼き付いていて、「また、あの時のような激しい発作が起こったら、今度こそ死んでしまうのではないか」という恐怖心から電車に乗ることができなくなってしまったのです。

 

 

また、漠然とした不安感が消えないために、外出することも避けるようになりました。結局A君は、1年ほどまったく外出することができず、自宅でひきこもり生活を送っていました。

 

 

日にちが経つにつれて、あの時の記憶は薄れていったそうですが、それでも漠然とした不安感は不規則に襲ってくるため、アルバイトや定職に就くこともできず、今もごく親しい二、三人の友人とだけたまに会うという生活を続けています。

 

 

不安神経症とは、理由もなく突然大きな不安に襲われ、それに伴う身体症状が現れるタイプと、漠然と何か悪いことが起こるのではと、慢性的に不安を感じるタイプの2種類があります。

 

 

DSMーIV(アメリカ精神医学会の作成した診断基準)では、この不安神経症は不安障害の項目の中で扱われていて、不安発作の起きるタイプはパニック障害、慢性の不安状態は全般性不安障害とされています。

 

 

パニック障害は、不安感という精神症状とともに、不安発作(または、パニック発作)と呼ばれる動悸、めまい、耳鳴り、吐き気、発汗、頭痛、腹痛、便意、胸部の圧迫感、呼吸困難などの身体的症状もともないます。

 

 

そのため、時には「このまま死んでしまうのではないだろうか」という激しい恐怖のために、救急車で運ばれる人もいるほどです。それにもかかわらず、このような不安発作にかかわる身体的な異常は、何も起きていません。

 

 

そして、A君のように、「また不安発作に襲われるのではないか」という予期不安に常にさらされているために、電車に乗ることができない、人混みに入れない、外出できない、授業や試験が受けられない、映画館や美容院など閉鎖的な建物に入れないなどの恐怖症に陥ることもよくあります。

 

 

不安発作が起きていない時でも、たいていの場合、慢性の不安状態にあるケースが多いようです。「夜寝る時にまぶたを閉じたら、このまま永遠に目を覚まさないのではないか」「誰か他の人と一緒にいないと不安で、恐怖を感じてしまう」「会社や学校、将来の自分の事を考えると不安で仕方がない」といった感じで、そのために外出が困難になり、ひきこもりになってしまうことがあります。



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