ひきこもりのスペクトラム
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ひきこもりのスペクトラム

2020年09月14日(月)5:10 AM

 

 

 

ひきこもりの人たちのコミュニケーションスキルのレベルには、それぞれ程度の差があり、それによって、ひきこもりの程度にもかなり開きが出てきます。

 

 

ひきこもりには広いスペクトラム(範囲)があり、比較的短期間で、自力で社会復帰できる軽度のものから、病的で第三者のサポートなくしてはけっして社会に復帰することができない重度のものまで実にさまざまです。

 

 

ここでは、彼らの社会との関わり具合という観点から、ひきこもりを「軽度ひきこもり」「中度ひきこもり」「重度ひきこもり」の三つに分類してみました。

 

 

 

「軽度ひきこもり」

 

 

 

ひきこもりと言われる人たちの場合にも、実はよく外に出かけているケースが少なくありません。会社や学校などの社会的活動にはまったく参加していなくても、自分の気の向くものに対しては熱中できたり、親しい友人とだけは会って話をすることができる人たちがいます。

 

 

また、図書館やコンサートに行くなど、文化的活動なら楽しむことができる人たちもいます。中には半年だけ働いて、あとの半年はぶらぶらしているというライフスタイルの人も見られます。

 

 

彼らはコミュニケーションスキルが十分でないかもしれませんし、自らの意思でそのようなライフスタイルを選択しているのかもしれません。また、ちょっとした人生におけるつまずきのために、その傷を癒す時間が少しだけ必要なために、一時的に社会から撤退している可能性もあります。

 

 

これらすべてのケースをひきこもりと呼べるかどうかは、議論の分かれるところでしょうが、いわゆる健常者とひきこもり状態にある人たちの間には、中間型のボーダーライン層がかなり存在しているということなのです。

 

 

 

「中度ひきこもり」

 

 

 

自宅からほとんど外には出ませんが、家族との会話はあるというレベルが、「中度ひきこもり」です。私たちが一般的にひきこもりと呼ぶようなケースは、「中度ひきこもり」からになるのではないでしょうか。

 

 

彼らの生活空間は自宅ということになるため、「家庭内ひきこもり」といえそうです。彼らはたまに、近所の美容院やコンビニエンスストアなど、その時の自分にとって行く必要のある場所にはしぶしぶ出かけていくことはありますが、概して人とのコミュニケーションが苦手で、自意識が過剰なために人の視線が気になるので、外に出かけることに苦痛を感じています。

 

 

会社や学校などの社会的活動とはまったく接点がなく、学生の場合であれば、通学時に友人から呼び出されても、一歩も外に出ようとはしません。友人との交際からも極力撤退しようとします。

 

 

多くの場合、生活スタイルが昼夜逆転しており、日中は喧騒や煩わしさを避けるように眠り、人々が寝静まる夜になってから起きだし、自分の好きなことを始めているようです。

 

 

 

「重度ひきこもり」

 

 

 

「重度ひきこもり」とは、外出をまったくしないどころか、自宅でも自分の部屋に閉居してしまっている状態のことです。生活のほとんどは自分の部屋の中だけで完結していて、読書やテレビ、ゲームやインターネットなどにふけったり、さらに重症な場合は、一日中寝ているようなこともあります。

 

 

彼らの生活空間は、ほとんどの時間において自分の部屋だけなので、「自室内ひきこもり」と言えるでしょう。彼らは家族とも話をしようとしなかったり、または特定の家族(多くは母親)とだけしか話をしないような状態にあります。

 

 

多くの場合、食事も自室まで運んでもらったり、たまにしか入浴しなくなったりと、身だしなみにも気をつかわなくなってしまいます。また、部屋の入り口に鍵をかけたり、窓に目張りを貼るといった奇異な行動も見受けられます。

 

 

このような「重度ひきこもり」の大半は、内因性精神疾患を発症していることが原因であると考えられます。要するに、昨今世間で騒がれているようなひきこもりとは一線を画すタイプです。

 

 

ひきこもりの内訳を見ると、「重度ひきこもり」はやや少なく、軽度と中度が同数くらいになるようです。さて、このようにひきこもりのスペクトラムを描いてみると、ひきこもりでない健常者の状態から、かなり病的で重症なひきこもり状態にあるレベルまで連続性があるということがわかります。

 

 

私たちはつい表面的に、ひきこもりと非ひきこもりに分類してしまいますが、問題の根本はそのようにはっきりと分けることはできないということです。

 

 

ここで注意しなければならないのは、ひきこもりのスペクトラムの、最も健常者から遠い位置にいるひきこもりが、必ずしも内因性精神疾患によるひきこもりとは限らないということです。

 

 

逆に、軽度の内因性精神疾患によるひきこもりであれば、「軽度ひきこもり」の状態を呈する場合もあります。また、「軽度ひきこもり」から「重度ひきこもり」へとスペクトラムを辿っていくにしたがって、コミュニケーション不全や現実逃避の傾向が増していき、なかなか自力では社会復帰することは難しく、その家族や第三者などの助けが是非とも必要になってくると言えます。



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