期待されるひきこもり当事者会の活動
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期待されるひきこもり当事者会の活動

2020年09月03日(木)2:52 PM

 

 

 

ひきこもりの当事者会には、初めからこちらが期待する人数のひきこもりの人たちがやってくるとは限りません。参加者がたとえ0人であっても集まりをもつ意味はあります。そこには、当事者会に行ってみようと思っていても、さまざまな諸事情で来ることができないひきこもりの人たちが周りにはたくさんいることを意識しなければならないからです。

 

 

毎月行われる例会には、ひきこもりから外出できるようになり、これからの生き方を模索して行ってくる若者、外出はできますが、自分に何ができるのかわからないで立ちすくむ若者、働き始めたがまだまだ不安があって話を聞いてほしい若者などがやってきます。

 

 

また、ひきこもっている我が子とどう向き合っていけばいいのかわからず、それを知りたくて参加する家族、そして、ひきこもりに関心を寄せる一般の人などさまざまな人たちが参加します。

 

 

当事者会では、それぞれが語る内容をけっして評価することはしません。支援者もその場では対等な一人の人間であり、その時代を生きるパートナーです。

 

 

参加者がそれぞれなかなか言い出せない内なる思いを言語化していくことを大切にし、そこで話される内容を参加者で共有しながら苦労を共にして一緒に考えていくスタンスを重視して進めていきます。

 

 

当事者会は同じ悩みを持つ仲間同士として共感しやすい一方で、当事者同士で固着してしまう一面もあります。個人的な愚痴の言い合いから、当事者会に参加すると辛い話ばかりで心が押しつぶされてしまいそうになるという若者もいます。

 

 

小難しい話題に傾倒するのではなく、参加者が安心して心が開かれる話題にすることも大切です。また、ひきこもり当事者と一言で言ってもその歩んできた道のりはそれぞれ異なっていますし、その考え方や価値観、趣味嗜好も違います。

 

 

それぞれの立場を尊重しつつも、ある特定の参加者の意見に偏らないように、参加者がみんな発言できる配慮は必要であり、支援者が行わなければならない課題でもあります。

 

 

さらに、常設された当事者会は別にしても、たいはんの当事者会は月数回の開催であり、開催場所や曜日、時間帯、男女それぞれが安心して参加できる場の設定のみならず、参加費負担は重要な要素です。

 

 

開催場所等については、自宅から通える範囲の場所が求められます。時間帯も午前中よりは午後から夕方などの設定、曜日も固定せずに柔軟に行うことや、男性が多いひきこもり事情から女性が参加しづらくならない配慮、金銭を気にせずに参加できる参加費用は完全無料とする条件は不可欠です。

 

 

また、行き場がなく長期にわたって当事者会に参加している若者には、次のステップに進めるような変化に富む運営方法や、新しい働き方を想像できる居場所を作り出す働きかけを心がけることも今後の課題です。

 

 

 

ひきこもりの経験を活かす取り組み

 

 

 

ひきこもりの人が失ってきた経験を積み重ね、自信を取り戻すための居場所づくりが必要であることは述べてきた通りです。それぞれのひきこもりの人が自信を取り戻すには、無理なく楽しみながら達成感を得る経験を積むことが可能な居場所活動が大切です。

 

 

その社会参加する入り口場面の居場所を通して、多くのひきこもりの人は、自らの経験を活かす取り組みに着手してきたと言えます。それは、自分の経験談であったり、当事者会の手伝いであったり、私たちの団体で言えば、さまざまな社会貢献活動であったりするのです。

 

 

あるひきこもりの経験者によれば、「ひきこもりの中年男子のほとんどは、裸一貫でひきこもってきた叩き上げです。資産と言うとお金の事ばかり目が行きますが、ひきこもりの場合、資産といえばひきこもり経験のことです。ひきこもり年金の積立くらいの気持ちで、ひきこもり経験を若いうちから語ってほしいと思います。コミュニケーション能力だとか、自分に自信をもつこと、成功体験とかそんなものは要りません。自分が大切に思っていることを話すことだけが、ひきこもりに必要なことです」と述べ、「ひきこもり資産活用」の大切さを語っています。

 

 

私たちの団体で、会報出版事業に見るようなかたちあるものを作り出すことにこだわりをもってやってきたのも、ひきこもり経験という資産を活かす意味において、また達成感を共に味わうことができる意味において重要であると思ってきたからです。

 

 

私は「対話や行動面などに多少なりとも不器用さなどがあったとしても、多くのひきこもりの人は感性豊かで多彩な能力をもった将来の地域を支えていく街の宝です。こうしたひきこもりの人一人ひとりを活かすことができないまま見て見ぬふりをしてこのまま放置してしまうことは、社会の大きな損失と言えます。彼らに活躍できる場面を作り出すことは支援者の役目でもある」と考えています。

 

 

そうした彼らの活躍できる機会や場面を地域にどのように作り出していくかが、これからのひきこもり支援にとって大切となっていくでしょう。

 

 

すでに人口約3900人の秋田県北部にある藤里町では、地元の社会福祉協議会が中心となって、職員を増員し、ひきこもりの人へのアウトリーチ支援や働く場を創設し、地域のひきこもりの人を活かしたユニークな町おこしを展開しています。

 

 

特に若者離れと過疎に悩む地方都市は、ひきこもりの人が唯一町に残る将来の担い手となりうる貴重な若者として見ていく視点は、これからますます大切になるでしょう。

 

 

 



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団体概要
団体名
関東自立就労支援センター
理事長:
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理事:
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住所
東京都東久留米市浅間町1-12-9
TEL
042-424-7855
メール
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活動内容
・若年者の就労支援、
 学習 支援、生活訓練
・共同生活寮の運営
・教育相談の実施
・各種資格取得支援