ひきこもりの居場所の確保について
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ひきこもりの居場所の確保について

2020年09月02日(水)2:26 AM

 

 

 

現在、全国各地でひきこもりを経験してきた若者たちが仲間づくりを通して、同じように悩む人たちの力になっていこうとする活動が展開されています。

 

 

そこでは、「いつでも自由に来て帰ってもいい」「言いっぱなし聞きっぱなし」「話したことに評価はしない」というフラットな居場所支援から、そこに集まったひきこもりの人たちが徹底した話し合いと議論を重ねるなかでコミュニティカフェやレストラン、ひきこもり大学構想などさまざまなユニークな新しい働き方による社会的起業展開を進めています。

 

 

私は、こうしたひきこもりの人の徹底した話し合いや議論について「支援的他者に媒介されて、長い間自分を苦しめてきた周囲への同調のための垂直的なコミュニケーションを、同時代を生き抜いてきた若者たちの間の相互理解と承認のための水平的なコミュニケーションへと組み替えていくこと」がひきこもり支援の基本と考えています。

 

 

多様な居場所では、ひきこもり経験者でなければなすことができない感性やアイデア、企画力が発揮されています。私たちが運営する団体もまた同様な方向性の中にあると言えます。

 

 

会員のほとんどが不登校やひきこもり経験者とその家族で構成され、役員もまた全員そうした経験者たちで担い、さまざまなアイディアを出し合い、計画を立てて社会貢献活動を進めています。

 

 

もちろん、その中には私のような経験を活かしつつ、専門教育を学び、蓄積してきたものもいます。私は、「地域で若者が育つために必要な、彼らが何回でも安心して失敗することが保証される居場所は、現時点ではいかなる社会福祉制度にも位置づけられていない」と考えています。

 

 

ゆえに、こうした居場所の創出と運営は、ある特定の個人の資力に委ねられるものではありません。公的部門との物資金協力によって作られていかなければならないと思っています。

 

 

現在、多くの居場所が経営難の状況に置かれ、ひきこもりの支援団体そのものがまだまだ発展途上にある段階では、運営の行き詰まりや支援の困難から活動停止や自然消滅が起こる可能性があります。

 

 

本当の意味での専門性の真価がそこに問われていくものと考えています。また、高齢者領域では、高齢者を65歳から75歳未満までの前期高齢者と、75歳以上からの後期高齢者とに区分しているように、子供についても前期子供と後期子供に分けて考えるべきではないかと思います。

 

 

日本においては、ライフサイクルの根本的な変容への社会的対応が大幅に遅れており、特に後期子供期に対する支援策が大きく欠落し、社会のさまざまな矛盾がそこに集中しており、そこへの社会的支援の強化とその層から声を制度政策に取り組む必要性があると思います。

 

 

これは先の、居場所の社会福祉制度の不備を考えるうえでも重要な内容であると考えています。社会福祉学分野において、児童福祉論はあっても、青年福祉論や成人福祉論は欠落した領域だと言えます。

 

 

特に、成人期問題は、ソーシャルワークにおいても未成熟な領域であり、これまでは企業が福祉をになってきたこともあって、支援策が充分になされてこなかった領域として理解する必要があります。

 

 

今日、起こっているひきこもりの高年齢化は、いわば企業福祉がほころびていくなかで、青年期以降の支援施策の立ち遅れや困難な状況をいち早く発見することができなかったと言えないでしょうか。

 

 

地方自治体によっては、ひきこもりをどこの部署が担うべきかで揺れ動く実態が今日見られます。思春期であれば児童福祉となり、障害になれば保健福祉分野となります。

 

 

ひきこもりそのものには定義上年齢区分がなく、広範囲な支援を必要とされるために、このような現実にさらされるのですが、2009年に法制化された「子ども・若者育成支援推進法」は、その対象に不登校やニート・ひきこもり・発達障害などを含めたこれら社会生活を円滑に営むうえで、困難を有する子供・若者たちを包括的に支援する総合法として成立しました。

 

 

ひきこもりがこの法律のなかに明記された意味において、画期的なものであったと言えます。本法律に基づき設置された子ども・若者支援地域協議会では教育、福祉、、保健医療、労働、司法などさまざまな領域の担当者によって構成する支援ネットワークが構築されています。

 

 

しかし一方では残念なことに、その若者の範囲は近年35歳未満から40歳未満までに拡大されてきたものの対象年齢に上限が定められています。中高年に達したひきこもりの人が、支援の対象からどうしても二の次にさらされやすいのです。

 

 

2006年から設置されてきた「地域若者サポートステーション」も、「一定期間無業の状態にある15歳から40歳未満の若者」とされ、特例以外は高校中退者や20代などの若者支援に傾倒したプログラム支援を行っていることからも理解されるところです。

 

 

これまでの若年層をターゲットにしたひきこもり予防支援策だけではなく、現実的に起こっている中高年のひきこもりの人にもしっかりと目を向けた成人期支援策がまさに問われていると言えるのではないでしょうか。



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団体概要
団体名
関東自立就労支援センター
理事長:
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理事:
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理事:
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住所
東京都東久留米市浅間町1-12-9
TEL
042-424-7855
メール
ki6jt7@bma.biglobe.ne.jp
活動内容
・若年者の就労支援、
 学習 支援、生活訓練
・共同生活寮の運営
・教育相談の実施
・各種資格取得支援