現代のひきこもりの抱える課題
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現代のひきこもりの抱える課題

2020年08月27日(木)3:44 PM

 

 

 

すでにひきこもりの長期化、高齢化の問題は、さまざまな調査から指摘されてきました。ひきこもりの人が年齢を追うごとに加齢し、全国のひきこもり家族会が設立して以来行ってきた調査によると、2007年度の全国調査で平均年齢が30.12歳となり、統計を取り始めてから30歳を超えるに至っています。

 

 

これらひきこもりの高年齢化の推移はその後も漸増し続け、2012年度の調査では平均年齢は33.1歳となっています。2020年度の現在では、もっと高年齢化が進んでいることは言うまでもありません。

 

 

また、2010年にはすでに内閣府がひきこもりの実態調査を公表し、全国に約69万6000人のひきこもりがいることが推計されています。

 

 

この調査によれば、地域別のひきこもり群は「北海道」が5.0%と一番多く、第一次産業を基盤とする北日本地域にひきこもりが多くいることが明らかになりました。

 

 

この調査では30代にひきこもり状態になった割合が23.7%を占め、ひきこもっている期間が7年以上も全体の38.5%と非常に多くなっています。

 

 

まら、東京都の町田市では、町田市新5か年計画の重点事業として「ひきこもり者支援体制推進事業」に取り組みました(2012年度から2016年度まで)。

 

 

本事業では、2012年9月に無作為抽出された市民2000人に対してアンケートが行われました。調査結果によると、回答者または家族がひきこもり状態であるとした市民は5.5%にのぼり、そのうち40歳以上は31%を占め、ひきこもりの人への支援体制の確立が喫緊の課題であることが明確となっています。

 

 

さらに、NEET(ニート)をわが国で明らかにし、2012年には20~59歳の未婚で無職の男女のうち、社会と接点がない孤立無業の実態について調査を進めてきた専門家たちは、2011年時点で孤立無業者は162万人以上に達し、20代に比べ、より35歳以上の中高年層で孤立無業比率が上昇し、年齢別孤立無業比率では50歳~54歳の層が71.6%と一番高くなっていることを明らかにしました。

 

 

2012年にわたしたちのNPO法人が実施した北海道内の12か所で実施した調査では、35歳を超えるひきこもりの人は全体の33%と3割を超えています。

 

 

さらに、人口約3900人の秋田県北部にある藤里町では、ひきこもりの人が人口30人に1人にあたる125人に及び、その半数以上の61人が40代の高年齢のひきこもりであることが明らかになりました。

 

 

18歳~54歳の働き盛りのひきこもりは3次に及ぶ全戸調査で10人に1人にあたる113人に及んでいたほか、山形県が民生委員児童委員・主任児童委員を対象に行った調査(2013年)では、自宅にひきこもる状態の若者が、県内で少なくとも715人に達し、そのうち548人は40歳以上で、ひきこもりが5年以上はその半数に達する調査結果を報じています。

 

 

そのなかには、おそらく生まれ育ったふるさとを離れて都会に就職したものの、競争社会に傷つけられ、再び故郷に戻ってきた若者たちもいるでしょう。

 

 

ひきこもりは都会だけのものではなく、地方にも広がりを見せています。先の内閣府の調査では、ひきこもりの人の約8割が親と同居しているために「家族主義」によって生活は一応確保されていると理解されがちです。

 

 

そのため、ひきこもりが貧困問題としてとらえにくく、人との関係性の課題と見られてきましたが、こうしたひきこもりの長期・高年齢化は、将来的に支える家族の高齢化をもたらしていきます。

 

 

親が亡くなれば、無職のひきこもりの人の生活危機に直面する可能性があります。親亡き後の不安を煽るというよりは、こうした事態に対して万が一に備えるというセーフティネットを整備することは極めて重要です。

 

 

経済的な保障だけではなく、とりわけ親亡き後で課題となる住宅問題を含めた居住福祉の整備は大きな検討事項です。すでに、わたしたちが関わる当事者会では、経済的な理由もあって、シェアハウスを実践している若者たちがいます。

 

 

ひきこもりの人は、親と同居しているケースが多いのですが、その大半は経済的な理由で独立できない諸事情を抱えています。

 

 

なかには兄弟(姉妹)がその面倒を見ていて、兄弟(姉妹)自身の独立や結婚の先延ばしなどさまざまな複雑な課題を抱えてしまっている場合も多いのです。

 

 

その意味で、社会にセーフティネットがあるかないかでは、ひきこもりの人が落ち着いて物事を客観的にとらえ、あるべき自己を見失わずに今後の進路選択を進めるうえで、大切な予防福祉として重要なことだと思います。



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