不登校とひきこもりの関係
ホーム > 不登校とひきこもりの関係

不登校とひきこもりの関係

2020年08月25日(火)12:39 PM

 

 

 

厚生労働省が発表した調査結果では、「ひきこもりの四分の一が不登校経験者である」と報告しています。これによって、かねてからいわれていた不登校とひきこもりとの関係性が明確になったといえます。

 

 

つまり、大人のひきこもりの中には、不登校の状態が思春期以降にも尾を引くようなかたちで、ひきこもり状態へと移行したものが少なくないということです。

 

 

そもそも子供たちの不登校はなぜ起こるのでしょうか。ひきこもりでは、社会的な活動や対人関係からの逃避ということでしたが、不登校の場合、逃避しているのは「学校」ということになります。

 

 

学校の中には、学校という空間そのものや、先生および生徒たちとの人間関係、学業や学校生活といったものが含まれているのでしょう。

 

 

不登校の子供たちは、「学校」から逃避していますので、学校以外の場所では活発に動きまわり、良好な対人関係を結ぶことができるということも少なくありません。

 

 

つまり、不登校であるからといって、自宅や自室に閉居しているひきこもり状態であるとは限らないのです。しかしその一方で、学校はおろか外に出ることさえもできず、ただ単に人と顔を合わせることや家族との会話も避け、ひたすら自室にひきこもって過ごしているというケースもあります。

 

 

不登校になるきっかけはさまざまです。まず一つには、学校における人間関係の問題(嫌いな先生がいるとか、いじめを受けているなど)があり、次に、学業の問題(嫌いな科目がある、授業がつまらない、勉強についていけないことに引け目を感じるなど)があります。

 

 

また、明確なきっかけがまったく考えられないにもかかわらず、不登校に至るというケースも少なくありません。それは、集団生活そのものが苦痛であるという、本人に社会性が欠けている場合や、母親(まれに父親)から離れて生活することへの不安(分離不安)なども考えられます。

 

 

学業に関する問題が原因で不登校に至るケースは、通学期だからこそ起きるものであり、いわゆるひきこもりとは別であるとも考えられますが、そのような不登校からひきこもりへと移行してしまうこともあります。

 

 

日本の社会の一部では、いまだに学歴や肩書が重要視されています。その反発から、勉強が好きになれなかったり、学業についていけなくなったりした子供は「自分は落ちこぼれだ」という劣等感をもってしまい、自己評価、自尊心は低下してしまいます。

 

 

一時期、日本の社会では、小学校から大学、そして就職までという一本のレールが敷かれていて、そのレールからはずれることは人生の落伍者を意味していました。

 

 

高校を卒業したらすぐに大学を受験しなければならず、大学を卒業したらすぐに就職することが常識だったのです。そのため、このレールから一度でも脱線してしまった人間は、人生の敗者であるという烙印を押されてしまうことさえあります。

 

 

このような社会形態は、レールに沿うことを望まない子供たちにとって、自尊心の低下と自信喪失の状態を招くことになります。

 

 

その結果、他者とかかわり合うことを回避し、ひきこもらざるをえなくなります。では、学業の問題以外で不登校に至るケースが、どのようにしてひきこもりへと発展していくものなのでしょうか。

 

 

ひきこもりという体験そのものが、ひきこもりをさらに悪化させていくように、実は不登校という体験そのものがひきこもり状態に至らしめていることも考えられます。

 

 

不登校の状態を続けていると、その中で身につけていくはずの社会性やコミュニケーション・スキルなどが得られなくなります。

 

 

たとえ、学校以外の場所で親しい友人と頻繁に遊ぶことができたとしても、それによって身につけられるコミュニケーション・スキルは親しい人や既知の人を対象としたものに限られるため、集団生活に溶け込む能力や社会性は身に付きにくくなってしまいます。

 

 

要するに、不登校という体験そのものが、ひきこもり状態に移行させていくといえます。確かに、不当ないじめにあったり、担任の先生とどうしてもうまくいかないなど不可避の人間関係の問題が存在し、登校を拒否すること以外に解決の方法がみあたらないという場合もあると思います。

 

 

何が起ころうと学校へは行かなければならないのだ、などと主張しているのではありません。しかし、わたしたちは学校生活では学業だけでなく、集団生活の場でいかに自分の意見を表現し、人とコミュニケーションをとり合っていくのか、他者と協力していくかといったものも学んでいくことも事実です。

 

 

つまり、学校という集団生活の機会を失えば、それだけのものを必ず失ってしまうことになるのです。そうして見ると、不登校という状態は、まさにひきこもりスパイラルの入口にさしかかっているといえます。

 

 

ですから、完全にスパイラルの中に取り込まれる前に、社会に復帰するための努力をするなり、サポートを受けるなどの行動を起こしていくことが必要だと思います。



メニュー

過去の記事

団体概要
団体名
関東自立就労支援センター
理事長:
大橋秀太
理事:
大畑健太
理事:
杉下真理
住所
東京都東久留米市浅間町1-12-9
TEL
042-424-7855
メール
ki6jt7@bma.biglobe.ne.jp
活動内容
・若年者の就労支援、
 学習 支援、生活訓練
・共同生活寮の運営
・教育相談の実施
・各種資格取得支援