不登校とひきこもりが意味するもの
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不登校とひきこもりが意味するもの

2020年08月15日(土)7:22 PM

 

 

不登校の子供がすべてひきこもりに直結するということはありえません。英語では、hikikomoriと標記して世界共通用語のようですが、元来ひきこもりは撤退(withdrawal)の意味として理解されています。

 

 

不登校もいわば学校からの撤退として、広義のひきこもりとなりうります。広義のひきこもりには、学校には行けないけれど、図書館やフリースペースなどには行くことができるという若者もいますし、家庭からほとんど外出しない若者もいます。

 

 

そのようにとらえていけば、ひきこもりそのものが広範囲なものであることを理解することができます。一方、ひきこもりもまた社会的ひきこもりと表記されることがあるように、社会からの撤退と理解されることがあります。

 

 

その意味で、不登校とひきこもりは、身を引く対象が、学校か社会かのおもむきの相違として見られやすいです。しかし、今日のひきこもりは単純に学校か社会かの次元ではとらえることができないものを内包しています。

 

 

たとえば、過剰適応の名のもとのひきこもりがそれです。家庭にいるよりは、学校や会社にいるほうがどこか落ち着くという若者たちの存在は、わたしたちを取り囲む漠然とした不安感をかもしだすかのような一つの現れとも見て取れます。

 

 

いつ解雇されるか、将来はどうなっているのかわからないという不安感はたとえ理不尽な状況下であっても適応し続けることを示します。自室にひきこもるように、学校や会社にひきこもらざるをえないこの現実を、わたしたちは、どうとらえるべきでしょうか。

 

 

わたしたちはとかく学校不適応や社会不適応という適応できないことに一つの問題性を見出す傾向がありますが、適応し過ぎている問題についてはあまり問題視されにくいところがあります。

 

 

人よりも身を削って長く学び働き続ける若者たちは信用できるという社会風潮がそうさせるのでしょうか。適応にも陰りが見えてきた昨今、適応性のなかにある問題にもっと目を向けていかないと、わたしたちのなかにある本来のひきこもりの姿は見えてこないのではないでしょうか。

 

 

さらに、不登校とひきこもりで課題になりやすいのが、不登校・ひきこもりであり続けることによる社会的不利益です。具体的には、学ぶ権利や職業選択の幅などにみる制限や制約の課題です。

 

 

不登校とひきこもりがすでにどの年代層において誰にでも起こりえるものであり、その存在そのものが否定されないものであるならば、その後の社会的不利益をなくしていく努力が行われていかなければならないと思います。

 

 

 

ひきこもる人の働くことと働き方

 

 

 

今の状態でもとりあえず生活ができるのであれば、何とかなるのだから、それでいいのではないか、ひきこもりを肯定する考え方のひとつです。もちろん、先々のことばかりにとらわれてしまって、今を大切に生きていけないようであれば、焦り感だけが空回りすることもあります。

 

 

そうした観点から言えば、何とかなるという考え方も必要かもしれません。しかし、現実は何とかならないこともありうることから、万が一に備える必要があるだろうし、多くのひきこもりの人にとっては、できることならば人並みに就労してみたいという気持ちがどこかにあることは確かです。

 

 

ひきこもりを否定しないで、社会に出て就労することはできないでしょうか。そのなかで問われていくのが、働くということと働き方の課題です。

 

 

働くことについては働きたいと思う、しかし、今の働き方では自分がそれについていくことができるかといえば不安が残るというのがひきこもりの人のひとつの心情ではないでしょうか。

 

 

であるならば、その支援の基本的な構造は、働くことを支援するのではなく、これからの働き方を考え、どういう働き方がひきこもりの人にとって必要なのかを検討していくことにほかなりません。

 

 

そこには、第一に無理なく自分のペースで働くことができる仕組みであること、第二に、辛くなったらいつでも休める状況があること、第三に、何か困ったときには周囲にものが言える環境があること、第四に、外側から与えられる仕事だけではなく内側から湧き上がってきた仕事であることでしょう。

 

 

しかし、現時点では、やりたいことがわからなくてもとりあえずは自分に役割があること、そして最後に、それを一人ではなく他者と協同して行うことで不安を少なくし、自分なりの社会参加を探っていくことができることでしょう。

 

 

ひきこもりの人は、不安感をもっていることが多いので、一つの仕事を一人でやることの不安が強ければ強いほど、その仕事を引き受けてやろうという気持ちに踏み切れません。

 

 

それを気の合う仲間と協同して取り組むことができれば、その先が見えてくることもあります。多少失敗しても「まあいいか」という雰囲気が安心感を作り出し、多少不器用であっても「またやろう」という気持ちにさせます。

 

 

人間の自信というものは、そうした関係性のなかでつくられていくものです。



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