子供の不登校による家族関係の変化
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子供の不登校による家族関係の変化

2020年08月07日(金)5:26 PM

 

 

 

子供が学校を休むようになったばかりの頃は、両親ともに子供を何とか学校に行かせようとします。 しかし、欠席が長期化すると、母親の登校刺激は減少して、父親が登校刺激を始めます。父親が登校刺激をしても、子供は母親の時と同じように反応しますので、父親は「 母親の育児の失敗」を言い出すようになり、 父母の間に軋轢が起こりやすくなります。

 

 

一方で母親は、子供との会話の中から、「学校の対応が悪かったのではないか」という疑問を持ち始めます。そして、家庭訪問する担任などの教師を注意深く観察したりします。一般的に母親は、自分の養育のせいにするか、学校の対応のせいにするか、父親のかかわり方に問題があったとして、それらに取り組もうとします。

 

 

父親は、しばらくすると登校刺激を中断して、子供の不登校の分析をします。そして、社会システムの矛盾や学校の関わり方、母親の養育の問題点や夫婦の問題点などの解決に取り組もうとします。しかし、いずれも家族だけで解決できる問題ではありません。家族だけでの取り組みは、かえって問題を悪化させるなどの悪循環を起こしてしまうことさえあります。

 

 

子供が家庭に求めることは、「くつろぎ」です。「くつろぎ」の条件としては、「安全な居場所」が確保されていて「十分な時間」 があって、「心の満足感」が得られるような体験ができることです。そのためには家族関係が穏やかで、外部からの有害刺激が家族によって減少していて、子供自身が自己防衛のための二次的反応を起こさなくても済むような対人関係や環境が必要です。

 

 

十分な「くつろぎ」を獲得した子供は、自分の力を回復させ、二次的な反応を減少させて再登校に向けて歩き始めます。そこで、以下に、学校の教師が家族援助をする場合のいくつかのポイントをまとめてみます。

 

 

 

 

教師による家族援助のポイント

 

 

 

最初に親の発言や子供の言い分に沿って、教師も、学校の対応が完璧なものではなかったことを認めることが大切です。親の多くは、自分の子供の欠点を認めながらも、教師の配慮のなさを攻撃します。

 

 

教師の対応の失敗や問題点を認めてもらいたいからです。親の学校に対する最初の攻撃を、緩和したり改善したりできると、その後の家族との話は大変進めやすくなります。まず、当事者である子供が家族の中でどのように理解されているのかを把握しておきたいものです。特に、子供は母親に対して乱暴な態度をとることで「優しさ」を求めている場合もあります。

 

 

しかし、母親には、子供の乱暴な態度が母親の「優しさ」を求めてのものだということが信じられませ ん。教師は、母親に、家庭内暴力の意味を説明していく必要があります。母親は、子供の暴力に怯えて、子供がわざと「的を外した暴力」を振っていることを読み取る余裕がないほどうろたえています。

 

 

教師の支えがなければ、母親は子供に対して常に「不安による接近」をせざるを得なくなります。そして、母親のそうした態度は、一層子供のイライラを引き起こす原因となり、家族関係の悪化に向かう悪循環を維持させます。家族関係の中で子供が「くつろぐ」ことができないような場合は、母親に「くつろぐ」ことの意味を教えておく必要があります。

 

 

子供の生活は、朝起きないで、夜はなかなか寝ないし、食事や洗面や入浴や外出も、登校していた時と違っていい加減になっています。子供がそのような生活をしてしまうのは、「自分自身で自分の心身の安全を守るために生活スタイルを変えている」こととして理解することが大切です。

 

 

親は「学校に行かなくても生活だけはきちんとしなさい」という信念で、子供の「くつろぎ」を 妨害します。なぜなら、親は家庭における子供のそうした生活態度が、不登校による二次的な反応であることは認識できていませんから、子供に「くつろぎ」を与えて子供の疲労や緊張の回復に協力しようという発想が生まれてきません。

 

 

言い換えれば、子供の心身の安全性の獲得が、子供が満足するほど得られていないということです。そのような場合、家族の中で子供に向けられる「非難・批判・拒絶」があります。そのような家族間のコミュニケーションの特質と要因を、次のような方向性を参考に見極めてください。

 

 

 

(1)指示的

 

 

 

①批判・非難・拒絶

 

 

 

②命令 ・支配・攻撃

 

 

 

③威圧・抑圧・制限

 

 

 

④指導・押しつけなど

 

 

 

(2)非指示的

 

 

 

①特別なことは何も指示しない

 

 

 

②自分の考えを出さない

 

 

 

(3)期待・要望・要求

 

 

 

①相手の負担になる期待・要望・要求

 

 

 

②相手が喜ぶ期待・要望・要求

 

 

 

(4)受容と支持

 

 

 

①相手の発言や気持ちを受け入れ支える

 

 

 

②相手の発言や気持ちに共感し、安全を保証する

 

 

 

家族のなかで、誰が誰に向けて、どのような要素の言葉をかけているかを 知ることで、子供がどれだけ「くつろぎ」を得ているか、「安全感」を得ているか、「満足感」の程度はどれほどかなどが理解できます。言葉のやり取りの性質を理解していくことは、家族関係を見極め、外部から援助していく場合の大切な技術です。教師が「家族に寄り添いながらの観察と援助」をすることは、子どもの家庭内システムの一員としての位置を安定したものにできるはずです。

 



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