ひきこもり生活と被害妄想
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ひきこもり生活と被害妄想

2020年07月10日(金)4:17 PM

 

 

わたしの友人で、現在は某新聞社に勤務し、毎日忙しく働いている人がいますが、彼が大学へ入学する前に三年間浪人生活を送っていたときのことです。

 

 

予備校に通っていた二年目までの浪人生活は、一人暮らしながら、普通の予備校生となんら変わりない生活を送っていました。しかし、三年目の浪人生活のときは予備校にも通わず、自室にこもりきりとなり、ほとんど誰とも会話をしない生活を送っていました。

 

 

わたしがときおり彼の下宿を訪ねて行くと、彼は夏ごろからしだいにわたしが近くにいても大きな声で独り言を話すようになりました。彼は自分自身ではあまりそのことを意識していないようでしたが、当時のわたしはかなり違和感を覚えたものでした。

 

 

そして、秋口にはアパートの隣の住人の音がうるさい、故意に嫌がらせをしているとわたしに訴えるようになりました。わたしは彼の下宿に泊まったりしましたが、普通の生活音が聞こえるだけで、彼が言うようなひどい音は聞こえませんでした。

 

 

その後も彼は隣人に対して不平を言い続けていましたが、争いに発展することはありませんでした。大学に合格して下宿を変わり、楽しく学生生活を送るようになってからは、わたしと会っても独り言を話すことはなくなりましたし、ましてや妄想のようなことを言うことはまったくなくなりました。

 

 

そして、現在までまったくそのようなことはありません。このわたしの友人のように追い込まれた状況で、他の人と会話を交わすことなくいると、独り言や被害妄想のような症状が状況発生的に起こるのかもしれません。

 

 

これと同じことがひきこもりの人にも起こっていると考えられるのです。統合失調症の妄想は、われわれが理解できない内容を含んでいることが多いように思えます。

 

 

精神医学用語でこれを「了解不能」といい、この点がひきこもりの状況発生的な被害妄想との相違点になると思われます。そして、ひきこもりの人はひきこもりから脱出し、社会復帰を果たしたときには、おそらくわたしの友人のように被害妄想は自然に消失すると思われます。

 

 

したがって、ひきこもりの人のおよそ20パーセントに出現するといわれる被害妄想も、症状が出現したといってもあわてる必要はなく、ひきこもりからの脱出に心を配ればいいのです。



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