ひきこもり~機能不全家族の事例~
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ひきこもり~機能不全家族の事例~

2020年07月09日(木)12:18 AM

 

 

親に会話の習慣がなく、子供が話しかけても反応しない、そんな無視が長く続くと、子供は親に何も言わなくなります。コミュニケーションのない家庭では、子供が幼児期に感情を表現することを止めて、親との気持ちのつながりがなくなります。事例を見てみましょう。




「事例・18歳・男性」




三世代同居の一人息子。いじめ体験はなく、とりたてたトラウマ体験もないが、友達とうまく会話できないために二年前に高校を中退。




家庭内暴力はないが、ときどき感情を爆発させて親を驚かせている。祖父母、両親は支配的ではないが、コミュニケーションがうまくできず、黙って相手の気持ちを探る習慣がある。




食事中は会話がなく、本人の一日の会話時間は三分以下で「牛乳が欲しい」などの事務的なやりとりしかない。この男性がひきこもりの苦しさを訴えたとき、両親は話題をすり替えたり、聞いたふりをして本人をさらに絶望させた。




話し方が遅いのは、話す前に言葉をあれこれ選ぶためで、相手が少しでも早口で話すと会話についてこられない。質問する習慣がないので、注意しないと、「相手は自分を嫌っている」などと勝手に決めつけてしまう傾向がある。




自分がひきこもりになったのは親のせいだと思っており、親をかなり恨んでいる。親子のコミュニケーションの欠落は、母親が「あの子は何を考えているんでしょうか」と私にいつも質問するところによく表れていました。




親はいっしょに暮らしながら、子供と本音で話し合ったことがほとんどありません。親から会話の習慣を学べなかったこの男性は、中学の頃から友人の会話についてゆけなくなり、やがて学校で孤立してしまいました。




なんとか友達をつくろうと努力した時期もあったけれども、何を話していいのかわからず、また、友達に急に話しかけられると頭の中が真っ白になって答えられず、その緊張感が辛くて学校に行かなくなりました。




口数の少ないこの男性は相手の気持ちを察する癖があり、わたしが注意を払わないと、妄想に陥る危険があります。本人もわたしも気づかないうちに「相手は自分を嫌っている」などの誤った思い込みに陥るのは、会話のない親子関係で、相手の思いを空想する癖がついたためでした。




会話をうまくできないのは「思ったことをすぐに口にする奴はバカだ」と言う、会社役員の父親の影響も強くあります。




以上のように事例を見てきましたが、子どもを親の所有物と考える日本社会では、大なり小なりどこの家庭にもあるのではないでしょうか。




わたしは、ひきこもりは人間の感情を大切にしない、子供の人格を否定する日本文化が生みだす文化病と考えています。ひきこもりは、子供が親になつけずに、人を警戒する野良猫のようになってしまった人たちです。




人間と暮らしながら人間になつけなかったところに、親子関係の病理があります。



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