人間関係~ケンカして仲直り~
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人間関係~ケンカして仲直り~

2020年07月04日(土)2:43 PM

 

 

 

わたしは、聞き飽きたと言われるくらい、「せめぎ合って、折り合って、お互いさま」という言葉を使います。人間関係がうまくいかないと訴える青年、そしてその父親や母親に、この言葉を伝えます。言いながら腰が入り、抑揚がついてしまうほど、わたしはこの言葉が好きなのです。

 

この「せめぎ合って、折り合って、お互いさま」を身につけさせてくれる機会は学校にもありますが、その面にも家庭なのです。家庭には親子、夫婦、兄弟、嫁姑とレッスンにふさわしい人間関係のバリエーションが豊かに用意されています。そして”喧嘩して仲直り”というパターンを何度も繰り返せるのが家庭です。

 

これは大事です。”喧嘩して仲直り”するという人間関係の営みは、幼児のうちから創造していくことが必要です。せめぎ合わない家族はもちろん喧嘩もしませんが、その後の折り合ってや、お互いさまがなくなり、残るのは家庭の中の緊張感と家族同士で弱音が”しんどさ”だけです。

 

喧嘩をしてないと、ケンカが起こることが不安になり、皆が事を荒立てないようにと動き始めます。そこに緊張感がただようのです。親子ゲンカは言うまでもなく、夫婦ゲンカや兄弟ゲンカなどは、「ケンカして仲直り」を体験できる絶好のチャンスなのです。

 

夫婦ゲンカの最中は、他人には見せられない、言えない弱音を堂々として開き直り、意地と意地が交錯します。日ごろから我慢し、溜め込んできた「わがパートナーを口止めさせてしまうほどの文句」を、忘れないうちに全部言ってしまう、そのときにはパートナーによく思われたいとか、嫌われたくないなんていう余裕はまったくありません。

 

しかし、です。金曜日の夜には一ヵ月後に予定されている法事に行くの行かないのであれだけもめていた父親と母親が、日曜日には二人そろってスーパーへ買い物に出かけてしまう、これだけでもいいのです。

 

「夫婦ゲンカしても仲直りできればそれでいいんだ」ということが、子どもには伝わります。夫婦ゲンカの最中に互角のやりとりをしている親を見て、人間関係はチャラ、対等だ、ということを子どもが学習するかもしれません。

 

口で負けそうになったお父さんが、腹いせにドアをバシンとしめて外にタバコを買いに行くなんていうのも、「あれっ、おやじもけっこう子どもじゃん。可愛いじゃん」となり、それはそれでいいと思います。

 

夫婦ゲンカは離婚までいかない限り、必ず仲直りが先に待っています。早い人だと五分、どんなに時間がかかってもふつうは一週間もすれば決着がつくものです。

 

夫婦ゲンカが長引くと、生活していくうえでの不便もありますが、「なんだかんだ言ったってやっぱり女房だよ」と思い、「旦那にもいいところがないわけじゃないし」となって、だから、どうやって仲直りするかを考えます。

 

そして、仲直りするときはそれなりのエネルギーや駆け引きがいるのです。内容はともあれ、十の夫婦ゲンカのうち一つくらいは、ケンカして仲直りするためのコミュニケーションの取り方の学習に役立つでしょう。

 

ただ、コミュニケーションというのは、互いに合意を求めてすること、という「ねばり強さ」が必要でしょう。兄弟ゲンカの場合は子どもが当事者になって、実際に仲直りまでの手順をふまなくてはならないので、もっと具体的で利害関係を含めたものになるときもあります。

 

できれば思春期にさしかかる前に、兄弟ゲンカをして仲直りする場数を踏んでおいたほうがいいでしょう。なぜかというと、思春期の子どもたちは、部活だ、塾だ、テストだと忙しくておちおち兄弟ゲンカもしていられない、という状況に追い込まれているからです。

 

とにかく、家族のなかでのもめごとやわずらわしいことを事前に止めてしまわず、わずらわしいことを引きずるエネルギーを持つ努力をしましょう。家庭のなかのそんな営みからも、一人ひとりの人間がどういうことで傷つくかが見えてくるはずです。そこに、思いやりが育つのではないでしょうか。



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