社会参加を拒否する若者たち
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社会参加を拒否する若者たち

2020年06月11日(木)12:53 AM

内閣府によると、アルバイトで生活するフリーターと呼ばれる若者の数は417万人を超え、さらにニートと呼ばれる、就職も勉強もしない若者が85万人以上いると言われています。

 

これに加えて、不登校の数は13万人です。さらに、100万人以上いると言われるひきこもりの人たち。重なる部分もあるから単純な足し算はできませんが、既存の社会の価値観に背を向ける若者の数は異常と言っていいでしょう。これに加えて、新聞を賑わすインターネットで知り合った若者たちの集団自殺……。

 

なぜ日本の若者はここまで社会参加を拒絶するのでしょうか。日本人が嫌い、外国に行きたい、日本国籍を捨てたというクライアントたちは学校でのいじめ体験があります。

 

しかしながら、日本の歴史上、若者がここまで日本を否定する時代は、軍国主義の時代でもなかったのです。こうした若者たちは、学校と会社に支配される、奴隷のような生活に絶望しています。

 

しかし、自分らしい人生を求めても手に入らない。この状況で、ひきこもりは絶望して部屋に閉じこもり、フリーターは社会の片隅に自由を求め、ニートは社会参加そのものを拒絶します。

 

そして、ある若者たちは車の中に七輪を入れて最後の自由――自殺――を選ぶのです。自由を求める日本の若者を見ていると、日本は逃げ道のない閉鎖社会であることがよく分かります。

 

ヨーロッパでここまで社会システムを否定する若者は、他の国に移住するか革命を起こすでしょう。しかし、そういった自由すらない日本では、家に閉じこもるか、パートの仕事でわずかな自由を確保するか、あるいは何も考えずに生きるしかありません。

 

物が豊かになり、誰もが自分らしい人生を求める時代に、日本社会は個性を否定して、与えられた役割を果たす我慢の人生を要求します。者が何のために生きるのか分からないと感じるのは無理のないことですが、日本社会はそれを「わがまま」として否定します。

 

あるひきこもりの当事者は、個人の感情を否定する日本文化について深い洞察をもっています。彼女は、日本は貧乏のために自由や人間らしさを否定してきたと考えています。今の日本人はすっかり忘れてしまっていますが、日本は本質的には貧しい国だったんじゃないかと思います。

 

貧しさは人を苦しめます。人格もおかしくするように思います。それに小さな島国で、逃げ場がありませんでした。日本は本当に繁栄した時代を一度ももっていないと、ずっと前に何かで読んだことがあったような気がします。

 

本当に満たされたところまで行ったことがないから人間の自由とか、心とか、そういうところまで思いが及ばないんじゃないかなと思ったりもします。(30歳・女性)

 

日本が貧しい時代にはひきこもりはいませんでした。日本が物質的に豊かになったために、ひきこもりが生まれているのです。自由を求めるのは人間の本能です。ひきこもりは自由を否定する社会の産物でもあります。

 

ひきこもりの背後には個人を否定して集団を第一とする日本文化があります。文化問題の解決の第一歩として、「日本人は特別」という集団意識から抜け出す必要があります。

 

日本人の民族意識を強調するのは、昔のナチスドイツがアーリア民族の優秀性を強調したのと同じ危険性があります。日本人意識が強いと差別意識が生まれ、アジア人を低く見たり、欧米人にバカにされたと感じたりします。

 

そんな民族意識は時代錯誤なばかりか、日本人を心理的にも、国際的にも孤立させてしまいます。人間はすべて平等です。国の違いは文化発展の違いから生まれているだけです。

 

日本人には、人種や国籍とか関係なく、すべての人間を平等に見る感覚が必要です。それはアジア人を見下さず、欧米人に劣等感を持たないことです。国際化の時代で大切なことは、自分の良心に恥じない「立派な個人」になることです。

 

「立派な日本人」になる必要はありません。これからは、個人のアイデンティティが大切になる時代です。日本人は外国人と比べて、相手の気持ちに敏感な傾向があります。相手の反応が怖くて自分の意見を言わなかったり、自分が正しいと思うことを実行する行動力にも欠けています。

 

これは、相手を第一に考える共依存の体質からきています。こうした人たちは、自分の考えだけで行動しなければ問題が起きないとか、言われたとおり動くほうが安全だと思っています。だから、リスクのない人生を選ぶのですが、そんな彼らは自由に生きる人たちを嫉妬し、他人の足を引っ張ることにエネルギーを使います。

 

しかし、こうした傾向は日本人本来のものではありません。「じっとしていろ、勝手に動くな、おまえは言われたとおりに動けばいいんだ」という家庭のしつけと教育によって、日本人は無意識に「個人の自由」をあきらめ、間違った自己犠牲の精神を植えつけられたのです。

 

成功した人をねたんだり、自由に生きる人に「おまえの考えは甘いよ」と足を引っ張る背景には、自分の自由を奪われた怒りが隠れています。本人はもっと自由を大切にする必要があります。

 

失敗を恐れずに、自分が何をしたいのかを発見し、周りが何を言おうと、それを実行する勇気、古いしきたりや伝統から自分を解放する勇気が必要です。



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