拒食症~小学五年女子児童のケース~
ホーム > 拒食症~小学五年女子児童のケース~

拒食症~小学五年女子児童のケース~

2020年05月31日(日)10:43 AM

A子さんは拒食症で入退院を繰り返している小学五年生です。退院後、再入院の可能性も大きいという予測の中で、できる範囲のことをしてみようというのが来談の目的でした。食事はあいかわらず、わずかな牛乳を飲むだけだそうです。また入院ということになるまでと約束して、定期的にA子さんへの個人セラピーと家族面談を並行して実施しました。

 

それなりの成果があったのか、思いがけず長期間小康状態が続きました。そんなある日の家族面談で、ずっと避けてきた食事のことが話題になりました。両親ともに、せめてもう少し食べてほしいと希望を明らかにしました。

 

こういう話題ができる程度には、A子さんの状態が良かったのだともいえます。拒食症の面接に、実際にいっしょに食事をする方法があります。

 

無理に食べさせることはないのですが、今のままでどうなるのかと訴える両親の不安ももっともです。そこで面接室での食事を設定しました。家族は自分たちの食事を用意して持参します。

 

わたしは自分の分を用意しました。面接室のテーブルに、母親の作ったサンドウィッチが並べられました。わたしは弁当です。これまでの面接とはうってかわって、A子さんは険しい表情で黙り込んでいます。

 

父親が、「少しだけでいいから食べて帰ろう」と促しますが動きません。父親と兄は、用意された分をサッサと食べ終わってしまいました。わたしも様子を見ながら弁当を食べました。当然、A子さんは食べません。しかし母親も手をつけないのです。

 

さらに、父親と息子にはパック牛乳が用意されているのに、A子さんと母親の分がありません。A子さんが牛乳は飲むと聞いていたので、母親に確かめました。

 

「絶対に食べないと言うし、牛乳も飲まないと言いましたので、それでわたしの分も用意しなかったのです」父親に「彼女はともかくも、お母さんには食べるように勧めてください」と言ったのですが、「そんなことはできません!」と断られてしまいました。

 

結局、最後までA子さんも母親もサンドウィッチに手をつけずに面接を終えました。わたしには母娘はまるで同じように見えました。



メニュー

過去の記事

団体概要
団体名
関東自立就労支援センター
理事長:
大橋秀太
理事:
大畑健太
理事:
杉下真理
住所
東京都東久留米市浅間町1-12-9
TEL
042-424-7855
メール
ki6jt7@bma.biglobe.ne.jp
活動内容
・若年者の就労支援、
 学習 支援、生活訓練
・共同生活寮の運営
・教育相談の実施
・各種資格取得支援