ひきこもり・不登校と子供返り(退行)
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ひきこもり・不登校と子供返り(退行)

2020年05月26日(火)11:23 PM

 

 

子供返りとは、精神分析学用語で「退行」と呼ばれています。「ひきこもり」の人の退行による現象としては、親に対する依存的態度、幼児的な言動が、退行に該当すると考えられます。


 

退行が見られる「ひきこもり」は、おおよそ三人に一人ぐらいと思われます。典型的な子供返りの例として、ここではAさんを紹介します。Aさんは、現在23歳の女性です。


 

高校卒業後、地元のスーパーに就職しました。もともと彼女は人見知りが強く、年長者と話すことが苦手でした。就職後一年ほどで、職場の上司との折り合いが悪くなり、しだいに孤立するようになりました。さらに、当時付き合っていた男性との別れ話のこじれから、精神的に不安定になって退職しました。


 

退職後から、精神不安定のために精神科を受診するようになり、それと同時に関東自立就労支援センターで社会復帰のための支援を受けるようになりました。


 

Aさんの現在の日常は常に母親と二人で過ごし、どこへ行くのも二人で出かけます。Aさんが一人っ子ということもあって、母親の関心もAさんに集中しています。


 

父親との三人暮らしですが、父親の話は二人からはほとんどでません。Aさんは四年ひきこもっていますが、買い物や映画には出かけることができます。精神科で心理面接を心理士に毎週受けていますが、受診当初は面接室に一人で入ることができずに、母親が同席していました。


自宅で二人でいることがほとんどですが、母親に対する態度は依存と攻撃が入り混じっているようなもので、非常に幼児のように甘えた態度をとったかと思えば、「どうしてわたしはこんなふうになってしまったのか、こんなふうになったのはお前のせいだ」とわめきちらしたりします。


 

しかし、現在のAさんは精神科でも関東自立就労支援センターでも一人で面接をしています。母親との関係はあまり変わりありませんが、感情の起伏は少しずつ平坦になってきています。このAさんの母親に対する態度が、「退行」と呼ばれるものに該当します。


 

幼児的な依存的態度も、攻撃的言動も「退行」にあたります。ひきこもりの人の約三分の一に「退行」が認められるといわれています。


 

ただ、普通に暮らしているわたしたちでも、最も親密な関係性の中では、たとえば恋人との間では誰でも依存と攻撃が交互に起こることはあるでしょうから、ひきこもりの人の濃密な母子関係の中で「退行」が出現することは当然かもしれません。


 

「退行」の最も悪い面としては、家庭内暴力へ発展することがあるということです。「退行」の攻撃的言動が、暴力へとつながってしまうのです。暴力のあとに、DV(ドメスティック・バイオレンス=配偶者や恋人からの暴力)と同様にハネムーン期と呼ばれる親密な関係が生まれるのはひきこもりの退行による家庭内暴力も同じです。


 

ひきこもりの退行は、ひきこもりを脱出していくのと時を同じくして見られなくなっていきます。



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