ひきこもり~価値観の押し付けと家族の焦り
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ひきこもり~価値観の押し付けと家族の焦り

2020年05月25日(月)8:30 AM

 

 

これはあらゆる精神疾患についていえることですが、病状が悪化しているときは、とりあえず無理をさせないことが大切です。

 

ひきこもりの人に対しても、同じことがいえます。ひきこもりの人に関して言えば、とくにひきこもり始めたとき、少し外に関心が向き始めたときに、家族が一般的な価値観を押しつけがちです。

 

ひきこもりの人の状態が悪く、連日死にたいと訴えていたり、外界に対する恐怖に怯えているときは、家族はとにかく子供が生きてさえいればいいと思うものです。

 

しかし、そうではないひきこもりの当初と回復の兆しを示したとき、この時期が最も大切な時期であるにもかかわらず、家族は自分たちの価値観を押しつけがちになります。

 

そして、その結果、ほんとうにひきこもってしまったり、また完全にひきこもってしまったりということになります。具体的にどのようなことに家族は注意すればよいかをここではお話させていたたきます。

 

第一に、家族が陥りがちな点は説教、批判、否定などをしがちなことです。わたしたちもそうですが、どうしても「働かなければ一人前とはいえない」「社会参加はわたしたちの義務だ」という観念にとらわれがちです。

 

そして、この観念によって「いつまでもこんなことしてていいのか」と説教したり、「こんなふうになったのは、結局はおまえのせいだ」と批判したり、「早く外に出るようにしなさい」と命令したり、「もういい加減にしてくれ」と否定したりします。

 

家族の気持ちもわかるのですが、ひきこもりの本人たちもいわれるまでもなくわかっているのです。

 

だから、自分ではどうしようもないのにそれをどうにかしろと言われても、焦りや苛立ちを募らせるだけで何の解決にもならないし、かえって関係性を悪化させてひきこもりを長期化させる要因となります。

 

したがって、家族はまずひきこもりの状態がそこにあること、現実であることを認めることが大切だとわたしは考えています。具体的には家族は「今、ここで」の気持ちを素直に口にすること、肯定的なメッセージを送ることを続けることが肝要です。

 

第二に、ひきこもりの人の気持ちを探ったり、こちらから操作しようとしてはいけません。ひきこもりの人は現在の状態に苦しんでいて、自分でも一日も早くひきこもりから脱出したいと思っているのです。

 

探りや操作は逆にひきこもりの本人の猜疑心をあおり、「親はほんとうに何もわかっていない」「親がこんなだから、外へ出られないんだ」と考えてしまいます。

 

このような状態にならないためには、家族はまずひきこもりの人が今、どんな気持ちでいるのかを相手の立場になって考え、事実をそのまま伝えるようにするのです。

 

具体的には「どうして外へ出られないんだ」ではなくて、「心配してるけど、今は外へ出られないんだね」と言うようにしてください。ここで述べたことは、あくまで理想的な対応になります。家族は何回も過ちを繰り返しながら、よりよい方法を見出していくものです。

 

ですから、家族もけっして焦ってはいけません。ひきこもりの本人、家族とも結論を急がず、現状で何ができるのか、今現在、何をすべきなのかを考えていきましょう。

 

ひきこもりが長期化するにつれて、家族は「いつまでこんなことが続くのだろう」「この子やわたしたち家族の将来はどうなるんだろう」「早く何とかしないと、わたしたちが死んだ後、この子はどうやって生きていけばいいんだろう」というような焦りが当然ながら出てきます。

 

そういうとき、家族はどうすればいいのでしょうか。家族も焦ってはいけないと理解はしていることが多いのですが、それでもどうしようもなく焦ってしまうのです。これに対する解答のヒントは、「母子一体化」と「父親の役割の低下」にあります。

 

すべてのひきこもりの家族がそうだというわけではありませんが、多くの場合に母親は子どもに関わりすぎ、父親は関わらなさすぎになっています。

 

母親も母親である前に、一人の人間なのですから、自分の人生を生きて欲しいと思います。たとえば、友人とお茶をしたり、趣味の集まりに参加したり、映画や観劇に出かけるなどをすればいいと思います。

 

苦しんでいる子供をほったらかしにして、自分は遊びに出かけてもいいのかなどと思う必要はありません。罪悪感を感じる必要は、「ひきこもり」の場合はないのです。結果的には、必ずいい方向に向かいます。

 

母親が活き活きとしているほうが子供にとってうれしいものなのです。一方、父親はもう少し、子供に関わるべきだと思います。膠着状態に陥っているときに、「自分はこれまで何もしていなかったのに、いまさら口なんて出せない」などと考える必要はまったくありません。

 

それまで自分に関心を寄せられることなく反発していた子供は、父親の変化は必ずうれしいものなのです。たとえ、ひきこもりの子供がその変化に対してなんの反応も示さないとしても、結果的にはひきこもりはいい方向へ向かいます。

 

そして、もし父子の対話がメールなどの直接的な方法でないにしろ復活したとすれば、父親は子供がひきこもりでなんの進歩もないと思っていたのがまったくの間違いで、見当外れであり、子供が意外にいろんなことを考えているのだということがわかるはずなのです。



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