不登校~中学二年男子生徒のケース~
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不登校~中学二年男子生徒のケース~

2020年05月17日(日)11:42 AM

結婚した二人は、いろいろありながら一つの家庭を形成していきます。その間には思いがけない不運もまた幸運もあります。




嬉しいとき、まわりの人たちと共に喜びを分かち合いたいと思うのは健康な心の動きでしょう。




また一方、不運に遭遇したときは、できるだけ自分たちの力で克服しようと試みて、周囲には迷惑をかけないようにしようとする、これもまた健康な心情ではないかと思います。




何事も順調で幸せな家によそ者の立ち入る隙はありません。なにものかが忍び込んできたりするのは、家族が苦境に立たされているときです。




中学二年生のE君が登校を渋るようになったのは、三ヶ月ほど前からのことです。




すぐに気がついた両親は揃って心配していました。早めに相談したほうが解決もスムーズだろうと考えた母親は、学校を通じて関東自立就労支援センターに連絡してきました。




両親と本人、そして妹にも来てもらって全家族面接を行うことになりました。その時のことです。話の中に父方祖母と、父親の姉たち(E君の祖母たち)のことがやたらに出てくるのです。




同居かあるいはごく近いところでの生活なのかなと思いました。しかし実際はそうではありませんでした。そこで、「おばあちゃんの家に、よく遊びに行ったりするの?」と妹に聞くと、「あんまり・・・・」と答えます。




「じゃあ、おばあちゃんが遊びに来るの?」と聞くと、「来ない」と答えます。そこで両親に、「先ほどからお父さんの実家の方たちのことがしばしば出ていましたが、日常的によく行き来があるのですか?」と聞きました。




しばらく不思議な沈黙がありました。そして、「どう答えたらいいものか・・・・」よくわからない返事でした。後日行った夫婦の面接で、この点が明らかになりました。実はこの夫婦には以前、ある大きな試練がありました。




妹が生まれた頃のことです。社用で行きつけの酒場の女性と、夫が親しくなったのです。ところが、少々込み入った事情を抱えた女性だったようで、そのあとトラブルになりました。




自宅に脅迫まがいの電話があったり、代理人と称する人が会社を訪れたりしました。子供が生まれたばかりの妻に話すわけにもいかない夫は、金銭の工面も含めて実家の母親に相談したのです。




三姉妹の下に生まれた末っ子で長男の窮状を聞いて、母親をはじめ姉たちは揃って動き出しました。そして、「おまえはもう、前にでなくてもいいからね!」と宣言すると、母親と姉たちで見事に話をつけてしまったのです。




そしてさらに、彼には内緒で妻に、「気がついていたかもしれないが、女性問題で面倒なことがあった。けれども、もうきれいに解決したから、あんたは知らないふりをしておきなさい」と伝えたのです。




これをきっかけにE君の家では、何か問題が起こると父方の実家の介入があるようになりました。




そして今回の不登校の問題でも、祖母らが出てきていたわけです。問題の解決に、伯父さん、伯母さん、おじいさん、おばあさん等の力を借りることもあります。




しかしE君の相談については、同居ではない人たちの介入(善意ではあるのでしょうが)を遮断することから、解決への関わりを始めました。




嘘をついてもいいから、面接の内容を実家に対していっさい秘密にすることにしました。まず家庭内外の境界を、秘密を持つことで作ろうとしました。そして隠し事を持つ共犯者として、夫婦の連携を高めようと考えたのです。




そう簡単には症状の解決に至りませんでした。しかし実家と一定の距離を置くことは、母親の願いと一致しており、夫婦での取り組みはスムーズに運び出しました。



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団体概要
団体名
関東自立就労支援センター
理事長:
大橋秀太
理事:
大畑健太
理事:
杉下真理
住所
東京都東久留米市浅間町1-12-9
TEL
042-424-7855
メール
ki6jt7@bma.biglobe.ne.jp
活動内容
・若年者の就労支援、
 学習 支援、生活訓練
・共同生活寮の運営
・教育相談の実施
・各種資格取得支援