子供に懐かれる大人の条件
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子供に懐かれる大人の条件

2020年05月15日(金)2:58 AM

子供が甘えてくれる、弱音を吐いてくれる、それは子供が親に懐いてくれている、ということです。面接に訪れる父親の中には、本当に悲しみをこめて「子供がぜんぜん懐いてくれないんです。




そんなに父親のわたしに問題があるのでしょうか。どうしたら、子供に懐いてもらえるのですか」と訴える人が珍しくありません。




せっかく縁あって親子関係になったのですから、懐きあいたいものです。懐くという字、これは懐(ふところ)という字です。懐というのは、腕(かいな)のなかで自分を両手で守ってくれる、暖かな場所です。




では、どういうときにその懐が恋しくなるのでしょうか。人は努力しても必ずしも、その努力が報われるとは限りません。そんなとき人はどうしようもない気持ちに陥ります。




慰めや励ましではなく、ただじっと自分の報われないその気持ちを受けとめてもらいたいと思うものです。そういうときに懐で、しばらく休んでいたいのです。我々は、努力しても報われなかったら、それを努力とは呼ばない傾向があります。




だから基本的に敗者には冷たいのです。敗者は勝者よりも努力が足りなかった、と無言で非難しているわけです。でも一生懸命努力しても、誰しもいつも勝者になれるわけではなく、負けてしまうときは負けるのです。




努力しても報われない努力があるのです。それは人生は、思い通りにいかないこともあるということです。努力が報われなかったのに、さらに、周囲からは「努力が足りなかった」と言われてはたまりません。




これでは誰だってやる気も失せてしまいます。努力しても報われないことを受けとめてもらえてこそ、いつかこの努力が実る日が来ると信じる意欲が生まれるのだと思います。




人生、すべてめぐり合わせです。今の自分の社会的地位はすべて自分の努力の成果だと思ったら、それはおごりであり、不遜な考えだと思います。




人生は最後までどう転ぶのかは誰にもわかりません。これはある出版社の方からの又聞きですが、明治、大正、昭和と生きた「ダルマ大臣」と呼ばれた高橋是清は、少年のころ、渡ったアメリカでだまされて奴隷に売り飛ばされ、その後は事業に失敗して全財産を失い、そこから這い上がってやがて日本銀行の総裁になり、さらに総理大臣にまで上り詰めました。




引退後も、何度も大臣として乞われて内閣に入り、そして最後は二・二六事件で将校に殺害されてしまいました。彼の人生はまさにめぐり合わせ、組み合わせ、人智を超えたものを感じます。




努力しても報われることもあるし、そうでないこともあるのです。人はそういうとき、じっと再起を期して、誰かの懐の中で、心を癒す必要があるのです。報われないくやしさや悲しさを、懐の中で告白し、それを受け止めてもらいたいのです。




否定されることなく、安心して、愚痴を言いたいのです。自分をかけがえのない存在として、受けとめてもらうことで、立ち直る力と勇気がわいてくるのです。




良いとか悪いとかを懐の中で評価してほしくないのです。良いことをすれば褒められ、悪いことをすれば叱られる、これは当然のことです。




親として大人として、子供に善悪を教えることは大切なことです。では、善悪をしっかりと、厳しく教えさえすれば子供はその人に懐くでしょうか、心を開くでしょうか。




善だけを教える人を慕い、悪を教える人を避けるでしょうか。現実はそうではないですね。人間の心の世界はそんなに単純なものではありません。多くの人に迷惑ばかりかけている人が悪い人とも限りません。




あの有名な映画でる「男はつらいよ」の寅さんは、みんなに迷惑をかけっぱなしです。隣のタコ社長やおばちゃんには悪態をつき放題、それでいてみんなに慕われています。




どうしてなのでしょうか。悪態をついても、みんなに迷惑をかけても、「すまねえなあ」といつも寅さんはみんなのことを心配しています。




旅先から欠かさずに便りを出すのはそのためでしょう。妹のさくらもひろしも、タコ社長もおばちゃんも、ご住職もみんな心配しています。




常に気にかけているのです。だから迷惑をかける人は皆が悪い人ではないのです。迷惑をかけても、いつでも気にかけて、懐に飛び込んでくる人を、人は邪険には扱いません。




また、いつでも懐に飛び込んでいける人に対しても知らんぷりはできません。「せめぎあって(迷惑をかけ)、折り合って(気にして)、お互いさま(懐く)」です。




だから、人は悲しみを癒すために、懐に飛び込んでいけるのだと思います。懐くとはそういうことだとわたしは思うのです。子どもに懐かれる親になりたいものです。



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