友達を取り戻したい(19歳女性の不登校体験)
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友達を取り戻したい(19歳女性の不登校体験)

2020年05月03日(日)12:53 AM

「わたし、今日、四年間通った高校を卒業しました。これでやっと、友達を取り戻すことができた感じです」




A子さん(19歳)は電話口で、喜びに浮き立つ自分の気持ちを抑えるように話しました。わたしは彼女の「同世代から置き去りにされた十代」に思いをはせながら、言葉ひとつひとつに耳を傾けました。




「どうせわたしはバカな娘よ」そんな彼女の口癖が何度も浮かんできました。「まぶしいほどに輝いていた」A子さんは、小学校六年のときにバスケットクラブのキャプテンに選ばれました。




彼女の几帳面な性格は、朝の練習に遊び感覚で遅刻する仲間を許すことができませんでした。注意するたびに「偉そうに」と言って、友達は遠ざかっていきました。




「バカ正直だな。融通をきかせてやれよ」「そうよ、どうせわたしはバカな娘よ」A子さんは父親に言い返しました。その語気の強さに、父親はとまどいました。




「息切れするように」中学に進んだA子さんは、心ない男子生徒から「タラコ唇」とからかわれました。まもなく、「誤解される人間」になることを恐れて、友達との距離感に悩むようになっていきました。




ところが、ただひとりの幼なじみの級友に甘えて、肩を強くはたいたことが誤解され、けんかになってしまいました。A子さんは心細くなって、母親に相談しました。




「あなたを嫌いだなんて、そんなバカなことを言うわけないよ。それはあなたの誤解よ」「そうなの、わたし、バカな娘なの」それ以後、A子さんは自室に閉じこもり、学校を休むようになりました。




休み続けていると、幼なじみの級友から電話が入りました。「学校へ来なよ。これが最後の誘いだよ」「どうしてそんな言い方を・・・・」躊躇しているうちに電話は切れ、登校への気力も失せてしまいました。




中学三年も一月ごろになると、「友達を取り戻したい」という思いから、高校への希望がふくらんでいきました。「三年間も不登校だった生徒の推薦なんて、そんなバカな・・・・」




「バカでも、不登校でも、わたしは高校に行きたいんです」A子さんの願いは、定員割れの二次募集でかなえられました。そして、一年の留年を乗り越えて、同世代から置き去りにされた「バカな」娘は卒業していきました。




彼女の卒業証明書は、同世代証明書だとわたしには思えます。




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