ひきこもりの精神保健福祉
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ひきこもりの精神保健福祉

2020年05月02日(土)9:32 PM

厚生労働省の「ひきこもり対応ガイドライン」で、ひきこもりを「精神保健福祉の対象とする」ことが認められています。




この結果、都道府県や市町村の保健師や精神保健福祉相談員、精神保健福祉センターは、ひきこもり相談や訪問活動の中心的な担い手となりました。




もともと精神病が疑われるケースの訪問対応は精神保健福祉の業務のひとつでしたが、「ひきこもり状態」の相談を受け、必要時には訪問することが責務となったのです。




ひきこもりの社会復帰の支援団体を運営している者としていつも痛感するのは、「ひきこもり状態」には、やはり統合失調症、人格障害、発達障害、神経症性障害から病理性のないものまですべてが含まれ、素人目には見分けがつきにくいということです。




とくに、ひきこもるわが子への対応で疲弊した親たちが、わが子のひきこもりが統合失調症によるものか否かを見分けることは困難です。保健師や相談員の段階ですら、疾患の目安をつけることが難しいケースがあります。




初診の段階でも診断がつかないこともあります。いくつもの公的機関で断られ、9年間ひきこもりの生活を続けてきた30代の女性は、家庭内暴力、暴言、器物損壊があり、家人の消耗が激しい状態でした。




改めて保健師に訪問をしてもらい来院させましたが、受診の段階では、パーソナリティ障害(失調症型、シゾイド型)としか診断されませんでした。ときおりの精神運動性興奮があるために医療保護入院となり、入院後に初めて幻覚妄想の存在が判明しました。




また別の16年間ひきこもっていた37歳の女性は、家人の話を聞く限りでは強迫性障害が疑われましたが、入院後の心理検査では統合失調症でした。




社会的ひきこもりだから訪問できないという立場をとると、このような統合失調症のケースを見逃してしまうことになります。社会的ひきこもりというと、何がでてくるかわからない怖さから、腰が引けてしまう向きもあるようです。




しかし、わたしの経験からすれば、これはいささか過剰な反応です。むしろ、医療保険福祉に見捨てられた(と感じた)親たちが、一部過激なグループのような「ひきこもり狩り」をする、収容型、営利中心型、スパルタ型、人権侵害型の一部の民間施設に丸投げをして、ひきこもる若者をさらに傷つけてしまうことのほうがもっと恐ろしいといえます。




15年ほど前からはじまった、ひきこもりへの偏見は相変わらずで、現在でも事件が起きると、因果関係が明らかでないにも関わらず、「ひきこもり」を引き合いに出すマスコミや評論家は後を絶ちません。これはまことに残念なことです。



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