母と子~やさしさに癒されたい
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母と子~やさしさに癒されたい

2020年04月27日(月)7:13 AM

関東自立就労支援センターの相談室には、もちこたえきれない不安を抱えた多くのひきこもる若者や、その子どもを抱える親御さんたちが、心の居場所を求めてやってきます。




その願いは、「やさしさに癒されたい」です。それはまず受け身の会話からはじめたいということです。傷つくリスクを背負わないコミュニケーションを、かかわりの一歩としています。




ここではそんな若者たちのひきこもりに至った思いを聞く(リスニング)中で、ふたたび隠していたり、見失っていたいじらしさ、けなげさに出会い、そこをきっかけにひきこもりから抜け出していった一コマを紹介します。




「僕はいつも親や先生に自分の成長をプレゼントしたかったが、大人はいつもその気持ちを信じてくれなかった」わたしは家庭内暴力に明け暮れていたAさん(17歳)とお母さんの「不思議な夏」を忘れることができません。




Aさんは一人っ子で、両親が離婚後は母親の手ひつとで育てられてきました。中学生最初の成績は、小学校時代に比べ、「予想を超えて、超悪かった」と言います。それまであまり気にしていなかった学年順位で、母子の心に溝ができてしまいました。




「お母さんはお前の励みが頼りなんだよ。何かあると、母子家庭、愛情不足と言われてしまうのよ。恥ずかしい思いはさせないで」Aさんは気丈な母の前では何一つ反抗できませんでした。「忙しく働く母親の気持ちはわかっていても、いつもひとりで食べるカップラーメンの味は塩ばかりがききすぎていた」




深夜、やるせない思いから自動販売機でタバコを買って公園で吸っていたところ、先輩から声をかけられました。誘われて、翌日、競馬に行くと、思いがけず大金を得て、金銭感覚が麻痺してしまいました。




気がついたら母親の財布を手にしていました。そして、帰宅すると、母親に向けてハズレ券をばらまきました。Aさんの盗みは、万引きから、さらに恐喝へと進み、大人との会話をすべて絶っていきました。




わたしは母親に問いかけました。「息子さんが欲しかったのはお金ではなく、母親との時間であり、愛情ではなかったのでしょうか」Aさん自身、孤独やさびしさを「もっとも信頼する母親に聞いてほしかった」と、心の葛藤をのぞかせました。




その後、万引きを繰り返すたびに、母親はAさんを引きずるようにして相手のところに連れて行き、謝りました。そのことでやっと、二人に親子で過ごすことのできる時間が戻ってきたのは、やや皮肉なめぐり合わせでした。




子どもたちが求めているのは、最後はなりふりかまわず自分を必要としてくれる親のかかわりです。二十代を迎えてひきこもる若者たちは、そんな子ども時代があればよかったとあこがれてもいます。



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理事長:
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